豪州東南海岸ほど通常弾頭のSSBMから安全な土地は無い

 David Winning and Rob Taylor記者による2015-10-4記事「Australia in Advanced Talks to Buy Light-Armored Vehicles From France’s Thales」。
   豪州の新首相、マルコム・ターンブルによる初の兵器調達契約は、フランスのThales社製の軽装甲車「Hawkei」のノックダウン製造と決まった。
 交渉は米国等の複数のメーカーを相手に2011年後半からスタートしていたが、最終的にフランスが競り勝った。契約総額は米ドルにして10億6000万ドルほどか。
 この装甲車は、メルボルンから100マイル近く離れた廃金鉱の町、ベンディゴ(Bendigo)の工場で組み立てられる。
 豪州では、鉱山ブームが去ろうとしており、政府は国内失業率を下げるための対策を次々と打ち出さねばならない。兵器の完成品輸入などもっての外なのである。
 昨年後半、デビッド・ジョンストン国防相が閣外へ去った。その原因は、彼が豪州の「ASC造船会社」について、外国と競って水上艦や潜水艦を国産する能力は無いと発言してしまい、それが有権者を怒らせたためであった。
 ※安倍氏と旧通産省の阿呆どもは、トニー・アボットとジョンストンの2人の政治生命を終わらせてしまったんだという自覚があるのだろうか? 『蒼龍』案件の不用意なプッシュさえなければ、親日的なアボット=ジョンストンのコンビはずっと続いていたんだぞ? とりかえしのつかねーことをしやがって。
 軽装甲車は最大1300両を調達するでああろう。地雷耐性がある。
 ベンディゴでは、Thales社の「ブッシュマスター」APCも製造している。これは豪州陸軍が採用しているだけでなく、オランダ軍や米軍に対しても輸出されているのだ。※日本も要人輸送用の4×4APCを豪州から少数、買うことにした筈。おそらく同工場製だろう。
 ※豪州から兵器の注文を取る方法は簡単である。三菱重工と三菱電機と石川島播磨が、豪州内に工場を新設して、そこで兵器を製造し、修繕する――と言えばいいだけなのだ。そもそも日本は中共からの通常弾頭SSMの有効射程内にあるのだから、ハイテク武器製造工場は、どんどん豪州へ移転させるのが、軍事的に正しい政策だ。F-35の修理を対支の有事に名古屋で続けられるわけがないということが常識でわからなければいけない。武器工場にも「疎開分散」が必要なのだ。豪州内でのシナ人スパイの対策は、エシェロン同盟の米英が代行してやってくれるから心配しないで可い。まもなくマラッカ海峡も南支那海も商船が通れる海面ではなくなる。日本の軍需工場が豪州東海岸にいまから拠点を築いておくのは、地政学的にものすごく正しいことだ。豪州拠点の子会社は、米国DARPAのプロジェクトにも好きなだけ参加ができるだろう。また、この子会社がボーイング社からF/A-18の製造&改造権を買い取って、豪州空軍をはじめとする世界のスパホ・ユーザーに、F-35とは違う実用的オプションを提供することだって、できるじゃないか。日本もそれを買うことができるじゃないか。戦略的な保険を考えましょう。
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 ストラテジーペイジの2015-10-4記事「Indian Military Trucks Carry The World」。
  インドは90年代に経済を開放的にして西側技術をとりいれ、いまや旧ソ連が喪失した第三世界の軍用トラック市場を奪いつつあり。とにかく単価が安いのだ。
 インド・メーカーのもっかのヒット作は、6×6のクロカン仕様トラック。軍用にも民用にもなる。
 オフロードで5トン、路上だけなら7.5トンを安全に積める。
 オプションでユニックもあり。
 運転室内にはエアコンが備わっている。第三世界ではこれは重要。
 つぎにインド・メーカーが狙っているのは、HEMMTの市場だ。
 1980年代に米陸軍が8×8のHEMTT(Heavy Expanded Mobility Tactical Truck)を採用していらい、第三世界軍も、そのスタイルを欲するようになっている。しかしHEMTTは1台30万ドルするし、西側メーカーの類似品も同様。だからインドにチャンスがある。ちなみに米陸軍は今HEMTTを1万4000台装備している。自重19トン。
 重量物運搬用のHETというのが米軍に2000両あり、70トンのM1戦車を運ぶトレーラーである。
 HEMTTの最新型A3は、ディーゼルエンジンで100キロワットの発電をし、その電力でモーターを回して走る仕組みである。
 停車すれば、そのまま車載発電機となって、災害出動部隊を支援できる。2005のハリケーン・カトリナでもこいつが病院に給電したものだ。
 ※そしてインドも豪州と同じで、外国製兵器の直輸入は、これからはほとんどできなくなる。国内事情が、それを許さないのだ。
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 ストラテジーペイジの2015-10-3記事「Silent Robots From The North Threaten South Korea」。
  8月22日から24日にかけて北鮮が韓国領空にUAVを飛ばしてきたのが探知され、韓国の戦闘機と軍用ヘリが離陸したものの、その迎撃には失敗した。韓国はこの事実をずっと非公開にしていた。
 今回のUAVはやや大型で、中共製の超古い「D-4/ASN-104」がベースのものらしい。
 ASN-104は中共の最初期のUAVで、重さ140kg、ペイロード30kgといったところ。滞空は2時間しかできない。
 北鮮は1990年代にこれをコピーした。
 また北鮮は90年代にロシアからDR-3というジェットエンジン付きのUAVを買い、これを元に巡航ミサイルを造ろうとしたが、失敗している。
 「プチェラ 1T」というロシア製の無人機も北鮮は買っている。中共のASN-104級と同格のもの。