近頃 感心したこと。

 借家の台所のキッチン・ライトが古いグローランプ・スタート式の蛍光灯(直管、10ワット形)で、どうも女房が「紐引っ張り」の一発で奇麗に点灯させられないことがしばしばあるので、常時在宅の用務員たるわたしとしては、女房の留守中に何とか改善しなければならぬと思っていた。
 こいつは、水周り照明設備だからなのだろう、電源から直接配線されている。この設備そのものをLED等にとっかえるには、大家さんへ断りを入れた上で、電気工事士の人におでましを乞わなければならない。しかし取り付け場所が窓枠とカバードの狭い隙間ギリギリであるから、わたしが自転車で廻れる範囲の電気店に、うまくその隙間にはまってくれるサイズの器材が在庫してあるかどうかは、はなはだこころもとない。器材だけ通販で買って、電気工事士さんだけ地元ショップで頼むというのも、想像しただけで面倒であった。
 そこで、〈蛍光灯器材の安定器回路のバイパス工事をせずとも、ただ既存のグロランプを外すだけで、取り付ければそのまま光らすことのできる、対応回路内蔵の直管形LEDランプ〉を買うことにした。
 点きの悪いキッチンランプに悩んでいる主婦は、日本じゅう、さぞかし多いであろう。だから30万都市の量販店には必ず在庫もあるであろう……と思ったわたしは甘かった。函館市のような田舎には、10ワット形の直管形LEDランプに数千円も出すような消費者は居ないと見え、ショップには、まったく置いてなかった。
 そこで通販を探してヒットしたのが、SHOPアクティス(株式会社ETC)の「ELK-10P05FD 標準タイプ」である。価格が送料込みで2,590円(プラス、銀行での振り込み手数料324円)であった。ちなみに有名メーカー品になると相場は4000円以上だから、ちょっと安すぎるように感じたが、物は試しと1本発注した。
 大きな通販ショップであると、電球のようなものを1個ばかり発注しても、すぐに返信が来なかったり、届くまでに何度かイライラさせられたりするものだが、この世田谷区のショップは、メーカーと一体だからだろう、またたくまに註文を処理してくれて、おかげで、「買おう」と決心した日の翌々日の昼前には、わたしはもうそのランプを取り付けて光らすことができたのである。
 ちかごろに無い快さであったので、特に記した次第だ。
 なお付属ペーパーによると、消費電力は5Wプラマイ1W、明るさは600ルーメンとある(透明カバーの場合)。
 ランプは、全周に光るタイプではない。そして取り付けたあと管を微妙に回転させて角度をアジャストすることはできない。また、ダミーのグローランプ(外した穴を用心のためふさいでおく)も付属してはいない。
 寿命は4万時間。保証期間は2年間である。
 ところでISILをナメている者たちがいろいろなレベルで日本に多いようなので、いまさらだが、警告したい。
 銀行家、法律家、外交官、外国向け広報担当者、身代金交渉係……そういったプロフェッショナルな才識のある者たちを糾合した指導グループが、本格的な「影の国家」をつくって運営しているのが、前名ISIL(いま「イスラミック国」)なのである。たしかに「国」を名乗るだけの力量がある奴らなのだ。
 ソーシャルネットワークに出てきていろいろ応対しているのも、一国の高級官僚に匹敵するIQの持ち主だ。日本の並レベルなジャーナリスト等よりも数段、貫目が上回っているのだ。これを覚ってない馬鹿助が多すぎる。
 ジェイムズ・フォリーは、いい男なので価値があるだろうと判断され、1億ユーロ(=1.33億ドル)の身代金を要求されていた。しかし誰も払ってやらなかったので、首を切られた。この首切りは、しかし、考え抜かれたプロパガンダ演出であった。マスクマンはビデオの前でロンドン訛りのブリティッシュ英語を喋った。つまり英国籍のテロリストが「イスラミック国」に参加していることが大いに宣伝されたのである。本当は典型的米国人の首切り人を登場させたかったところなのだが、さすがにそのリクルートには、イスラミック国はまだ成功してないようだ。しかし今後は、日本人やアメリカ人もリクルートされるだろう。彼らの宣伝企画力をみくびってはいけない。すくなくとも日本外務省の給料泥棒たちの千倍は上手だ。日本国内でいきづまったキチガイ左翼が、イスラミック国の首切り人を志願して行かない保証は無い。
 春秋の筆法を使うと、「イスラミック国」がここまで押し出してきたのには、イスラエルにも遠因がある。イスラエルは、シリアにしろイラクにしろ、そこに安定してまともに機能する政府が長期的に確立することを嫌う。理由は、そんな立派な政府ならば、きっと原爆を運用できるからだ。反政府ゲリラは、地域を大混乱させるが、使える大量破壊兵器はせいぜいが毒ガスまでである。ちゃんとした政府+国軍でないかぎりは、イスラエルに向けて原爆を運用することはできない(原爆そのものの入手先の当てはパキスタンが考えられ、その資金提供者としてはサウジが考えられている)。だからイスラエルは、アサド政府が続くよりも、反アサドのゲリラたちが暴れて強くなってくれればいいと、一貫して希望していた。そのゲリラの中に、ISILもいたのだ。
 いま、イラク北部の上空にはイラン製の無人偵察機が、米軍のUAVといっしょに飛びまわって、スンニ・ゲリラである「イスラミック国」の部隊の動きをモニターし、バグダッド政府に教えている。これは米国も公認である。現バグダッド政権とイランは同じシーア派だからだ。なんと、嘆かわしいではないか。いまや、イラン軍の方が、わが自衛隊よりも、無人機の開発や運用に関して、はるかに先行している大先達なのである。