「読書余論」 2014年6月25日配信号 の 内容予告

▼『内外兵事新聞』第31号
▼『内外兵事新聞』No.45(M10-1-21)
▼『内外兵事新聞』No.47
▼『内外兵事新聞』M10-2-27 号外
▼『夢声戦争日記(五)』中公文庫 S52
 昭和19年の後半の日記。「回天」もドイツのアイディアだったのかと思わせる証言がある。
▼『経済倶楽部講演 第13輯』S16-5-16pub.
 この号の講演者は、高橋三吉海軍大将(予備役)、下村海南貴族院議員、堀内謙介・前駐米大使。内容はものすごく良い。
 「イギリスがやられてしまふと、もうアフリカからアメリカに来る距離が非常に近くなり、すぐ南米に来る。南米に来たらアメリカは半分やられたと同じ」なのでアメリカは大軍拡したのだ。
▼防研史料 陸軍造兵廠火工廠『支那事変経験録(第二号)』S12-12-31
▼防研史料 南満陸軍造兵廠『状況報告 S20.2.27』
 「国民銃」が出てくる。
▼財)史料調査会海軍文庫・監修『海軍 第二巻 帝国海軍と日清戦争』S56-9
 日清戦争について改めて知識を整理したいと思っている人には、本書は必読だ。内容濃いため最後まで摘録できず。北清事変については次回で。
▼『商学論集』第59巻4号(1991-3)所収・笠井雅直「高田商会とウエスチングハウス社――1920年代『泰平組合』体制、その破綻(試論)」
▼雑誌『全貌』バックナンバーより
 S40時点で北朝鮮には、親日分子の財産は没収するという法律があった。そんなところと国交正常化どころじゃないだろうと。
 金大使いわく。在日韓国人は、58万人登録されている。その他にモグリが20~30万いる。「モグリというのは終戦前日本に住んでいた人で、戦後本国においてある家族の様子を見てこようと帰国して、本国では生活の見通しが立たずまた日本に帰ってきた韓国人。軍政下でしたから自由にできたんです。密航者です。一九五二年の〔sic.〕日本の主権回復しアメリカの軍政が解かれたとき、軍政時代韓国へ行き来したのは帳消し、いまから申請しろということになった。日本の実力者とか偉い人を知っている者は特別に何とか方法を講じて申請したが、それ以外のものは外国人の登録もせずに潜っているわけです。」
 金大使いわく。なぜ日本政府は、民団ではなく朝鮮総連に、信用組合の設立許可をあんなに出すのか。自分たちの都合が悪いとさっさと引き揚げる。いつ北へ帰るかわからない連中に信用組合を扱わせていいのか。それに、北に籍をもっている人が悪いことしたから引き取ってほしいと言ったって北はひきとらない。
 元関東軍報道部長の長谷川宇一いわく。在満の軍人家族をいちはやく北鮮に後退させたのは瀬島参謀の判断で、関東軍が無傷で(満ソ国境で死闘せずにすぐに朝満国境まで後退して)がんばっていれば、ソ連軍との休戦交渉のときに強みになると考えた。日本の降伏予定をただひとり知っていた作戦参謀としてはそれでいい。それでよくないのが、山田乙三関東軍司令官だ。山田は民間人もすぐに南下しろと命ずべき責任があった。しかし日本政府が降伏するつもりだとは知らないから、土地を放棄させた入植民のその後の生計の面倒をどう見るかと考えて、決心を避けた。
 山田司令官夫人は平壌から飛行機で九州まで逃げ帰った。ラーゲリから帰還して、この恥ずべき噂が事実であったと知った長谷川は、穴あらば入りたい。
 高級参謀のうち、秦総参謀長夫人だけは、「皆様と一緒に踏み止まります」と言って輸送機便乗を断った。夫人は北鮮内で死亡している。
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