珍未来のアポロジスト

 Alber Aji and Nataliya Vasilyeva記者による2015-10-7記事「Russian warships fire cruise missiles into Syria」。
   カスピから巡航ミサイルを発射すると同時にアサド政府軍が地上攻勢。
 ロシアからの発表によればミサイルは1500km近く飛翔した。イランとイラクを航過し、北部のラッカ、アレッポ、北西部のイドリブに着弾。
 イドリブにいるのはISではなく、アルカイダ系のヌスラ戦線である。
 4隻の軍艦から発射した。計26発。
 ミサイルは「カリブル」である。トマホークのロシア・コピー。これが実戦デビューとなった。
  ※満州から発射して1500kmならば名古屋に到達してしまう。ますますF-35工場なんてつくるべきではない。日本の軍需工場は豪州に移転するのが正しいのである。
 イドリブではアサド軍が市街を猛砲撃。
 しかしゲリラは政府軍を撃退した。
 イドリブでゲリラが発射した対戦車ミサイルはどうみても米国供与のTOWである。
 カーターはISのことを「ISIL」と呼ぶ。
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 Thomas Gibbons-Neff記者による2015-10-7記事「These are the cruise missiles Russia just sent into Syria」。
   露軍機のCASはハマ市の攻防で使われている。
 巡航ミサイルは、「カリブルNK」。
 全弾、ねらったところから9フィート以内に命中したと。
 ゲリラの訓練場、弾薬倉庫が狙われた。
 ジェーンのビニー氏によると、これは実戦での初使用。
 ジェーンの専門家、ジェレミー・ビニーによると、このような目標の攻撃にわざわざカスピから巡航ミサイルを発射する必要はなかった。
 飛行機からの投弾の方が破壊的だし、地中海から発射すれば近い。
 つまりこれは「ロシアは弱くない」という誇示が目的であった。発射艦は小型のコルヴェットだろう。そういう弱そうな露艦でもポテンシャルがあるんだぞと証明しておきたかった。
 発射艦隊の旗艦『ダゲスタン』は2000トンである。おそらく発射した艦でいちばん小型のものは、全長230フィートであろう。
 ※10-7はプーチンの63歳の誕生日であった。その日、プーチンはアイスホッケーをしてみせていた。
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 ストラテジーペイジの2015-10-7記事「Cold War Masking Makes A Comeback」。
  露軍機が9月前半にシリアに進駐したときのレーダー欺騙テクニックがわかった。
 戦闘機は、巨大輸送機にぴったりくっついて飛ぶ。もちろんトランスポンダーはOFFにしておく。
 航空管制用のレーダーぐらいならば、これでごまかせてしまうのである。
 この手口を「マスキング」と称する。冷戦中にソ連機はいつもこれをやっていた。
 ロシアの潜水艦もマスキングを使い続けている。軍艦や商船の底にぴたりとはりついて移動することで、西側のSOSUSに探知されないようにしているのだ。
 SOSUS (SOund Surveillance System) にもいろいろあって、大西洋北部のネットワークはCAESARといい、太平洋北部のものはCOLOSSUSという。他にインド洋など幾つもの仕掛け拠点があるが、多くは非公開。
 このSOSUSの固定聴音器のデータ解析だけでも、敵潜の現在位置を、直径100km以内の円内に絞り込めてしまう。調子のよいときには直径は10kmまで縮まる。もちろん、聴音データは陸上基地から衛星経由で対潜センターへ転送してそこで解析してもらう必要があるが。
 SOSUSは深海では使えない。仕掛けてある大陸棚からせいぜい500kmまでしか聴音はできない。したがってロシア潜は、出港後、そこまで大型船の下にくっついて移動し、深海域ではじめて自由行動に移る。
 米海軍のグローバルなSOSUS網の大きな穴が、韓国沿岸域である。SOSUSの高額な維持費用を韓国政府が出そうとしないのだ。
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 Aaron Mehta記者による2015-10-6 記事「State Department OKs Spain Buying MQ-9 Reaper Drones」。
   スペイン空軍が、MQ-9リーパーのブロック5を調達できることになった。米国務省がOKを出した〔と議会に報告した〕。
 リーパー×4機と、予備部品その他サポート含めて2億4300万ドル。
 すでに英国、フランス、イタリア軍がリーパーのユーザーである。これにスペインが加わった。
 ※米軍はシリア上空ではMQ-1を運用していて、過去1週間で3回、ロシア戦闘機がそれに貼り付いて姿を見せ付けた。
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 Franz-Stefan Gady記者による2015-10-7記事「Japan to Offer Australia Its Top-Secret Submarine Technology」。
   シドニーで開かれているシーパワー会議に参席した日本の代表イシカワ・マサキは、蒼龍級よりでかい潜水艦の技術を100%すべて豪州の潜水艦建造所へ移転するであろうと地元メディアに語った。
 ウェブサイトの「パース・ナウ」が報じているところによると、溶接技術、ステルス技術、戦闘統合システム、リチウムイオン電池、台風状態であっても使える潜望鏡の技術が含まれる。戦闘システムは米国製とする。
 数百人の豪州職工を三菱重と川重に連れて来てモックアップの溶接をしてもらう。それで稽古をつける。
 潜水艦はすべて豪州で組み立てる。しかしオプションとして、第一号艦だけは神戸でつくるという可能性は残っている。
 豪州の南岸、やや東寄りにあるアデレード市に、豪州潜水艦会社(ASC=Australian Submarine Corporation)が所在する。潜水艦は、そこで建造しなければならない。オフザシェルフの輸入ではダメである。
 ※中共本土の海南島の対岸あたりから豪州東南岸までは7500kmもある。この距離で非核弾頭のIRBMを何千発発射しようともほぼ「無駄射ち」であり、シナ政府が破産するだけである。この「間合い」が、これからの豪州を、アジア屈強の軍需産業拠点に変えるであろう。日本はそこに投資せよ! このASCを買ってしまえばいい。川重と三菱のふたつとも神戸にあるのは脆弱でいけない。第三の拠点をアデレードに置け。
 ライバルのティッセンクルップ・マリン・システムズ社はすでに20ヵ国に対して160隻以上の潜水艦を売っている。同社は『HDW級216型』を豪州に提案しており、日本を一歩リードしている。