エマソンいわく。些細のことが品性をつくるが、品性は些細なことではない。

 Michael E. O’Hanlon記者による2015-8-31記事「The future of land warfare」。
 マイケル・オハンロンが、所属するブルッキングス研究所から新著を出した。『地上戦の未来』。
 彼は、パキスタンとインドの間で核戦争が起きる可能性が高いという。よって、米国は軍事予算を減らしている場合ではない、と。
 核爆弾を1km以上の高さで炸裂させれば二次放射能は抑制できるから、パキは自国内ですら戦術的にそれを使うかもしれない、とオハンロンは言う。
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 ストラテジーペイジの2015-9-1記事「Putin The Overhyped Spy Lover」。
 プーチンがKGBに17年間奉職していたのは事実だが、記録が物語るところでは、彼はエース職員ではなかった。
 まず東独での勤務地が、ベルリンではなく、ドレスデンであった。これは二流職員の証しである。
 そして本国に戻ってからも、モスクワ勤務ではなく、レニングラード勤務を命じられている。やはり、本流ではない。
 元同僚によれば、プーチンは危ない性格だった。いろいろな問題を解決するために、高いリスクを敢えて冒そうとするのだ。
 この性格が、彼をKGB内の埋もれ木にしていた。長期の工作をブチ壊しにしかねない、軽率な男だと判断されたのである。だから、最も緊要な作戦やスパイ狩りが進行する任地(ベルリン、モスクワ)へは、配備されなかった。
 プーチンは自分の政権の部下にKGB関係者ばかり配しているわけでもない。政府のトップ100人をみると、元KGBは15%以下である。またこの率はどんどん低下している。
 しかし、2000年にプーチンが大統領に就任した直後、彼は11月5日を「スパイの日」にすると決めている。
 GRUのための広大な新本部庁舎群は、2006に建ててやっている。石油バブル以前の大不況期にも一貫して政府に対して忠誠であったGRUに対する褒美である。
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 「Type 63」記者による2015-8-21記事「Hell Cannons: From Minor Nuisance to Major Threat ―― The Evolution of Syrian Opposition Siege Artillery」。
 シリアで2012から使われるようになった自家製の大型臼砲。これをヘルキャノンと俗称する。
 ヘルキャノンの砲架には、トラックから取り外したタイヤがとりつけてある。
 初期には外装式のものがあったが、今は臼砲式だ。
 点火には、バッテリーとイグニッションを使っうものもある。
 砲弾は、空になったプロパンガスボンベの容器に翼を溶接。酸素ボンベを砲弾にしたものや、回収した、発射済みの戦車砲弾を再生したものもある。
 爆薬は、主に不発弾から流用しているらしい。
 最後に原始的な信管をとりつける。
 初期の信管は着発式ではなく、時限信管を発射の前に点火するという危ないもの。だから落下してから15~20秒もしてから爆発することがある。
 遅働信管なので、ビルに命中すると壁や天井を貫通し、内部で炸裂するので、効果は大きいのである。
 このごろは、着発信管もつくられるようになっている。その数は、最近では3個に増えて、確実が期されている。要は、インパクト角が安定していないのだ。
 射距離は、最大で1500mまであるようである。