そうだったのか、地政学! ……と既に唸っていらっしゃる方々へ。

 謹告。
 『「地政学」は殺傷力のある武器である。』の318頁9行目、「200機」とありますところは、「100機」の誤りでした。お詫びして訂正します。
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 Rod Lyon記者による2016-2-24記事「THAAD, South Korea and China」。
 間違った議論が広がっている。THAADの問題は、短距離ミサイルには何の防御力も発揮しないことだとか。
 逆である。THAADは、ミディアムSSMと、インターミディエイトSSMに有効なのだ。
 2015-11のデモンストレーション実験では短距離SSMにも、ミディアムSSMにも命中させた。
 ※インターミディエイトSSMに対するTHAADの迎撃実験は聞かない。しかしグァム島に1個大隊が配備されているということは、少しは効くのかもしれない。ICBMには全く無効である。速度が違いすぎるので。
 THAADと一体であるAN/TPY-2レーダーは、短距離SSMの発射から着弾まで全経路を見張れる。だからむしろ短射程SSM迎撃スペシャル兵器だ。
 韓国は2015から、そのパトリオットのPAC2をPAC3にアップグレードする行程に入っている。
 THAADはPAC3よりちょっと広い面積を防空できる。
 THAADのレーダーは、米本国のGBIにトラッキング・データを伝送することで、米本土防空の役に立つ。
 しかし米国は、日本の車力と経ヶ岬にすでにAN/TPY-2レーダー(Xバンド・レーダー)を展開済み。※なので、日本にTHAADが置かれても米国は情報面では新たに得るものはない。米国のミサイル・メーカーが得をするというだけ。
 ひとつ言えること。AN/TPY-2レーダーなしでは、THAADは何も迎撃できない。
 ※グァム島へのTHAAD配備くらい謎なものはない。ホントにあの距離で迎撃できるのか? イージスからの情報リレーがあっても、落速が大きすぎるだろう。GCC諸国がイランからの弾道弾攻撃に対抗してTHAADを買いなさいとアメリカから勧められているが、距離的にはPAC3で十分に足りるのに、なぜTHADなのか? 二つの考え方がある。ひとつは、Xバンド・レーダー情報をアメリカが統一的に役立てたい。もうひとつ。じつはPAC3の弾道弾迎撃能力に不足がある。だが、現実にサウジはイエメンから発射されてくるスカッドを次々と迎撃に成功しているのだが……。
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 Ian Duncan記者による2016-2-23記事「Female midshipmen will now wear trousers, not skirts, at Naval Academy graduation」。
  アナポリスの海軍兵学校の卒業任官式典は毎年5月にあるが、今年からは、海軍および海兵隊の女子の士官候補生がスカートを着装しなくなる。男子と同じトラウザーズとする。
 ちなみに2016年の卒業予定組の24%にあたる266名が女子だ。
 なお、海軍/海兵隊の女子制服からスカートがなくなるわけではない。
 ちなみにウェストポイント陸軍士官学校では、女子は、卒業式でどっちでも選べるようになっている。
 コロラドスプリングスの空軍士官学校では、ずいぶん前から卒業式では女子と男子は同じ制服にすると決めている。
 ※円安政策は中共の不公正な「元安攻撃」から日本国民の生活を防衛するためにやむなくしていることだと政府は(日本国内の英字新聞のデスクを使って間接的に)ただちにヒラリーに反論しろ。その責任は「対ドルの不当な元レート」をこれまでずっと放任してきた歴代米国政権にあり、特に1998に「G2」を演出したクリントン大統領の罪が重い――。こう衝かれればヒラリーは日本をスケープゴートにはできなくなる。このような「致死力」のある反撃宣伝をすぐに日本の英字新聞の見出しとして打たせないから、日本の外務省は穀潰しなのだ。