CD→CDのコピーは何故こんなに面倒臭いのか? 昔は良かった……。

 Shannon Tiezzi 記者による2015-9-22 記事「The Truth About US Freedom of Navigation Patrols in the South China Sea」。
   国連海洋法会議で決めたUNCLOSのパートIIのセクション3のアーティクル19によれば、沿岸国の防衛体制を探ろうとする情報収集を艦船が為している場合には、その艦船の航行は「無害通航」とは認められない。
 つまり軍艦であれ公船であれ漁船であれ、他国領海12カイリの中でISR活動や、その主権国の秩序攪乱行為を働いてはならない。
 そしてパートIIのセクション2のアーティクル13によれば、満潮時には水没してしまうが干潮時には露頂する岩の干潮時の汀線は、次の場合には領海の基準として可い。すなわちその岩が、満潮時にも水没しないホンモノの領土から12カイリ以内に位置している場合。
 つまり、干潮時のみ露顕する岩が、もし中共の領海12カイリよりも遠いところに位置していたなら、その岩からは、中共の領海は発生しない。
 干潮時にのみ水面上に顕れる地物をLTE(low-tide elevation)と略称する。LTEは、どこかの国の領海内に位置している場合にのみ、その国の領海の基点とし得る。どこの国の領海にも属していないLTEからは、誰の領海も発生しない。
 したがって、最近中共が造成した砂盛島からは、中共の領海は発生しない。よって、他国の軍艦や民間船がその12カイリ内に入って何の活動をしようとも、UNCLOSは中共が何か文句を言う権利を与えていない。
 UNCLOSのパートVのアーティクル60によって、人工島や海上に突き出た人造物体は、領海やEEZなどのいかなる海上境界線画定の効力の根拠ともならないと決められている。
 ただし、海上の人工構造物の周囲500m未満に「セフティ・ゾーン」を設けることはゆるされる。
 もうひとつ、報道されていない重要なことは、中共が主張できない権利を、フィリピンの方では主張できるかもしれないことである。
 中共は、次の七箇所で砂盛工事をした。即ち、Cuarteron, Fiery Cross, Gaven, Hughes, Johnson, Mischief, and Subi Reefs である。
 ところがこのうちの二つは、フィリピンの領海内のLETなのだ。フィリピン政府は中共が違法工事を始める前から国際仲裁裁判所に対して、Mischief, Subi および Gaven Reefs の三ヶ所についてフィリピン領海12海里内のLETであることを確認してもらう訴えを起こしている。
 したがって米国は南シナ海のFON遊弋〔これについて知りたい人は『兵頭二十八の防衛白書2015』を読むこと〕によって中共の主権に挑戦しようとしているわけではない。アメリカの新聞報道の見出しは、ミスリーディングである。
 中共の七つの砂盛島について、米国は、UNCLOSの規定する非中共領のLTEだとみなしていることを、示威するまでである。
 もし米国が中共の不法な言い分を黙認してしまえば、ベトナムはAlison Reef, Central Reefおよび Cornwallis South Reefの三ヶ所のLTEを、またマレーシアはArdasier Reef と Dallas Reefの二箇所のLTEを、そしてフィリピンはIrving Reefに同じように砂を盛って、領海だと主張することになる。南シナ海はとてつもなく航海し辛い海になるだろう。
 次。
 ストラテジーペイジの2015-9-23記事「Chinese Warships Recycled Rather Than Scrapped」。
  中共は海警のために古い軍艦をあてがうつもりらしい。艦齢30年を超えている『053H』級のミサイル・フリゲートを海警に下げ渡すという噂は2008からあった。
 すでに3隻はそれが実現している。
 そのさい、10糎砲を2門と6基の対艦ミサイルは、撤去している。
 軍艦から再生された公船は、1600トンで、主砲×1門、重機関銃と系機関銃多数で武装し、最高速力46km/時を出せる。乗員は、軍艦だったときの七割で済むという。