「読書余論」 2014年12月25日配信号 の 内容予告

▼赤城毅彦ed.『郷土の先覚者 元陸軍次官柴山兼四郎中将 自叙伝』H22-6pub.
 S7の兼四郎の講演。張学良は日本政治の与野党間のまとまりの悪さなどにとても詳しかったがゆえに、日本人が集団行動を決心したときの恐ろしさを下算した。日本軍との正面衝突をたくみに避けつつ、すこしづつ日本の在満権益を暴力で蹂躙し、剥ぎ取る。そのたびに、日本国内で怒りの声が上がるが、与野党も官庁役人も決してまとまらないし、しばらくほとぼりを冷ませば日本人はすぐシナ人の悪さを忘れる。そこでまた事件を起こす。これを気長に繰り返せばOKだと踏んでいた。
 ※まったく今日と同じ手口。尖閣も小笠原も、このパターンの飽きもせぬ再演に他ならない。
▼歴史科学協議会『歴史科学体系 第十巻 日本の産業革命』1977
 吉田光邦の1968論文が戦後日本の小火器/工廠研究をながらく方向付けていたことがわかる。それを1990年代後半にガラリと変えたのが兵頭による「造兵三部作」だ。
▼高柳光寿ed.『日本の合戦 第8巻』S40
 鳥羽・伏見で徳山兵は何をしていたか。
▼防研史料 『大山陸軍卿 欧州巡視目録』M17
▼防研史料 『昭和十九年海軍航空補給参考綴』S19-8 /山ノ上 部員
▼防研史料 『昭和19年海軍航空補給参考書綴』〔箱8/マル5/全般/41 〕
▼防研史料 第31海軍航空廠『修理兵器月報調書』S20-2
▼防研史料 海軍航空廠『参考諸表』S10-4
▼防研史料 『零式一號観測機一型講習参考資料』S16-11-2
▼防研史料 『第六航空隊戦闘機隊戦闘準則』
 後上方は、45°を守れ。
 陸攻への攻撃は、一撃のみである。だから、常に後上方1000mをカバーするように護衛しながら飛べ。
▼防研史料 『中攻空中戦ニ関スル戦訓所見』S14-8-1 海軍航空本部
 200m以内では、お互いの動作・表情がよく分かるので、機銃が故障しても故障などしていないというフリを続けることが大切である。
▼資料調査会『海軍 第11巻 小艦艇 特務艦艇 雑役船 特設艦船』S56
 軍人の指揮官が乗船して操船を指揮すれば、それは国際法上、軍艦である。
 ※このことから考えても、軍人を「偽装漁民」に仕立てることの愚策たるゆえんが悟られるであろう。島に上陸後、身柄をおさえられ、身分が明らかにされれば、中共は国際法上の「侵略」および「ハーグ戦争条規違反」の歴然たる証拠を日本に進上したことになる。身柄が日本側にある以上、中共は宣伝戦で完敗なのだ。
 病院船としての通告がなされていても、船内に捕虜を収容したりしていれば、それは拿捕できる。
▼『偕行社記事 No.724』S10-1
▼カレル・チャペック著、小松太郎tr.『園芸家12カ月』中公文庫1975、原1929
 労働者ロボットの発想は園芸のタネ播きから来ていたこと、そして園芸は反共の趣味であることが、本書によって理解される。
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