エルドアンはEUとNATOがぐらついているので怖くなってプーチンに謝罪した。

 Josh Rogin記者による2016-6-27記事「Russia is harassing U.S. diplomats all over Europe」。
  先日米国務省にて、駐ロシア大使や駐欧州諸国大使が集まってミーティングしたが、そこで知られたこと。
 ロシア官憲が米国大使、米国大使館員、およびその家族をつけまわし、いやがらせと脅しを繰り返している。
 大使主催の公式イベントに招待状なくロシア人が乗り込んできたり、国内メディアを動員して米大使館についてのネガティヴ報道を連発させるなどは序の口。
 米大使館員のアパートに深夜、ロシア情報部の工作員が侵入し、家具を動かし、照明やテレビを点けっぱなしにして、なにも盗らずに立ち去る。これはまず常套的なイヤガラセで、その次の段階では、カーペットの上に排便してある。
 モスクワ市内ではもっと激しくなる。米外交官は自動車のタイヤを切り裂かれ、交通警官も頻繁にいやがらせをしてくる。
 前の駐露大使のマイケル・マクフォールは、常にロシア政府から雇われた「ジャーナリスト」に密着尾行された。通学する子供も情報省職員から尾行された。
 こうしたことはオバマ政権の第一期からすでに始まっている。モスクワ米大使館の駐在武官の家に侵入したロシア情報局職員は、留守中に飼い犬を殺して立ち去った。
 2014のウクライナ侵略以降は、こうしたいやがらせが一層、激化している。
 2011年から14年までチェコ大使だったノーム・エイゼンいわく。プーチンが大統領に復帰してから、彼は「グレー戦争」を仕掛けているのだ。
 現在、欧州に赴任するすべての米外交官には、国務省が、いかにしてロシア官憲のハラスメントに対応するかのトレーニングを施している。
 いやがらせ事件は国務次官のヴィクトリア・ヌランドが掌握するようにしているという。
 マクフォールの家族はマクフォールの赴任中、常時、これみよがしに監視されていた。見張られているということを知らせるのが、彼らの目的なのである。
 ロシアの活動についていろいろ調べて報告しようとする外交官が、いちばん激しく嫌がらせを受ける。
 マクフォールいわく、モスクワのアメリカ大使館は、包囲攻撃を受けている孤立した砦のような状態でしたよ。
 マクフォールいわく、オバマ政権内ではこれに報復するべきかが討議された。しかしオバマ大統領は、類似の報復はしないことを決めた。
 駐米ロシア大使館スポークスマンの言い訳。駐米ロシア外交官が先に厭がらせを受けたので報復しているだけである、と。
 ロシアから欧州諸国へ逃亡した元外交官その他のロシア人がすでに複数、暗殺されている。
 ケリーは3月の訪露で、イヤガラセを止めろとプーチンに直接言ったが、何の改善も見られなかった。在欧の米国外交官たちは、米国務省に、もっとなんとかしろやと迫っている。
 オハイオ州選出共和党のマイク・ターナー下院議員はNATO議会議長も勤めている。ターナーいわく。ロシアがアメリカのパートナーだなどとという虚構をオバマ政権は追求している。しかしロシアの方ではアメリカのパートナーになりたいとは欲していない。ロシア人はアメリカは敵だとみなしている。われわれはこうした関係にこそ備えなければならないのだ。
 ※英国がEUを離脱すると不況から全欧のエネルギー消費は減り、中共の恐慌も加速するので国際油価はますます安くなり、国庫の6割をエネルギー輸出に頼るロシア財政の先行きは絶望的に暗くなるはずである。