北極海航路はロシアの北極圏を「ハートランド」ではなくしてしまう。それはロシア人の精神を解放するだろう。

 ストラテジーペイジの2015-10-9記事「Rickety Russian Railroads Revealed」。
  ロシア国内の鉄道網が酷い状態であるとロシアのメディアが認めた。冷戦以後、個人のモータリゼーションに沿って道路ばかり建設していたので。
 戦時に200個師団以上も動かさねばならなかった時代は去り、今は最大でも旅団が数十個。だから鉄道維持は重要ではなくなった。
 2013年のロシア鉄道部隊の報告。ロシア国内の鉄道は、1万5000人の部隊を、1日で1000km運送できる。平時の通常運行ならばせいぜい600kmなのに。
 2010年、露軍は、お蔵入りしていた「装甲列車」を2両、現役復帰させた。
 その前に装甲列車が最後に稼動したのは、冷戦後のコーカサスでゲリラが鉄道を爆破するようになったとき。
 さらにその前だと、1970年代に緊張したシナ国境での警備任務であった。
 今日の露軍の装甲列車は、後続連結車両に、AAG車(ただし用途は対地砲撃)、通信車、電子戦器材装備車、鉄道工兵客車、UAVオペレート車(空中からゲリラを警戒)、そして複数のAFVを載せた無蓋無壁の長物貨車という陣容で出動する。
 ロシアの鉄道工兵は陸軍所属ではなくパラミリタリーである。だから「鉄道隊」とでも言うべきか。総勢は現在でも10万人あるらしい。それがちゃんと仕事ができていないようである。