すべての宗教は戦略兵器である。

 Mustafa Salim and Loveday Morris記者による2016-7-4記事「After Baghdad blast, use of fake bomb detectors draws anger」。
  爆弾テロが頻発中のバグダッドでは、かつて英国の詐欺商人が売りつけたインチキ爆弾探知機がいまだに検問所で広く用いられている。プラスチック製のピストルグリップに〈地下の埋没物検知に有効と一部で信じられている、ぶらぶらするロッドアンテナ〉1本がつけられただけの形状だ。
 何の機能もないこの装置でボディチェックを受けるために、人々は炎天下の検問所に何時間も並んで待つのである。
 この贋探知装置は商品名「ADE 651」という。これを作って売り込んだ詐欺師のジム・マコーミックは2010年に逮捕され、2014年に英国の裁判所で懲役10年の判決を受けている。
 マコーミックはこの片手持ちサイズの偽装置をイラクなど数ヵ国に売って8000万ドルも儲けた。
 売り文句は、「麻薬や爆発物を1km先からでも探知できます」。こんなのを信ずる政府がたくさんあるのだ。というか、最初に購入を決めた高官たちは、嘘を承知でこれを言い値で買い取ることにし、商人からのキックバックで国家予算を着服したわけである。
 マニュアルには、「正しい物質探知カードを挿入すれば、野生の象や、100ドル札紙幣も、嗅ぎ出すことができる」等とある。※むかしの少年雑誌の「表4」に載っていた怪しいアイディア商品満載カタログのコピーの数々が蘇る……。
 FBIによると、1990年代のなかば、ロストしたゴルフボールを草叢から見つけ出せるという売り文句で「ゴーファー」という商品名の、もちろんまがいものの発見器が69ドルで市販されたことがあって、「ADE-651」も、その別バージョンなのだという。ただしマコーミックは1個に数千ドルの値段を付けて外国政府に売り込んだところがすごい。
 ピストルグリップに取り付けられたロッドは、わずかな加速度や傾きでも左右にスウィングするように振れる。これが「何かを検知した」とユーザーを錯覚させるわけ。
 マリキ首相は2014年に、なんでこんなものをまだ兵隊に使わせているんだと記者会見場で問い詰められ、「ニセモノも少しはあるが、それ以外は本物だ」と答えている。彼は腐敗の構造を承知していたのだろう。
 同年にアルアバディがイラクの新首相になってからもこのいんちき装置は使われ続けている。
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 David Cenciotti記者による2016-7-5記事「The most up-to-date F-22 Raptor jets are currently fighting Daesh」。
  UAEのアルダフラ空軍基地に送り込まれているF-22Aのスコードロンは、装備するラプターにいちばん先端的な改修をほどこしている。
 ソフトもハードも最新式。
 アラスカのエレメンドルフが原隊で、4月からISを空襲している。
 この部隊のラプターが、同機種として初めて、サイドワインダーのAIM-9Xを搭載している。ヘルメットマウンテドディスプレイと連動するものではない。が、発射したあとからデータリンクによって敵機にロックオンさせることができ、したがって、真後ろの敵機を攻撃できる。
 中東でのラプターの主任務は、そのAESAレーダーによって、ISが布陣している地上の電子地図をつくり、それを、次にやってくるストライクイーグルのミッションコンピュータに共有させてやることだ。「先駆けする空中移動センサー」なのである。
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 2016-7-5記事「Is China’s Mysterious New Satellite Really a Junk Collector? or a Weapon?」
  6-25に海南島から「長征7」ロケットでうちあげられた衛星「うろつき龍」。これがマジックハンドを有していて、目的が謎。
 中共は、宇宙の大型ゴミを掴んで軌道から突き落とし、大気摩擦で燃え尽きるようにしてやるものだと公式に説明しているが……。