インドネシアがナトゥナ諸島に滑走路と港湾を造成したがっている。

 Bryan Bender and Shane Goldmacher記者による2016-7-8記事「Trump’s favorite general」。
  マイケル・フリン退役中将は、33年間、陸軍に奉職した。
 統合参謀本部の情報部長、中東作戦担当のセントラルコマンド司令官、アフガニスタンにおけるNATO軍司令官、米軍特殊作戦コマンド司令官を歴任。そして2012から2014までDIA(軍の情報局)長官だった。
 だが、オバマ政権の中東政策を批判し、軍を逐われた。その後フリン氏はかなり早くドナルド・トランプ候補への支持を表明した。
 いま、フリン氏は57歳。ひょっとしてトランプの副大統領候補になるのではないかと言われ出している。
 フリン氏はすでにトランプ候補に対し、ISやイランや軍事についてのアドバイスをしている。
 トランプタワーの中での「ご説明」は、もう昨年の秋からだという。
 フリン中将の息子(同名)は、トランプ選挙事務所の高級アドバイザーの一人である。
 フリン氏は民主党員である(登録しているという)。これがトランプの運動に吉と出るか凶と出るかはまだわからない。本人は中道主義者だと強調している。
 これまで、トランプの副大統領候補としては、NJ州知事のクリス・クリスティ、インディアナ州知事のマイク・ペンス、元下院議員のニュート・ギングリッチなどの名が挙がっている。
 ジョニ・アーネストとボブ・コーカーの2人の上院議員の名前もあったが両名は今週その可能性をはっきりと否定した。
 フリンは、ヒラリーは辞任すべきだと発言している。私物メール事件がもし自分だったら、辞職だけでは済まず刑務所行きである、と。
 フリン将軍は、イランとの核合意は破棄すべきだし、イスラム過激派には国内でも国外でももっと攻勢に出るべきだと信じており、これらはトランプに影響を与えている。
 他方でフリン中将はプーチンが好きである。最近もモスクワでディナーを一緒にしているほど。
 フリンは、ビンラディン殺害作戦のあと、ラディン式テロリズムはまだ生きていると警鐘を鳴らし、1万7000名規模のDIAの機構改革を試みたが、それはオバマ政権に阻止された。
 フリンはまた、ペンタゴン内で働いている文官の半数以上を解雇するべきであるという意見も保持している。なぜならそやつらは米国のシステムを腐敗させており、その酷さは汚職天国の後進国も裸足で逃げ出すレベルだからであると。
 フリンは現役中は政治向きの運動は一切控えていた。シビリアンとなった今、彼の個性が開花している。
 有名な退役中将なのに彼は巨大軍需企業にも、ブーズアレンハミルトン社の重役にも再就職しようとはしなかった。個人でいることは素晴らしいと彼は言っている。そういう埋没的な再就職をする将軍たちこそが、マッカーサーの言った「フェイドアウェイした老兵」に他ならないのだ、とフリンは示唆する。
 彼の強烈な個人主義的キャラクターは、フリン家のルーツがニューイングランド地方のアイリッシュ(もちろんカトリック)であることから、ある程度納得されるだろう。趣味は、サーフィン、ランニング、小説だ。
 フリンと近しい、元CIA長官のジム・ウールジーが評する。フリンは、ある政策が失敗すると判断したときは、ボスに向かって「それはうまくいかないように見えます。理由は三つです。まず……」と直言するタイプだ。キャリア遊泳が上手な部下なら、上司が聞きたい話をどう創作するかを考える。フリンはそれを考えない。
 だからフリンは、トランプの主張である「イスラム教徒のテロ容疑者には水責め拷問をどんどんやれ」「ISの家族を爆殺するようにすればISはテロをやめるだろう」には反対だと公言している。
 フリンはトランプに対し、外交問題では「正確な言葉による表現」が死活的に大事ですよ、と助言しているそうだ。
 フリンは少将であった2011に『スモールウォーズジャーナル』誌に寄稿し、米国はネイション・ビルディングができなくてはならない。戦闘と交渉を同時に進めながらね――と訴えている。これも、トランプの「脱・世界の警察」主義とは、相容れない。
 フリンは7月12日に著作をリリースする。副題は「いかにしてわれわれはラディカルイスラムとその党与どもに対するグローバル戦争に勝利するか」。
 この新刊の内容および評判しだいで、フリンがトランプの副大統領候補になるかならないか、見えてくるだろう。
 この本の共著者のマイケル・ルディーン(G.W.ブッシュ政権の安全保障政策に影響を与えていた学者)いわく。フリンは、質問に答えることでいくら周囲が気まずくなろうとも、それには構わずに質問に答える。そういうタイプだ。そのフリンが来週のクリーヴランドの共和党大会で何を語るか、要注目だ。
 副大統領候補にはならぬとしても、トランプ政権ができた暁には、フリンはCIA長官あたりにされるのではないかと、フリン将軍の周辺者は期待している。