違法採掘リグの小爆破は漁網切断と同じである。

 わが国のEEZに準ずる中間線内で不法に資源を盗掘している外国人のリグを「小破」させる方法はいろいろある。
 理想的には、海保が「マザーシップ」型巡視船を保有し、その船尾内の泛水ドックから無人の「爆破作業艇」を発進せしめ、特殊な鋼管破断用火工品(モンロー効果を利用する)をリモコン操作にてリグ部材に吸着せしめ、盗掘の持続を物理的に不可能ならしめるのが善い。これは違法操業の漁船の網を現場で切断するのと同じである。
 もしこのようなあつらえむきのハードウェアがないとしても、人間の頭は無限に工夫ができるから、他の小破方法はいくらでもあるのである。
 敵が公船や軍艦を繰り出してこの違法リグをガードする構えを見せた場合、解決の道は、「戦争」しかない。
 これは「グレーゾーン・アグレッション」の「例示」の筆頭に挙げられなければおかしい、現在進行形のケースなのだが、強く出る者に対してはひたすら無策で「内弁慶」揃いな外務省が「解決方法は戦争しかない」という結論が公的な発言として引き出されるのを、なまはげ祭りの小児かなんぞのように恐れているために、ケースそのものが国民に対して隠されようとしているのである。
 盗っ人が大砲やミサイルを持っていたら、警察官は何もしなくていいのか? 今、問われているのはそこだろう。わが外務省は、この場合、警察官は現場に近づくことすら宜しくない、と、うろたえ回って「指導」するばかりなのだ。
 そうやって制止しておいて、「単独経済制裁の発動」で中共を締め上げるとでもいうのなら、外務省は内外の畏敬を集めることであろう。しかし残念ながらわが外務省には、そんなご立派な性根など一筋も通ってはいないのだ。彼らは日本の国権が中共の武力を背景にした恫喝によってサラミソーセージのように漸進的に蚕食されても、それを座視し続けなさいと説教している。
 国家の安全保障政策に君臨する省として無能&無責任であることに彼らは開き直っている。このような省があることが、むしろ「ペルシャ湾の機雷」や「北朝鮮のミサイル」以上に、わたしたち日本人の生命を常続的に危機に曝してくれているのではなかろうか? わが国の安全のために除去すべきは、まずこの外務省と名乗る有害不遜の官衙ではないのだろうか?
 「国家存立」の安危にかかわる事態は、未来の仮定の話ではなく、いま現に起きている。国会は緊急に自衛隊の出動を政府に求める決議をなせ。