兵頭二十八、「リッピング」を学ぶ(w)

 RIPというので何を引き裂くのじゃと思ったら、そうではない。「やすらかにねむれ」(レスト・イン・ピース)でも無論ない。
 ビット変換して記録することをそのように呼ぶらしい。
 要するに、カセットテープのダビングのようなものであった。ただし、デジタル時代の!
 実はわたしはずっとこれを探していたのだ。昔のラジカセのような感覚で、ごく平易に、市販の音楽CDから、どこにでもあるUSBデバイス(サムチップ)へ、1曲づつ選別的にコピーできる、ただそれだけの機能を。
 それがあった。しかも偶然についてきた。
 大災害発生時の情報収集手段の確保のために「ワンセグのチューナー」を買ったらついてきた。「リッピング機能」が。(※動画のコピーはできません。)
 この商品は「アーウィン 10.1型フルセグ&ワンセグテレビ搭載ポータブルDVD&マルチプレーヤー APD-106F ver.2」という。人に頼んでアマゾンで調達してもらったところが、予想外にすばらしいものなのである。
 商品名からは、CDのステレオ再生ができるとは想像をしなかったが……。
 CDからUSB外部メモリーにコピーするときにビットレートを選ぶのだが、これは最高値の320ビットにしないと音質が劣化してしまう。しかし、8ギガバイトの安物USBチップを買ってくればメモリ容量には余裕ありまくりなので、数十曲を詰め込もうが、ファイルサイズなどぜんぜん気にする必要はない。(ちなみに16GBのUSBでも作動に問題がない。ただしマニュアルでは推奨をしておらず、じっさい、未使用メモリーがえらく無駄に思われる。)
 これがたとえばPCを経由して、商品CD→PC→空CDという手順を使うとすると、本体メモリーにも受け側CDの容量にも制約があるは、操作は訳が分からんはで、面倒なことこの上もない。わたしのような原始人だと何度チャレンジしてもダメである。だからこれまで努力を中断していた。
 しかし音楽ファイルをリッピングによってUSB外部メモリーにいったん収納してしまえば、あとは文書ファイルと同様な感覚でいじれる。ファイル名を書き換えるのも随意。消してしまうのも簡単。追加の書き込みも自由。一切が簡単になってしまった。
 また助かるのは、USB再生にしておけば、機械がモーターをドライブする必要がないから、内臓充電池だけでも長時間作動してくれる。CDプレーヤーでは気になった回転音ノイズもしなくなる。
 これで眠気覚ましのBGM環境が整ってしまった。
 「非常時用のポータブルTVを買っておこうと思ったら、日常のCD編集機+USB再生機になっちまった。何を言っているかわからねえとおもうが……」
 まるで中学生に戻った気分である。