また一人 キチガイ増えて 秋の空 (最後の季節の言葉を折々に更新すれば周年使えます)

 Robert Potter記者による2015-10-1記事「China’s Nuclear Submarine Distraction」。
  グスタフ・アドルフス王がスウェーデンの威信にこだわって建造させた巨艦『ヴァサ』号は、トップヘヴィーのために処女航海の数百mにして転覆してしまったものである。
 げんざい、中共の海軍技術の根本弱点は、洗練された舶用のリアクターが造れないことだ。したがって核動力の空母はおろか、核動力のSSN/SSBNすら実用水準のものをこしらえることができない。
 中共は対米ASWの主力として特にSSNを増やしたい。しかしこのリアクター技術の未熟のため、ひきつづいて『キロ級』コピーのディーゼル潜を増やすしか手がないというのが実情だ。したがって潜水艦の質的レベルに関しては、ベトナム海軍ともあまり違いが無いのだ。
 『93級』のSSNは騒音レベルが1970年代のソ連原潜よりも大であった。これでは使いようがないので、5隻で調達は打ち切られた。
 次に『95級』のSSNが開発されたが、やはりそれよりも25年も前のソ連の『アクラ』級よりも騒音が大であった。だから『95級』も大量生産へは移行し得なかった。騒音が大きければ、対米ASW任務には使いようがないのである。
 分析屋のクリステンセンは不思議がる。なぜ中共は、すでに投資が成功している陸上型の長距離核ミサイルを増勢しないで、その能力も実績も欠けているSSBNにこだわって空しい投資を続けているのだろうかと。
 答えは単純。プレステイジ(面子)のためである。
 シナ人は、ただの海軍ではなくて、「超大国の大海軍」を展示して見栄を張りたい。そのためには、かつて米ソが持っていたのと同じアイテムをそろえてみせなければ気が済まないのである。
 次。
 FoxNewsの2015-10-1記事「Army tests remote-controlled weapons systems for base security」。
  米陸軍のプレスリリース。いま実験中の「遠征部隊用の監視塔」というもの。三本柱の上にリモコン兵装塔が載る。
 火器は、12.7㎜機関銃でもいいし、ラプア狙撃ライフルでもいい。
 タワーは自在に伸縮昇降させ得る。火器の射界も360度、指向できる。
 これを、遠征先のキャンプ内のたった2人のオペレーターが、離れた安全な場所から操作する。
 ※無人のロボット銃塔(ガン・ポスト)は、これまでにも各国で試作されている。しかしいずれも、設置位置が低かった。誤射や流れ弾のことを考えると、あまり推奨できないシステムであった(味方も危ない)。だが、このように銃の位置を地表から8mくらいも持ち上げてやれば、「遠距離狙撃」に適した無人銃塔システムができるわけだ。密集歩兵が雲霞の如くバリケードへ押し寄せて来る……なんていう朝鮮戦争式チャルメラ・チャージは今日ではほとんど想定され得ないのであるから、この方が合理的なのだろう。まさにコロンブスの卵だ。