浮航性乗用車である必要はない。ドアを密閉すれば10時間は水に浮いていられる気密設計。それなら夜明けまで車内で救助を待てる。

 James Kraska記者による2015-9-11記事「Why the USN Sail Within 12 NM of China’s Islands – J. Kraska, CSIS」。
  なぜ米海軍は中共のフェイク・アイランドの12海里内を「無害航行」しないのだ? 中共艦隊は米領「アッツ島」の12海里内を通航したというのに。
 WSJによるとカーターは部下参謀に、フェイク島付近での演習のオプションを提出しろと命じた。 ※だが大統領側近のヤル気は疑問である。
 艦船はどこの領海12海里内でも無害通航できる。しかし航空機にはその権利がない。 ※だから海保は尖閣周辺では主として航空機によってシナ船に警告を与えるべきなのである。中共は軍だろうが海警だろうが漁船であろうが、それとおなじ対抗手段をとることはできない。飛行機をこっちの前浜まで飛ばしてくれば即戦争だから。船に対して船で対抗しているから、埒が開かないのだ。
 ウェブサイトのPOLITICOが7-31に報じたところでは、ハリス太平洋コマンド司令官(海軍大将)がフェイク島の12海里内を軍艦で通航させるという計画を出したらホワイトハウスはそれを禁じた。
 これによって米軍は判断した。オバマ政権は中共が砂盛島について主張する領土主権を認めたのであると。
 マケイン上院議員は非難する。人工島の領土主権を事実上認めてやるとは、アメリカ大統領は正気か?
 ファイアリー・クロス礁は、満潮時には完全に水没する岩礁であった。そこに中共は砂を盛り上げ、天然原状がいかなる形であったのかを、わからないようにしてしまった。
 満潮時に水没する岩礁は国際法上の領土にならない。したがって領海の根拠にもならない。それどころか、公海の水面に突出する人工物をぶち立てた者は、付近を全長500mの船舶が安全に航行できる水路を確保する義務を負うのだ。
 南極大陸にはいかなる「領海」も付随していない。なぜならそこはどの「国家」によっても領有されていないからだ。
 公海上に出現させた人工砂盛島について、米国政府が某国の主張する「領土権」を承認しなければ、それは南極大陸と同じ「無主地」(terra nullius)のままなのである。
 無主地である以上、無害航行はおろか、米軍はその12海里以内で、まったく公海上と同じように軍事演習すら自由に実施できる(国連海洋会議条約第87条)。
 また公海上の人工構造物は誰の領土でもない以上、どこの国の民航機も軍用機も、自由勝手にその真上を飛行して可い。
 ウッドロー・ウィルソン大統領がWWIに突入した時に掲げた14か条のうち第二番目は「平時、戦時を問わない海上航行の自由」であった。
 ※米国戦史は「ブロケイド戦史」なのだ。ここがわからないとね……。
 FDRとチャーチルが1941に会合して「大西洋憲章」を決めた。その眼目原則の四番目は「国際連合」の創設であり、七番目は「海洋の自由」だった。
 ※旧国際連盟も国際連合も、由来からして「米国務省の支店」なので、今の国連ビルがNYCにあるのはむしろ自然なのである。ここがわからないとね……。
 次。
 ERIC SCHMITT and MICHAEL R. GORDONSEPT記者による2015-9-14記事「Russian Flights Over Iraq and Iran Escalate Tension With U.S.」。
  ロシアはイラン上空からイラク上空を経由してシリアに巨人輸送機で軍需品を輸送する空中回廊を確保した。輸送機の出発点は南ロシア。
 終点は、シリアの「ラタキア」の南部の飛行場である。
 以前はブルガリア上空を飛行していたが、NATOの一員であるブルガリアがそれを禁じたのでコースを変えた。
 次。
 ストラテジーペイジの2015-9-14記事「Bad Versus Badder」。
  ロシアはシリアのタルトゥス港を自己の軍港と化している。ラタキア空港は、そのタルトゥス海軍基地から北へ85kmの地点にある。
 その辺り、シリア北部の海岸は、アサドの出身地盤である。
 ※ロシアは同時多方面戦争を起こして自滅したがっているとしか見えない。