いつも火のついた煙草片手に登場する三代目体制が国民には禁煙を命ずるらしい。

 Keith B. Payne記者による2016-7-6「Once Again: Why a “No-First-Use” Policy is a Bad, Very Bad Idea」。
  またしてもオバマ政権は核の「ノー・ファースト・ユース」=NFUポリシーを宣言したがっているらしい。
 NFUはしかし、2010のオバマ政権すら否定し去ったもので、それには合理性があるのである。
 米国のあいまい存置政策こそが大戦争の抑止になってきたのである
 米国が核抑止を確立していらい、世界の戦争死者は劇的に減った。この事実を人々は見ようとしない。
 しかし米国が今NFUを採用すれば、世界じゅうの反西側勢力は、ハイテクテロ兵器、化学兵器、生物兵器を使いまくりとなることは必定。だって核さえ持ち出さなければ核で報復されないんだから。
 ロシアは2008以降、武力でWWII画定国境を変更し続けている。しかも露骨に核の先制使用を揚言して周囲を脅している。
 2015-6-26の英紙『The Telegraph』の報道によれば、露軍は3万3000人を動員して、ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、デンマークに侵攻するというシナリオの演習を実施している。
 ロシアや中共が、核以外のなんでも、すなわち、生物兵器と化学兵器を無制限に使用して侵略戦争を始めると、周辺国に8000万人から1億人の死者が出るだろうと見積もられている。米国がNFU政策を採用すれば、これは未然には抑止できないのだ。
 もし米国がNFUを宣言すれば、同盟国に対する「核の傘」も消滅するので、同盟国は独自に核武装を模索する。すなわち核は世界に拡散する。
 特に韓国と日本は核武装するだろう。
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 ストラテジーペイジの2016-7-6記事。
  6月末に中共は、軌道上で衛星に燃料注入できることを示した。
 米国がかつてペースシャトルを開発したのも、高額なスパイ衛星の寿命をできるだけ延長するためであった。高度を維持したり軌道を微修正するための補助ロケットの燃料が尽きると、低軌道の衛星はすぐに空気との摩擦で周回高度が低下して墜落する。
 しかしシャトル全廃のあと、米国は、衛星燃料の宇宙での補給については2020年まで何もしないつもりである。
 無人シャトルのX-37Bは2機ある。2016年半ばの時点で、米空軍によるX-37Bの4度目の軌道上ミッションはまだ続いている。自重5トン、ペイロードは300kg弱だ。
 しかし2年間以上も軌道上にとどまることが可能。ペイロード24トンの旧シャトルが有人であるがゆえに数週間しか宇宙にとどまれなかったのとは大違いだ。
 X-37Bにはロボットアームがついており、将来はこれで軌道上のスパイ衛星に燃料補給もできると考えられている。ただしこれまでに実施したことはない。
 X-37Bじしんがスパイ衛星の機能を果たすと信じられている。軌道を急に変更するので、敵は何かを隠すいとまがない。
 スパイ衛星への燃料再補給を日常的に実施できる、ペイロード1トン以上の「X-37C」も企画提案されている。X-37Bをスケールアップしたようなものとなる。そして中共も今、このX-37Cと同じサイズの無人シャトルを開発中なのだ。
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 最新記事「Russia gathers troops at Baltic military bases ahead of Cold War-style stand-off with Nato」。
   冷戦時と同じパターンで、NATOに対抗してロシアが大演習をバルト海で開始する。いまはカリニングラードに大兵力を集結中。
 NATOのワルシャワ会議は7-8に始まる。
 ロシアはカリニングラードをSAM要塞化することでNATO軍機がバルト三国やポーランドに近寄れないようにしたい。それで新しいレーダー基地も増やしている。
 2016-6後半の報道。ロシアは2019までにカリニングラードに「イスカンデル」短距離BM部隊を常駐させる。それには核弾頭がつけられる。