「竹に短冊……」が2か月後に迫った。

 函館ローカルの奇祭、いや、奇習と謂うべきか、袋を持った小学生以下の子どもたちが7-7に各戸を回り、なぜか蝋燭をねだるのである。戸主はそれに対して素直にローソク1本を渡すことはなく、代わりに大量に用意した菓子類を分配することになっている。菓子をくれる家庭は、玄関周りの見えるところに竹の葉付きの枝を出しておくから、子どもと引率の大人には簡単に目星がつくのである。
 この菓子類だが、しかし、典型的なジャンクが多く、子どもの健康に気遣う家庭では、じつに処理に困ってしまうことがある。町内を一巡してせっかく袋一杯にかきあつめたものを、「やらぬ」というわけにも行かんしね。
 そこで提案したい。〈子どもがまるごと1本齧っても健康にはいささかも問題が無い厳選材料でこしらえた期間限定のキャンドル型クッキー〉を地元菓子工場は生産し、6月末から売ったらどうだい? これなら単価が高くても需要はあるはずだ。
 今から準備を始めれば、きっと間に合うでしょう。
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 Sharon Weinberger記者の2010-5-5記事「Researchers Seek DNA Of Cyber-Attacks」。
 2009-3にどっかの国の阿呆が、米国内の情報関係公務員を偽称し、ウィルス入りの電子メールをペンタゴンの職員に一斉送信した。
 そこにはもっともらしく「 U//FOUO」と書いてあった。これは米国防総省内で「unclassified/for official use only」の略号として通用している文字列であった。そしてタイトルとして「北鮮が日本を核攻撃」( North Korea had carried out nuclear missile attack on Japan)などとあり、思わず開いて見たくなるように工夫してあった。※湾岸戦争のとき「イスラエル 核攻撃/か(以下、遠くからは見えず)」という釣りな大見出しで思わず夕方の駅売り『東スポ』を神保町の地下鉄ホームで買ってしまったことを思い出す。
 DARPAはこうした悪戯メールの差出人を有効に懲罰するための研究に $43-million を助成する。
 具体的にはサイバー・ゲノム【Cyber Genome】を解析・蓄積しておき、わずかな痕跡や特徴から犯人を確実に同定できるようにする。最終的には、犯罪捜査の「指紋」に相当する証拠力としたい。
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 サイエンスデイリーの2010-5-5記事「Tiny Hydrophobic Water Ferns Could Help Ships Economize on Fuel」。
  ボン大学の研究者が「salvinia molesta」というwater fern【サンショウモやデンジソウのような水性シダ】の疎水性の秘密を明かにした。
 この葉っぱは決して濡れるということがない。完璧な撥水性があるのだ。
 ごく薄い空気の膜が覆っているためだ。この撥水力は水中に数週間漬けておいても損なわれない。
 この性質は競泳用の水着などに適用できるのではないかと関心を持たれてきた。
 しかし人工的にこの撥水表面を模造しても、従来は、数時間の流水で、撥水機能が消滅してしまっていた。
 ようやく最近、解き明かされた自然の秘密は、葉の表面にびっしり生えている髭状短繊維毛の先端が、逆に親水性なのだということだった。そのために空気層は、髭繊維毛の根のまわりにしっかりと捕獲された状態であり続けるのだ。
 こいつは、蓮の葉がどうやって「自己清掃」しているのかを20年前に解明して以来の発見だ。
 高速コンテナ船はその推進力の半分以上が船体の水との摩擦抵抗で失われている。
 空気層の技術を応用すれば、その摩擦抵抗は1割減るだろう。
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 ノーヴォスチの2010-5-5ニュース。
 2隻のロシア軍艦(黒海艦隊の旗艦であるミサイル巡洋艦『Moskva』と、北海艦隊の旗艦の核動力ミサイル巡洋艦『 Pyotr Veliky』)が、インド洋上で、対核訓練を実施。200キロトンの原爆弾頭が艦隊から15浬離れたところで炸裂したとの想定。
 基本は、すぐにすべての扉を塞ぎ、気密&水密を極限まで高めること。
 この2艦は、6~7月にウラジオストックでの海軍大演習「Vostok-2010」 に参加する。
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 2010-5-6記事「More Of The UAVs No One Wants」。
  無人ヘリの最新商品。 Fire-X は、 2.7 ton の 「Bell 407」有人ヘリを 改造したもの。開発チームは ファイアスカウトと同一。装備もかなり共用。
 米陸軍はすでに RQ-8B Fire Scout UAV (unmanned aerial vehicle) をキャンセルしている。ファイアスカウトは2トンの無人ヘリで、ベースは民間用軽量有人機の「Schweitzer 330」である。
 米海軍版の方は、採用されている。型番は RQ-8A である。海軍は滑走路を好きにとれないから、フリゲート艦上での回収容易なヘリ型無人機が重宝なのだ。しかし陸上では、燃費が悪いため、ヘリ型無人機は、どうしても固定翼型無人機の滞空時間の長さに負けてしまう。
 Kaman社は、同社の有人の K-MAX ヘリを米海兵隊用に無人機にして売り込んで入る。それが Kaman K-MAX UAV で、重さ 5.4 ton 、巡航速度 148 km/時で6時間滞空である。スリング懸吊荷重は 2.7 tons である。
 10年以上前から存在する無人ヘリ「 A160T」は、自重3トンで、リモコンでも、事前プログラムによってでも、飛行する。ベースは「 Robinson R22 」有人ヘリで、136 kg の荷物を載せて40時間飛べる。
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 2010-5-6記事「Carrier Trials For Predator Cousin」。
   ジェットエンジンの「Predator C」アヴェンジャーは、海軍向けのプレデター兄弟として、陸軍向けの「 MQ-1C Sky Warrior」よりも早く完成する予定だったのだが、完成が計画より3年以上遅れてしまった。2009末時点では Predator C は公式には存在しなかった。
 しかしようやく、当初からの目論みであった「 Sea Avenger」としてのテストが始まる。すなわち、空母搭載の無人偵察攻撃機だ。
  Predator C は全長が 14.2 m、主翼と尾翼はステルス配慮形状。
 エンジンのエアインテイクは背面。
 胴体内弾倉に 1.4 tons of weapons または2時間分の予備燃料を積める。
 予備燃料なしだと滞空20時間。
 推力 4,800 pound のエンジンは赤外線センサーによって探知されにくくしてある。
 メーカーのGeneral Atomicsは、ステルス担当部を社内に設けて取り組んできた。世界最大の屋内 radar cross section testing facilityも建設するという力の入れようだ。
 対地レーダーをとりつける場合は、コンフォーマルに成型して胴体下に貼り付けることになる。
 艦上機なので、主翼は折り畳める。テイルフックもある。車輪も、着艦衝撃に耐える頑丈なものだ。全重は9トン以上。
 単価は $20 millionになるだろう。
 飛行高度は6万フィート。
 大洋は横断できるが、その偵察能力は、グローバルホークの85%くらいだと見積もられている。しかし値段はグロホの半分だ。
 グロホのメーカー Global Atomics では脅威を感じ、このプレデターCに対抗して “Global Hawk Lite” を開発しているところである。
 MQ-4 Global Hawk は、最小限の偵察器材しか搭載しないものでも、 $40 millionもする。
 偵察衛星なみの高性能偵察器材は $60 million 以上する。これを、 $20 million のPredator C にも、また、 $40 million のGlobal Hawkにも搭載できるわけだ。
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 アジアンディフェンスの2010-5-6記事「The Pride Of China Crashes And Burns」。
  この3年間で2機目の墜落公表。シナ空軍の J-10 戦闘機だ。
 たぶんもっと墜落しているに違いないが、隠されているのだろう。
 2010-4-22の墜落で死んだパイロットは、先任の大佐(senior colonel)だった。このため派手な葬儀が行なわれ、なんで死んだのかを説明しないわけにいかなくなってしまったのだ。
 2007年の墜落は、水田に落っこちた。すぐに機体は撤去されたものの、住民が携帯カメラで撮影をしてインターネットにUpしてしまい、これも隠し通せなくなった。
  J-10は既に200機ほども量産されたと見られている。
  J-10 は 1988 に開発開始。イスラエルが放棄した Lavi (an improved F-16) projectを買い取ったのだ。初飛行は 1996だった。
 エンジンはロシア製 AL-31Fのコピーで、 Su-27用とも同じである。これの信頼性が低い。
 電子機器はイスラエル製とする予定だったが、アメリカの横槍で、それは不可能になり、ロシア製を参考にしてシナで国産するしかなくなった。これも不具合の一因だ。
 重さはF-16近似の19 tonsである。空中機動力はF-16に劣る。
 これを自覚したシナ空軍では、 J-10C として爆撃用途に使うようになっている。こちらは複座にしてweapons officerを乗せ、4トンの爆弾を運べる。
 F-16の半値であることを武器に世界のF-16ユーザーにリプレイス用としての売り込みをかけている。
 しかしたくさん出回っている中古F-16の値段は新品のF-10よりも低いため、このセールスは成功していない。
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 元CIAの CHARLES FADDIS がNYTに2010-5-5に寄稿している記事「Al Qaeda’s Nuclear Plant」。
   New Jersey 生まれで、東海岸の原発で保守労務者として5年働いた経験のある高卒のアメリカ人Mobleyがイエメンに引越し、Al Qaedaに加わり、3月にイエメン政府に逮捕された。
 彼は、原発をメルトダウンさせるにはどうしたらよいのかの情報をテロリストに教えたのではないかと心配されている。
 火力発電所と違って原発は、何かあったときにはすぐに shut downするように設計されている。ただしシャットダウン後も数日間は冷却水が循環しないと完全に安全にはならない。ここに危険が存在する。
 冷却水のポンプや取水パイプは、大した防護もされず、屋外に曝し置かれている。自動車爆弾をチーム運用すれば、破壊できる。なにも炉心や制御室に忍び込む必要などはないのだ。
 Sharif Mobleyは低級作業員〔原発ジプシー〕だったが、そのくらいの察しはついたはずだ。警備員の数、その武器、入門の際の手続きなどもね。
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 星条旗新聞の記事「ABERDEEN PROVING GROUND, Md. 」。
 米陸軍がアバーテーィーンに軍事リポーター達を招待して、全部で50種類ものいろんな現用火器を撃ってみせ、あるいはじっさいに撃たせてくれた。
 兵隊がやっていることとの違いは、射撃後の銃の清掃や、空薬莢拾いをしなくてもよいことだ。※さすがに米軍も射場では薬莢は拾っているのか。まあ、25ミリまであるみたいだしね。
  最新のチタニウム製の M-240L 軽機は、この夏から9000梃の量産が始まる 7.62 mm machine gun で、従来品よりも6ポンドも軽い。
 6月から駐アフガン米軍に支給される新戦闘服は、ズボンの股が裂け難いように改善されている。従来、兵隊たちはこの戦闘ズボンの縫い目のことを「空調装置」と呼んできた。それほど破れやすかった。
  M-107 .50-caliber sniper rifle を発射すると、衝撃波、コルダイトの悪臭、そして生暖かい風がキミを包む。映画の“The Hurt Locker”では味わえない。
  .50-caliber machine gun を兵隊は “Ma Deuce”と呼ぶ。
 1930年代から基本的な設計変更がないものだが、銃身交換を高速化する改善がされた。
 ※デンジャールームの記事で捕捉すると、ヘッドスペース調整が無用になったらしい。ヘッドスペースというのは、薬室後端とボルト前端の間のコンマ数ミリの隙間で、これは銃身をねじ込んだあとに、専用セットのゲージを使って正確に調節する必要があった。「無故障」が売りのキャリバー.50だが、この調節をしなければ、ただの単発銃になってしまうのだ。
 以下、デンジャールームの記事で捕捉。
  XM25 の airburst 射撃も展示された。これは 25mm 弾に時限信管を組み込み、発射の直前に、精密に自爆時間を付与することができるハイテク機関砲で、たとえば、家屋の窓枠のちょっと内側で弾頭を爆発させ、室内のどこにいるか分からない敵ゲリラを火制してしまうという離れ技が可能になるのだ。※無蓋塹壕に対する頭上破裂射撃もできるわけだ。すごすぎるね。
 この25ミリ機関砲は $30,000 で、すでに特殊部隊の手には渡っている。
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 Jeff Stein 記者の2010-4-19記事「Fifth Fleet ready for Iran attack, experts say」。
 2005年、海兵隊が「イラン軍」役になって、プロペラ飛行機とモーターボートのスウォームでバーレーン拠点の米第五艦隊を襲った。2時間弱で第五艦隊は行動不能に陥った。
 勝利のコツは、敵対行動を始める前に、それらの攻撃部隊を米艦隊に十分に近接させておいたこと。
 そこで米海軍は、2002から開発していた、5インチ艦砲を「特大ショットガン」に変える弾薬「 MK 182」を、ペルシャ湾に限らず、搭載させている。
 難問は、いつその発砲命令を下すのかということ。
 2008-12-19に『 USS Whidbey Island』がイランの小型ボートに警告射撃を行ない、イラン舟は逃げた。
 ※25ミリのエアバーストが、ペルシャ湾でも活躍しそうな予感。