「読書余論」 2015年3月25日配信号 の 内容予告

▼『海軍 第14巻 海軍軍制 教育 技術 会計経理 人事』S56
  大部でしかも濃すぎるので 数回に分けて摘録するであろう。
▼防研史料 横須賀海軍航空隊『射弾プロペラ衝撃ノ原因 竝ニ 防止法』S13-7
 同調装置があってもプロペラにタマが当たる事故は防げない。その理由。
▼防研史料 空技廠『研究実験成績報告 射撃兵器第20回実験』S17-5-20 
 試製100個入弾倉(甲、乙)で99式20ミリ1号MGを射つ。
▼防研史料 空技廠『射撃兵器第17回実験』S18-2-2
 九九艦爆などが装備する、92式7.7ミリ旋回機銃改2のテスト。
▼防研史料 『四エチル鉛の発動機各部に及ぼす影響等実験』S10-3-28
 あっと驚かされる。
▼防研史料 空技廠『射撃兵器第12回実験』S14-9-15脱稿
 恵式20ミリの5タイプを比較した。対エンジン貫通力まで調べてある。
▼防研史料 陸軍歩兵学校『機関銃戦例集』大6-7
▼防研史料 軍艦筑摩『機銃射撃指揮法参考書』S18-9
▼防研史料 多賀城海軍工廠『九九式二十粍一號固定機銃二型改一操法草案』
▼防研史料 横須賀海軍航空隊『空中射撃術(旋回銃)参考書』S17-4
▼防研史料 横須賀空『零式艦上戦闘機射撃兵器故障防止ノ要訣 二十粍一号二号機銃 100/60発入弾倉使用ノモノ』S18-8
▼防研史料 『航空機攻撃兵器操式』S6-4-27
 雷撃機を雷装で発艦させるときの地上員の手順。
▼防研史料 横空『高等科航空兵器術練習生用兵器学教科書(射撃兵器)』S10-10
 海軍の7.7ミリ弾は英国式を踏襲して前半分がアルミだった?
▼防研史料 『日本海軍陸上攻撃機の試作生産の経過』
 「泰山」というあまり知られていない大型陸攻の計画があった。
▼防研史料 中島飛行機(株)太田製作所『九七式一号艦攻取扱説明書(草案)』S13-4
 雷装時には燃料満タンでは発艦ができなかったことなどが分かる。
 着艦拘束のときにかかる最大Gよりも、引き起こしで生じ得るGの方が大きかった。
▼防研史料 航本『九七式二号艦上攻撃機取扱説明書』S15-4
 固定脚のレアな九七艦攻である。
▼防研史料 『昭和八年 官房雑綴 四』
 「満州国国歌」のスコアと歌詞がシナ語で確認できる。
▼樋口正徳『アメリカの戦闘力――今次大戦の性格』S16-3
 英国のロスチャイルド家は、ワーテルローで英軍がナポレオンに負けたとロンドンの相場人たちに錯覚させて、みずから株を安値で買い集め、大捷の報で市場が反騰したときに売り逃げて、たった2日間に巨億を成した。
 コンソリのX PB2-Y-1飛行艇は、米海軍が「空の戦艦」だと言っている。
▼本郷弘作『近代兵學』S13-6
 強烈にマル経が臭う一冊。
▼井上昌巳『一式陸攻雷撃記』1998、原S62
▼『水交社記事 vol.8』M24-2
▼『水交社記事 vol.9』M24-3
▼『水交社記事 号外』M24-3
▼大おまけ 『刑事コロンボ』全69エピソードの所見
 ※わたしは新シリーズを未見でした。それでこのさいと思い、米国の中古のノーカット版DVDセット『Columbo – The Complete Series (2011 Repackage) 』を人に頼んで入手してもらい、吹き替え音声も日本語字幕も付いていませんので英文字幕だけを頼りに、旧シリーズからあらためて順番に視聴しました(「別れのワイン」などが含まれた「シーズン3」だけは、なぜか英文字幕も出てくれませんので焦りましたが、何とか理解できました)。やはりこのトシで視るといろいろな発見をします。犯人のクルマはかならずメルセデス、もしくはメーカーIDを抹消したアメ車だ、とかね。そして徹頭徹尾、イタリア系米国人(東部エスタブリッシュメントから見ればヤクザと紙一重のエスニックグループ)の一般印象を良くしてやるのだというピーター・フォークの鉄の意志が貫かれていたのだなあということ。黒人の重要脇役は、ただの一回も起用されなかったこと。また作中設定ではコロンボは朝鮮戦争にAVN=陸軍航空隊付きのKP(厨房班員)として出征していたこと。硝煙反応の取扱や、紙にも付くはずの指紋について、この長期シリーズのどのへんから旧来のリアルでないところが正されて行くか……。正直、わたしはトータルではいささかうんざりしました。それで、ネットから切り離されたクローズドな媒体の中で批判を書き留めておくことに致します。
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 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。(配信されるファイルはPDFスタイルです。)
 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。
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 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。
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