名古屋コーチンをどうもありがとうございました。

 Lily Kuo記者による2016-7-11記事「South Sudan is on the verge of another civil war」。
    南スーダンが独立して5年目だが、はやくも泥沼の内戦か?
 国連部隊基地の近くにある大統領宮殿の近くには少なくも100体の死人が転がっている。
 都市市民は教会(南スーダンはキリスト教圏)に逃げ込んでいる。
 ケニアの国営航空会社はジュバ空港へのフライトを止められている。
 内戦は、キール大統領派と、マシャール(もと副大統領)派の間で起きつつあり。
 南スーダンの人口は1100万人。うち200万人は住宅を捨てて放浪を余儀なくされつつある。
 ※この記事は肝心なことを何も解説してくれてないから補うと、アラブ系イスラムの支配する元のスーダンから、黒人クリスチャンが多い南部を、仏英米の後押しで切り離したのが南スーダン。そこには石油資源があったから、英米仏が関心を持ってくれて、数十年かけて独立できた。しかしこんどはその石油利権をめぐって内部抗争になっている。じつはアフリカ諸国はひとつの例外もなく、マルチ部族国家。「一部族一国家」になっているところがひとつもない。一国の大統領は、その出身部族(とうぜん、最有力部族だ)の福利だけを徹底的に図る。石油だってもちろん独占。他の多数の部族には国家の税収を1文も分けてやらないばかりか、逆に徹底的に搾取し弾圧する。おそらく南スーダンの「元副大統領」とやらは、二番目に有力な部族の代表者だったのだろう。そいつすら、不公平にブチ切れた。被支配部族は国家からの庇護がまるで得られないから、最初からみんな小銃で武装している。三番目以下の部族は、人らしく生きるためには、隣国ゲリラと結託して「逆転」を狙うことも考える。このようにして、部族と部族の修羅地獄が無間に続く。アフリカではこの構造は絶対になくなることはない。だから第七師団の人々よ。命を惜しんでくれ。そこは命を懸けるに値しない場所だ! かつての宗主の欧州人そこがそこで責任を取らなくてはいけないのだ。 近年は近隣国の正規軍がアフリカ難民キャンプの警備を担任することがあるが、これもけっこう危ない。今年2月にはルワンダ正規軍が、国連平和維持部隊のキャンプ近くに蝟集してくる南スーダン難民たちを襲撃に来た武装勢力(難民とは部族が違う)を撃退してくれたのはいいのだが、そのあとで死体を数えてみたら、難民の死人の方が多かった。ルワンダ兵にすら、難民と武装ゲリラの外見上の識別ができず、ゲリラだと思って、走り回る難民たちを射撃していたのだ。
 次。
 Brian Fung記者による2016-7-11記事「The robot that killed the Dallas shooter」。
    先日のダラス市では、「銃乱射犯人」の足元へ、ダラス警察が自走ロボットによって爆弾を運搬し、犯人を爆殺した。米国内で、ロボットがこのように使われた初のケースである。
 ロボットは「リモテック・モデル F-5」という商品名で、運搬したのは1ポンドのC-4プラスチック爆薬で、導爆線により起爆させた――というのが7月9日の第一報。これは部外の専門家の推定だった。
 しかし7月11にダラス市警本部長が、「リモテック・アンドロス・マークV-A1」ですよ、と公表した。
 メーカーは、ノースロップ・グラマン社だった。
 自重790ポンド。履帯式で、時速3.5マイルで動ける。
 26倍光学ズームカメラと、12倍デジタルズームカメラ搭載。
 マジックハンドで50ポンドの物を持ち上げられる。
 『ワシントンポスト』に言わせれば、このロボットの同定などどうでもいい。問題は爆薬やその使用法についての公式説明責任が果たされていないこと。そこがいちばんパブリックな論議の対象となるところなのに。
 ある爆薬会社の経営者に取材したところ、1ポンドのC-4は、ビルの1フロアやトラック1台を吹っ飛ばす威力があるが、使いようによっては犯人を殺さずに倒すこともできるでしょうな、と。
 警察は、犯人をガレージの中で爆殺したと発表している。だがそれは嘘だ(まだビルのオーナーである地元大学は現場にも立ち入らせてもらえないでいる)。が、どうやら「セカンド・フロア」で犯人は爆殺されたらしいと大学の人は言っている。
 大学の人いわく。警察はエレベーターシャフトから2階へ近づき、このロボットを投げ入れたのではないか。