栃木のホンダ工場はシュヴィムワーゲンの研究に入った方がいいだろう。

 『デイリー・ビースト』の2015-9-9記事「Exclusive: 50 Spies Say ISIS Intelligence Was Cooked」。
  同紙が独自取材でつきとめたところでは、米軍のセントコムは中東に詳しい50人以上のアナリストを投入して情報分析させているけれども、彼らの正確な報告がセントコム内の上層幹部によって勝手に都合よく編集されて中央に提出されている。その幹部連中こそが組織内の癌。おかげで米国のIS対策は、見込みとは全く反対の結果しかもたらさないのだ。
 アナリストは正直に、ISは強いと報告している。しかし上司が、ISは弱いと書き変えてオバマに報告させている。良い結果が生ずるわけがあろうか。
 軍のインテリジェンス機関の上層部こそが、出世主義の権化となり、部下に対して「スターリン」化しているのだ。
 IS退治やアルカイダ退治は前進しています、と報告しないと、オバマ政権はよろこばない。だから幹部は報告書を改変して、政府をよろこばす。
 悲観的すぎる分析報告は決して、上層へは伝達されない。逆に差し戻されて書き直しを命じられる。やがて分析係は、「自己検閲」するようになる。これが、スターリン的世界。
 上司の意のままに報告書を書かない分析係は、退役を勧奨される。
 かくしてオバマ側近が薔薇色情報でウキウキしているときに、モスルとファルージャは陥落したのであった。
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 ストラテジーペイジの2015-9-10記事「Pirates Forced To Scramble For Less」。
  海賊事件の発生海域は、いまや、マラッカ海峡の近傍、マレーシアとインドネシアの沿岸に、頻発点が移った。
 2015-1~2015-8における世界の海賊事件の8割が、ここで発生している。だいたい、月に10件だ。
 それら海賊はアマチュアであり、出身地は、マレーシアとインドネシアだと信じられる。
 船員が怪我をさせられることはめったにない。
 マレーシア政府とインドネシア政府は、巡視船およびヘリコプターを出して南シナ海を見張っている。だからここには、船ごとハイジャックするようなプロ海賊はおらず、すばやく高値で転売しやすい電子機器類を奪って行く小者ばかりである。その盗品を買い取って遠隔地へ送り出す「フェンス」と称される中継ぎ売人たちを、現地警察は訊問する。するとたいてい、出所がわかる。
 ナイジェリア沖では年に50件の海賊事件がある。ここでは幹部船員が身代金目的で拉致されることはあっても、ソマリア沖と違って船ごとのハイジャックは少ない。小型タンカーは多額の儲けにつながるのだが……。要するに、ソマリア沖だけが、異常な海だったのだ。
 マラッカ海峡は、長さは800km。幅は最も狭いところで65km。水深は全般に、27m~37mである。
 浅いので、大きなタンカーは時速30km以下で通らねばならない。
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 Metin Gurcan 記者による2015-9-9記事「How the Islamic State is exploiting Asian unrest to recruit fighters」。
 トルコの情報機関によれば、ウズベキスタン、キルギスタン、カザフスタン、タジキスタン〔と書いている〕、トルクメニスタン、そして新疆ウイグルから、シリアとイラクのISに参加した者は、すでに1500名を越えたと。
 外部に出たウイグル人がISで鍛えられて中共内に反政府活動ネットワークを築く未来が想像される。トルコ人はウイグル族の味方である(ほとんど人種が同じ)。