きちがいのくにかとおもふこのごろのきちがいがみをよむひとをみて

 Denny Roy記者による2015-9-18記事「China’s Strategy to Undermine the U.S. in Asia: Win in the ‘Gray Zone’」。
  ある国家が、外国からの通常の軍事的報復を即座には招かぬようなレベルの戦術を採用し続けることで、他国の権利を着々と殺いで自国の特権を増していく戦略を、グレー・ゾーン・アグレッションという。中共は隣国に対してだけでなく、アメリカ合衆国に対しても、このグレー・ゾーンの戦いで勝利を収め続けている。
 これは1950年代のアイゼンハワー政権の瀬戸際政策(大量核報復戦略)の失敗を想起させる。「もしソ連が通常戦力で西側諸国を侵略したら、米国はいきなり戦術核をたくさん使うぞ」と脅すことでソ連の侵略を抑止せんとしたドクトリンであったが、ソ連は「薄切り」によってゆっくりと侵略を続行した。このようなソ連のやりくちに対して米国がいきなり戦術核で応えられるわけがなかった。これはさいしょから「脅し文句の信用性」が伴っていなかったのだ。
 そこで1961にケネディ政権は「柔軟反応戦略」に切り換えた。敵が小さく侵略してきたら、こっちも非核手段で小さく叩き返せるようにしよう――というものだった。
 同じ戦略が、今、対中共政策として必要である。
 はるかに低コストの艦船で、高額装備の米海軍の邪魔をする術を、中共は心得ている。2009には非武装の海中観測艦『インペカブル』を漁船団が徹底妨害した。
 2013には1隻のLSTが、中共空母を遠くから見張っていた巡洋艦『カウペンス』の進路を妨害し、ヘタレの上層部がけっきょく米艦隊を中共空母から遠ざけさせた。LSTはせいぜいが2億ドル。『カウペンス』は10億ドルだ。
 次。
 Franz-Stefan Gady記者による2015-9-17記事「Is Russia Building a Top-Secret Nuclear-Armed Underwater Drone?」。
 ロシアは、出力1メガトンの水爆を内蔵した水中ロボットを米海軍の潜水艦基地に潜入させて自爆させるつもりである。
 これは『ワシントン・フリー・ビーコン』紙のビル・ガーツ氏が第一報。
 この水中ロボットはマザーシップから放出され、かなりの航続距離と高速を誇るという。
 ただし、まだ試作品すらできていない段階。机上プランである。