如何にせば京浜の工業地帯は本夏の電力不安から解き放たれ得る哉。

 東電もド腐れだが、この非常時に時を得顔の、昭和のアカ学生がそのまんまジジイになったようなキ印どもにこの日本国を「戦時統制経済化=旧ソ連化」させるわけにゃ~いかねぇ。(言っておくがオレは自民党支持者じゃねぇ。特に安倍&麻生のツラなんぞ1秒も見たくもねぇ。反吐が出るぜ。)
 東電管区内には日本最大の京浜の工場群がある。この工場がシーズン関係なしにフル稼働してくれなかったら、日本国民全員が不幸になっちまうんだ。アカどもには、この簡単な理屈も分からねえ。
 停電1回で失なわれるプロダクツ、それによって失なわれる市場、奪われちまう顧客のデカさが、――ひいては縮小する雇用と国内消費の深刻さが――、アカ共と、税金を使うことしか頭にねえ社会主義計画経済大好き利権虫共にゃあ、てんで分かってねえ。
 まず短期の解決策から書くとするぜ。
 東電の既得権を法的に剥ぎ取れ。
 たとえば中部電力や東北電力が、じかに、京浜の任意の工場(群)と契約して、直接に(つまり東電とは並行的且つ選択も随時自由に)、電力を給電する商売ができるように、古い規制をいっさい取っ払うんだ。
 必要な電線は、東電とは全く別個に独立して、中電や東北電力が専用線を敷設する。あくまで商売づくだからこれは早くできる。
 東京湾まで高圧直流海底ケーブルをもってきて、そこから岸壁(または桟橋)に繋留させた「変電&配電船」に接続し、そこから沿岸コンビナートの契約消費者(工場群)に給電するだけだ。
 エンドユーザーの工場は、東電からも、また他の電力会社からも、同時に電気を受け取れるようにする。そしてユーザーが任意に、電気を買う先を切り替えることもおかまいなしにするのよ。デュアル給電だ。
 この、「非東電」会社の電力を、右から左へ配給するだけの民間サービス会社の設立も自由化せよ。そうしないと変電施設から先の配電体制が、スピーディには整備されねえからだ。
 こうやるのがいちばん速い解決策だろう。こうやって民間パワーをフル解放してやれば、彼らが勝手にてめえのケツを拭く。この夏までに給電体制に不安もなくなるよ。意地でも民間はそのくらいやるもんだよ。東電とその周辺の利権奴隷が、アカ議員とつるんで邪魔をしなければな。
 電力コストは昨年よりかかるようになる。が、工場がブラックアウトしちまう最悪の事態だけは回避できるんだ。
 さらに必要な規制緩和があるだろう。
 電力は、この夏の東電管区内ですらも、夜間は余ることになる。
 この夜間電力を「蓄電」する方法がいろいろとあるんだ。
 バッテリー船に貯める方法。地下のフライホイールに貯める方法。どこかに揚水して位置エネルギーに変える方法、……等々。
 そうやって夜間に私企業が貯めた電力を、昼間、任意の工場や病院やホテルやオフィスビルなどに売ることを、やはり完全に自由化する。(個人住宅相手のサービスは、不慮の事故の扱いが面倒なので、完全には自由化しない。法人だけだ。)
 これも、エンドユーザーとの間に、配電だけを担当するサービス会社があれば、便利だ。だからそういう業者も自由化する。
 (夜間電力は、工場の屋根に散水するタンクに夜のうちに揚水しておいたり、夜のうちに冷蔵庫を動かして製氷しておくという方法でも、活用することができる。真夏のひるまの停電時には、その水や氷が、冷房の代用品となるだろう。)
 外国から、ガスタービン発電機等を私企業が買い、それを岸壁で艀の上に載せて運転し、コンビナートに給電することもできるはずだ。
 私企業が、こうした臨機の措置を自由にとることができないのは、日本には電力に関する余計な規制がありすぎるためなのである。
 支那事変中の「統制法」の精神が、官僚たちの頭の中に、いまもって継続しいるのだ。
 明治~大正時代には、もっと電力の製造や販売は自由であった(私企業が水力ダムを経営したりしていた)。
 日本の今日の電力は、少しも自由化されていない。だから東電も傲慢になって、すっかり腐り果てたという次第だ。
 電力を中小企業から買うことのリスクがよくわからない一般住宅の個人消費者は、電力情報弱者と考えておくべきで、官が法制で保護してやるのが善いが、工場や病院やホテルやオフィスビルは、電力情報強者と考えることができ、過保護の必要は無い。
 次に、中期的な「電力疎開」について提言する。
 京浜の工場のうち、疎開が可能なところは、北海道の苫小牧に移転せしめ、そこには東北から被災住民も移住させて、復興失業対策事業ともするべきだ。
 苫小牧には、広大な工場用地が造成されている。それは日本の景気が悪くなってしまったために、ほとんどサラ地のまま残されている。京浜の中小工場はいつでもそこへ移転できる。あわせて東北から移住した労働者のための住宅を建設するための用地も、いくらでもあるのだ。
 北海道電力の交流の周波数は50Hzで、京浜と同じ。工場の機械類を、そのまま使用可能だ。
 北海道は「伊達市」の名も残っているように、東北諸藩が開拓した土地であって、東北地方から人々が移住しても、違和感は少ないだろう。
 安い電力なしでは、日本の製造業は潰滅し、人々の生活も、安楽にならない。北国では灯油代は「第二の食費」と考えられるくらい、削減不能なものだが、こんどの地震のおかげで、この灯油は必然的に値上がりする。
 火力発電コストも、これから暴騰する。
 なぜなら、日本の火力発電所はフル運転しなければならなくなった。
 シナとインドの経済成長も止まらない。シナ人が韓国人なみに個人で石油を消費するようになれば、アジアにもうひとつの「アメリカ合衆国」ができたと同じくらい、エネルギーを消費するようになるのだ。
 中東動乱も、終わることはなさそうだ。
 既知の油井はピークアウトしており、新規の採掘コストは漸増せざるを得ない。
 つまり石油/天然ガス価格は、これから高騰する一方だ。
 それにつれて灯油も値上がりするので、北国住民の貧窮化が進んでしまう。
 京浜では、夏場と冬場に、いつ停電があるかわからないという。
 それでは工場経営者は萎縮し、経済は右肩下がりになる。
 安価な電力が供給されなければ、日本の輸出品には競争力がなくなる。
 それでは、日本国民も、幸せになれない。
 だから長期的には「第四世代」の原発が必要である。
 第四世代原発は、水を使わないので、「水洩れ事故」も「水枯れ事故」もあり得ない。
 冷却材のヘリウムガスは、放射能を帯びないので、万一、大気中にぶち撒かれても、誰も迷惑をしない。
 冷却ガスが間違ってぜんぶ抜けてしまっても、炉心は熔けない。これを「固有安全性」という。
 この第四世代原発は、海際に建てる必要がない。山の中の地下に据えることができる。
 カザフスタンには、その1号機が、日本の援助で建設中である。
 艀の上で運転させることだってできる。(ロシアは軽水炉を載せた艀を建造中である。)
 ここに、日本の未来がある。
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