乾パンの味しみわたる皐月哉

 皆様ありがとうございました。困ったときにはお互いネット乞食となって物を貰って生き抜きましょう。こちらは「日本食えない自由業同志互助会」です。
 APの2010-5-1ニュース「Ban on Women on Subs Lifted」。
 議会の反対がなかったので、米海軍が原潜への女子乗組みは正式決定。
 SSBNだけでなく、攻撃型原潜にも乗せる。とりあえず、8クルー内にそれぞれ士官を3名づつ。
 最初の艦は、いま、野郎士官15+野郎兵140名が乗っているものだ。
 全米海軍 330,700名のうち、女子は52,446名である。
 今日、科学と工学の修士の半分は女子なので、この決定は合理的だと海軍当局。
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 defensetechの2010-4-29の記事「The CH-53K is steadily eating away at the V-22 Osprey market」。
 オスプレイを買おうという海外バイヤーが減りつつある。CH-53Kの方が高性能でお買い得になりそうだというので。
 2009年後半、海兵隊は、40年使ってきたCH-53DをCH-53Kにしようと決めた。もともとはMV-22 Osprey でリプレイスするつもりだったのだが。
 ほぼ同時に、イスラエルも、オスプレイの輸入は無しとし、 CH-53Kを選んだ。
 稼働率が 65% しかなく、1時間飛ばすのにメンテナンス費用が $11,000 dollars もかかるオスプレイにとって、 CH-53K が、これからの最大脅威である。
 CH-53Kを搭載したヘリ空母型揚陸艦の方が、MV-22を搭載したヘリ空母型揚陸艦艦よりも、その艦に載っけている海兵隊の部隊に、より多くの補給支援をしてやれるということが、すでに調べられて判っている。
 つまり、海兵隊の強襲揚陸艦には、より少ないMV-22と、より多数のCH-53Kを混載するように、いまから編制を変更した方がよさそうなのだ。
 オスプレイではなくCH-53Kを買おうとしている国の中には、台湾もあるとのこと。
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 defensetechの Greg Grant 記者の2010-4-30記事「Russia Losing Valuable Arms Buyer as Chinese Defense Industry Ramps Up」。
 ハドソン研究所の人によれば、シナの兵器国産率が向上して、ロシアからの輸入が著減しつつあり。
 2001年以降、ロシアはシナに $16 billion の兵器を売った。だが、1年で $2.7 billion(ロシアからの兵器輸出総額の4割に相当)売ったのがピークで、2005年以降は漸減。
 最近ではロシアの兵器輸出総額の1割しかシナは買い付けていない。この数値はもっと減り続けるだろう。※なるほどそれじゃ南米へ売り込みたくなるわな。
 シナの典型的な遣り口。1995に「スホイ27を200機、ノックダウン生産する」という契約をロシアと結ぶ。ところが2004に、その国内組み立て機数が100機に達したところで、「もうウチの要求性能に合わなくなった」と言っていきなり契約をキャンセル。そしてただちに「J-11B」というスホイ27のマルパク国産品を世界へ売り込み始めた。※9年でコピーしたというわけだ。ある意味、偉業。イスラエルと好い勝負。なお別な記事によればロシアは国産UAVはもうあきらめて、完全にイスラエルからの技術購入に切り替えるらしい。
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 アジアンディフェンスの2010-4-29記事「Second Pakistani Agosta 90B SSK to be retrofitted with MESMA AIP System from 2011」。
 フランス製で、給排気を必要としない潜水艦用AIPエンジンMESMA (Module d’Energie Sous-Marine Autonome) が、パキスタンの既存の仏製潜水艦(1760トン)×1隻にも、オーバーホールのついでにリトロフィットされる。
3隻ある Khalid-class の潜水艦のうちまだ2隻はAIPを搭載していなかった。
 The liquid oxygen MESMA system is installed within a hull plug measuring 6.2 m in diameter and 8.6 m long and weighing 160 tons.
 このAIPをつけると、4ノットで潜航するときの航続時間は4倍になる。潜りっぱなしで2週間いられるのだ。
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 2010-5-1の記事「The enemy within: why coalition forces fear attack by Afghan comrades」。
 昼間、米国人やカナダ人の警察官から教育指導を受けて叱られると、アフガン人警察官は恨みに思って、夜間、哨所の中の暗闇からその外人教官に対して発砲する。とにかく狷介な連中だよ。
 2009には5人の英兵が、教育訓練していた1人のアフガン人警察官によって逆に射殺されるという事件も。
 アフガン政府警察の管理職ポストは $50,000 で売買されている。管理職は皆、その地位をカネで得たのだ。ド腐れどもである。
 警察派出所をタリバンが爆破した最近の手口。満載の荷物と2人の子供を乗せたロバに爆弾をしかけてチェックポイントで起爆。あきらかに子供は自爆ミッションだとは知らされてはいなかった。
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 Roxana Tiron 記者による日付不明記事「The U.S. Sniper’s More Accurate, Quieter Rifle」。
 レミントン社の槓桿式M24狙撃ライフル銃が22年ぶりにモデル・チェンジ。より静粛となってこの秋、アフガンに新登場。
 米陸軍はこの改善のために $5.6 million の予算をつけていた。
 銃身が新しくなる。現用の7.62mm NATO弾よりも重い「 .300 Winchester Magnum」弾を使用。※口径は変わらないわけだな。とすると原文で重いroundとあるのは、むしろ、大きなカートリッヂ、と書かれるべきか? 詳しい人に訊くべし。
 これによって有効射程が1400ヤードまで延びる。現行より数百ヤード長い。
 しかも、銃身に suppressor が付く。これで発射音と発射炎を抑制。
 スコープの前に、暗視装置を簡単にとりつけられるようなレールマウントもデフォルトで設けられた。これは、かねてから要求されていた。※それじゃ、いままでの夜間狙撃は、バイザーの暗視装置で昼間用のスコープを覗いていたのか???
 スコープそのものも新しくなる。16.5倍から25倍まで、可変にできる。
 レンジファインダーも付加される予定。これで、標的までの距離を計算する必要はなくなる。
 この改造の背景。
 イラクよりもアフガンの方が、交戦距離は大であることが、ようやく理解されてきた。
 イラクでは、市街戦だった。アフガンではそうではない。
 イラクの市街戦でのスナイパーの戦訓は、「1発必中というスローガンは忘れよ」。むしろ「スナップ・ショット」的に早撃ちをする感覚でないと、射撃チャンスがまったくなくなってしまう。
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 JOHN REED 記者の2010-4-30記事「Afghan Surge Strips UAVs from U.S. Forces Elsewhere」。
 米軍はすでに6500機もの無人機を中東へ送り込んだ。
 需要はアフガンで緊急度が高い。需要に供給がおいつかぬ。
 そのため中南米担当の米軍サザンコマンドでは将兵がUAVに習熟できないでいる。米軍パシフィックコマンドではもっと遅れている。
 2001には、米軍はぜんぶでわずか200機のUAVを作戦させ得るのみだった。
 しかし2012には8000機となるだろう。
 以下、余談。
 日本は先進国の中で、零細土建会社の数が最も多い。この数は、ある国の経済が発展すれば、自然に減るものなのだが、日本でのみ、逆だ。特に沖縄県は甚だしい。あんな狭い県に、無数の零細土建企業がひしめきあっているのだ。
 理由は、公共事業である。国の公共事業の予算が、県の政治ボスたちによって、郷土の下請け零細土建会社の従業員を食わせることに使われる。そして政治ボスたちは見返りに、票や闇献金を得ている。
 零細土建会社には、技術力がない。たとえば高層ビルの建設などは請け負えない。10階建てのホテルの柱を1ミリのブレもなく垂直に立てることができるのは、本土の最大手のゼネコン数社だけだ。
 ならば、地元の零細土建会社に下請けが可能なのは、何か? それはたとえば、土砂をトラックに積んだり、トラックから下ろしたりといった、何の精密技術も必要とはしない、原始的な土木作業なのである。
 「波打ち際の大規模埋め立て事業」は、このような初歩的作業でしかフトコロを温かくする道のない会社にとっては、まさしく垂涎の案件である。
 おそらく、沖縄県では、いまだに自民党贔屓の零細土建業者が多いのだろう。したがって、普天間基地の引越し先として、「沖縄県内の波打ち際の埋め立て」を選ぶことは、民主党にとっては、次の選挙での自殺行為にしかならない。敵の自民党の関係者を、キックバックで肥やしてやるだけになるからだ。
 そこで民主党としては、普天間基地の引越し先を県外とするか、やむをえず県内にする場合でも、「埋め立て」以外の方法としたいのだろう。ダンプカーの出番さえなくしてしまえば、国の公共事業予算で沖縄県の自民党支持者を強化するという事態にはならない。
 では民主党は、いかにしたらこの案件を、「党利」に結び付けられるか。
 浮体滑走路や、杭式桟橋滑走路は、本土の大手ゼネコンと鉄鋼メーカーが儲かる話だ。だから、とうぜん民主党幹部は、これらの会社の幹部に、「献金しろよ」という話を、もうつけてあるのだろう。
 普天間の移転話が最初にもちあがったとき、鉄鋼メーカーは、最新ハイテクの浮体式をやるのだと意欲満々だった。しかし自民党は鉄鋼メーカーにそっぽを向き、地元土建業界を肥やす方法を選択し、日本の競争力を低下させた。あのときいらい、鉄鋼メーカーは自民党には恨みがある。このたび、民主党をサポートするのに、この不況下だ、もはやなんのためらいもないはずだ。
 さて、献金が入るのはよいが、沖縄県の大衆票が民主党から逃げるというのでは困る。そこで民主党は先ごろ、普天間問題に関する大衆動員大会を開催し、マスコミに派手に報じさせることで、地元の土建屋とそれに結託した自民党関係者を沈黙させてしまったのだ。うまいやり方だろう。
 沖縄の海兵隊基地移転問題には「戦略」などこれっぽっちも関係はしていない。海兵隊の関心もカネだけ。日本政府の関心もカネだけ。野党自民党の関心もカネだけ。シナも台湾も北鮮も、ヘリコプターの性能も、何の関係もありはしない。パシフィック・コマンドに本格的な攻撃型UAVの訓練すらさせていない理由をちょっとぐらい考えてみたらどうなんだ? 海兵隊の存在がそれほどシナ軍を抑止してくれるというなら、米空軍がよろこんで嘉手納基地内に海兵隊を迎え入れるべきだろう。なぜ米空軍はそうしないのか、またゲイツとオバマは空軍にそれを求めないのか、考えてみるといい。北鮮が原爆実験する前に海兵隊が北鮮をやっつけてくれたか? シナや北鮮が日本をミサイル攻撃したら、米海兵隊は何をしてくれるというんだ? 精強な陸自を擁する日本国に、海兵隊などいらないのだ。この真相を報ずることのできるメディアは、いまのところインターネットだけのようである。
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