夏ダカラ……マッパ Go Go Go!

 Michael S. Darnell記者による2015-7-28記事「GPS-guided artillery shoot at Grafenwohr draws international interest」。
 ロシア軍がそろそろポーランドやバルト三国に侵攻して第三次欧州大戦が勃発しそうなので、米軍がドイツ軍に対し、十五榴の普通のタマをGPS誘導砲弾化する「M1156 Precision Guidance Kit fuse」についての説明を始めた。
 ※砲弾の信管の場合fuzeというスペルになると思っていたが、星条旗新聞がそこは間違わんだろう……。
 可動フィンともセットになっているもので、このGPS誘導キットを155ミリ砲弾にとりつけると、だいたい、直径50mの円内に落ちてくれる。
 この新型信管の特長は、もし何かの失敗により、精密誘導可能な範囲内にそもそも弾が落ちてくれなさそうになった場合には、信管は不活性を保ち、その結果、ゲリラの周辺の住民が誤爆の犠牲にはならぬということである。
 これはスペツナズが住民を盾に使うことを不可能にする。
 砲弾誘導キットは、単価が1万ドル。
 ちなみに、通常使われる、無誘導のマルチ・オプション信管だと、単価500ドル。
 しかし、新型信管は、砲兵が本格効力射する前の「試射」の手順を省いてくれるし、効力射の弾薬数も節約してくれるので、トータルで弾薬費の大節約になるのである。
 この信管、米軍はアフガンですでに2013から実験使用してきた。
 ※日本のメーカーは60ミリ迫撃砲用のレーザー誘導砲弾を開発すべきである。3000m~3490mで必中するので、いかなる長距離狙撃銃もアウトレンジできるだろう。モンロー効果を使い、側方へは破片がほとんど飛ばぬようにしておけば、群衆中のテロリストだけ頭上から爆殺するという離れ技も可能になるだろう。
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 Peter Jennings記者による2015-7-28 記事「Barack Obama’s Big South China Sea Mistake」。
 CSISのコンファレンスが7-22にDCで開かれた。そこで米国務省のダニエル・ラッセル(オバマ政権の東アジア政策のキーパーソン)が演説した内容が酷すぎ、フィリピン以下のアセアン諸国を唖然とさせた。
 ラッセルいわく。南シナ海における中共の暗礁埋め立て造成軍事基地化問題は、米支間のほんらいの因縁のあるイシューではない。それはシナと近隣国の間の問題である(not intrinsically a US-China issue. The issue is between China and its neighbors…)。
 要するに米国は中共のグレイゾーンアグレッションと海洋冒険主義に対して何の阻止強制策も考えてはいないと示唆した。工事中止の「呼びかけ」だけをする気だと。
 この調子では9月の習訪米のあとからまたシナ人による大規模な埋め立て工事が進むであろう。
 2016-11の大統領選挙までは、シナは南シナ海の要塞化に大いに精励するだろう。
 そしておそらくオバマの辞め際に、南シナ海での追加の「ADIZ宣言」が来るだろう。
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 2015-7-27に公開された、Ian Bremmerに対するインタビュー記事「Will Iran Become America’s New Saudi Arabia?」。
 ブレマー氏いわく。対イラン制裁解除により、来春までに、日量60万バレル近くが今よりも余計に国際市場に注入される。2016末までにはそれは100万バレルに達するだろう。つまり、国際油価は今後、長期的に下がる。
 国家歳入の半分を石油とガス輸出に依存するロシアはこれで弱められる。また、国家歳入のほとんどを石油とガス輸出に依存するベネズエラは、無視できる存在となる。いずれもアメリカの国益である。
 イランはカネをかせげるようになったら米国とは悶着を起こしたくないだろう。米国は、GCC諸国がイランと仲良くするように誘導する。
 ※こいつらイスラムのことがからきしわかってねえ。スンニ(IS)とシーア(イラン)はもう「相互絶滅戦争モード」に入っちまってるんだということが。
 イランは資金の余裕を、対ISのシーア民兵につぎこむだろう。それもアメリカの国益だ。
 ※この記事を読んだサウジ人は、アメリカに対して怒り心頭ではないか。アメリカはイランがメッカを占領することを許すのか? まあそれも、「イスラム潰し」の遠大な「十字軍」計略だとすれば、合理的なオプションになるが……。てかブレマーはイスラエルに雇われて、わざとサウジを怒らせてるんじゃね?
 ブレマーは『ブルームバーグ』のインタビューで、「イランはこれから十数年のうちに米国にとっての『あたらしいサウジアラビア』(自然な同盟者)となるだろう」と答えている。
 ブレマーいわく。ぎゃくに米国とサウジの関係は疎遠になるだろう。
 イスラエルは米国に反発したって何もできんよ。
 サウジはすでに中共と結託している。他方で米国の対イラン宥和が判明するや、サウジは国内のISシンパを400人逮捕してみせた。米国に遠慮しているのさ。
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 James Hasik記者による2015-7-27 記事「A Trillion-Dollar Question: What if the F-35 Fighter Never Existed?」。
 F-35の開発には、これまで、米国人の税金が1000億ドル投入されてきた。もしF-35計画なんてものがないたとしたら米国は、代わりに、1300機もの「スーパーホーネット」を調達できたことになる。はたして、どちらが米国を強くしただろうか?
 ※コンビニで『マッドマックス2』のDVDを安く売ってたので久々にじっくりと視聴したら、なにもかもが細部までじつに格好よくつくられていることに涙が出てきた。これは暴力描写も含めて一切が「パンク芸術」の世界なのだ。その志しが『3』まで保てなかったことが残念すぎる。もちろん『4』など視る気はしねえ。