まさか大発の護衛戦闘艇タイプがカタマランで復活するとは……

 Kyle Mizokami記者による2015-10-2記事「This Hybrid Tank-Boat Is Either Pure Genius or Pure Folly」。
   インドネシアの造船所、PTルディン社は、「戦車艇=タンク・ボート」を開発した。
 カタマラン艇体の上に、105ミリ砲塔を載せて、30ノットで航走できる。名付けて「X-18 火力支援艇」。しかし人呼んでタンクボート。
 インドネシアは、1万8千307個の島嶼から成っているので、とにかく海上機動できない軍備は無意義である。
 艇の長さは18m。クルーは4名。プラス、最大20名の兵隊も便乗させられる。
 艇尾には、モーター付き小型ゴムボートを1隻積載。これで気軽に上陸もできる。
 ※突然思ったが、水上に浮かぶカモメやアヒルや雁鴨類とそっくりにこしらえた超小型自爆ロボットは、有意義なのではないだろうか。海岸付近に碇泊している敵舟艇に対し、隠れて近付くのではなく、堂々とゆっくりと水上を接近して行けば、敵兵も疑えない。またこれをあらかじめズラリと汀に並べておいたならば、敵の上陸用舟艇も接近をためらうであろう。フロッグマン対策ともできるだろう。
 主砲はコッケリル社製。副火器は、12.7mmのリモコン銃塔だ。
 ※この銃塔こそ、伸縮タワー式にするといいだろう。そして12.7ミリのガトリング・タイプがおすすめだ。舟艇の利点は、準備弾薬量についてケチケチ悩まなくてよいことだ。
 推進器はウォータージェット。航続距離は900海里。米東海岸でいうなら、首都ワシントンからマイアミまで片道を走れる。〔東京から沖縄本島ぐらいか?〕
 タンクボートの吃水はわずか80cmなので、河口デルタを遡ることも、また珊瑚礁帯の上でも、不自由がない。
 だが「戦車」という渾名は適正ではない。このフネの外鈑は、せいぜい7.62mm弾しか防げないからだ。「水上自走砲=ガン・ボート」とでも呼んだ方がいいかもしれない。
 105ミリ砲という武装にも疑問がある。直射火器であるそいつが有効な距離にまで敵へ近寄るということは、逆に敵から返り討ちにされる危険も大きいということだから。
 ※むしろレーザー誘導のできる中口径の迫撃砲の方が、多用途任務には適するのか?
 しかし、PT Ludin社はすでにUAEからこのタンク・ボートを100隻も受注した。
 対岸40マイルにあるイランから襲来するスウォーム・ボートの攻撃から、海際の首都ドュバイを防衛するために、役に立つかもしれない。
 ※わが90式戦車は、トレーラー輸送の便のために砲塔を簡単に車体から外せるようにできている。この砲塔を専用の艇体に嵌め込めるようにして、尖閣防衛用もしくはホルムズ警備用の「タンク大発」に生まれ変わらせてはいけないのか?
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 ストラテジーペイジの2015-10-2記事「Korea: Surviving The Myth」。
  十月は北鮮人民には憂鬱だ。毎年、国家から命ぜられるタダ働きの量が増やされる。10-10が北鮮建国記念日であるためだ。
 タダ働きでもなにがしか生活の向上に役立つのならば納得もできようけれども、全土に3万5000箇所もある金日成の立像清掃が主な仕事内容だというのだから、とてもヤル気など出たものではない。しかし三代目は一代目と似ているといわれて意識しているので、その清掃をおろそかにする者は容赦しない。
 北鮮の正規の携帯電話中継塔以外の電波を妨害してしまう装置は2012年からシナ国境沿いに展開され始め、この頃ではかなりのエリアをカバーできているという。
 中共内の電波塔から、韓国製の音楽およびTVショーをダウンロードできる。北鮮当局はこれを禁じたくてたまらない。最近、3人の北鮮人が、携帯電話にそうした韓国製コンテンツをダウンロードしていた廉で処刑された。
 北鮮には結婚式をやたらに見栄を張って派手に催すという古い奇習があったものだが、当局は1990年代にその禁止を緩和し、高級官僚一家が新築ホテルの大宴会場で盛宴を公開的にみせびらかしても可いことにしている。
 9-14に中共政府は、非軍用の核関連物資の授受をルーズにするなという命令を出した。じつは2009に中共は韓国から、原発を1基輸入している。古くなった旧ソ連製よりは安全だろうというので。
 メーカーはドーサン重工業。出力は600メガワット。2012に運開した。
 現在、中共には21基のリアクターが稼動中である。またそれとは別の28基の原子炉が建設中/計画中である。
 核物質をとりあつかう研究施設は、中共全土に50箇所ほどもある。
 それでも、シナの全発電量のうち、原発が占めている比率は、まだたったの2%だ。2020年までにこの比率を6%まで増やすことにシナ政府は決定している。
 ちなみに韓国では原発が全電力の29%を発生させている。米国では20%、フランスでは74%という。
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 Anton Zverev記者による2015-10-2記事「Deadly Russian rocket system spotted in Ukraine for first time」。
  サーモバリック弾頭を装着した多連装ロケット「ブラティノ TOS-1」を露軍はウクライナに持ち込んできた。はじめに可燃性の液体微粒を雲状に拡散させてからそれに点火するという弾頭。街区まるごとの吹き飛ばしなどに向いている。