みんなそろそろ「機雷主義」に目醒めてくれたかな?

 Kelsey D. Atherton記者による2016-7-6記事「The Jet Fighter Of The 2040s Will Be A Stealthy Drone Herder」。
  ドイツ政府はトーネイド戦闘攻撃機の後継機として、エアバス社に「複座・双発・双垂直尾翼」形状のステルス万能機を設計させるつもりだ。
 後席パイロットは、UAV〔のウスォーム〕に指令を出す役目に専任する。
 この機種の完成には20年以上かかるはずだが、その時点でも、戦闘機は完全には無人化されない――と業界では踏んでいる。
 この機種によって旧式のトーネイドはリプレイスされるが、ユーロファイターは残る。この機種で、ユーロファイターを補完するのだ。
 ※衛星に依存しない空中ネットワークを構成できれば、無人化した「ホンダジェット」のスウォーム、P-1改造アーセナルプレーン(空中巡洋艦)、P-1改造国産AWACS……等のミックスでも防空戦闘は可能なはずだ。2040年代にはね。
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 Jeffrey Frank記者による2016-7-6記事「Henry Kissinger’s Tactical-Nuclear Shadow」。
  2012年にキッシンジャーは、クリス・クリスティーに大統領選挙出馬を促した。
 キッシンジャーは33歳のときに、〈戦術核兵器は、主に空輸に依存する高機動性の独立部隊に扱わせる。戦場でも、彼らは空中機動する〉と提言し、それから一躍、中央政界に国家安全保障問題を進言する大御所になった。
 サウジと日本に核武装させればいいじゃないかとかブチあげているドナルド・トランプは最近キッシンジャーに会った。
 直後のトランプの自己宣伝によればキッシンジャーはこう語った。――世界中の国々がわたしに電話してきて、皆「どうしたらいいでしょう」「どうしたらトランプ氏の機嫌をよくすることができますか」と一様に尋ねるんですよ。だからあんたのタカ派の流儀は悪くはないようだ――と。
 トランプが大統領になれば、戦術核兵器の対テロ作戦での使用が現実的になるのかもしれない。
 2007年の民主党内の大統領予備選挙で上院議員のオバマ候補は、パキスタンやアフガニスタンのテロと戦うために米国の核を使うことはないと明言してしまった。これに対して当時の対抗馬ヒラリーは、冷戦以降の大統領は核を使うとも使わないとも予め断言してはいけないのだと論難した。
 これは正しい。ヒラリーが大統領になっても、戦術核がイスラム・テロ組織の頭上で炸裂する可能性は、なくなるわけじゃない。
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 ストラテジーペイジの2016-7-7記事。
  シナ政府は、北斗衛星信号の受信機を軍のトラックすべてに装置させたいと考えるようになった。
 これらの軍用トラックが私的商売のために転用されているのを、位置信号を追跡することで見張る。それにより、軍の腐敗を防止する。
 他方、2013以降、贅沢な私有乗用車に軍の高級将校の家族が軍用ナンバープレートを勝手にとりつけないようにする試みが次々打ち出されている。
 正規のプレートをデータベースに登録して、それ以外のものをとりつけて走っている不法車両を市中監視カメラで自動摘発しようという試みは、しかし、うまくいってない。
 偽軍用プレートをつけて走れば、税金も高速料金も払わなくて可い。したがって政府が得べかりし税収を得られないわけ。
 ※『白書2016』の刊行がさらに8月下旬にずれ込みそうで参ってます。今すぐ世間に解説したい事象がたくさんあるのに……。5月に脱稿した話の要修正箇所は、2ヵ月間経過すると、もうリカバリーし切れないレベルに増えるおそれもあります。まあ著者にはどうしようもないことですので、他社向けの別企画に当面没頭します。そろそろ新型戦闘機のコンセプトの話をしたいね。