くっさいあきみつけた。

 Guy Plopsky記者による2016-8-2記事「How Russia Is Bolstering Missile Defense in its Far East」。
  ロシアがカリニングラードのSAMを大強化しおえたのは2016-1であった。
 2015年夏。カムチャツカ半島のペトロパヴロフスク基地、イェリゾヴォ基地、そしてSSBN基地のあるヴィリュチンスクを覆うべく、同地の海軍SAM連隊にS-400が行き渡った。
 露軍のSAM連隊は、3個の高射大隊から成る。
 2012年、ナホトカ港に近いプリモルスキークライに駐屯する第589SAM連隊の高射大隊のうち2個がS-400を受領している。
 2015年11月には、ウラジオストックに近い航空宇宙軍の第1533SAM連隊がやはりS-400を受領。太平洋艦隊司令部防空のため。
 2009-8の参謀総長の説明では、北鮮ロケットの逸れ弾や破片に対する防備としてナホトカにS-400を置いたという。
 北鮮が馬鹿騒ぎをくりかえすと地域の米軍が強化される。これがロシアの最も心配するところ。
 2016-5に露支は、合同でコンピュータ図上ミサイル防空演習している。ロシア側は中共と合同でBMDを構築してもいいと思っている。
 しかし道は遠い。S-400であってもICBMは迎撃できない。まして中共はS-400そのものも手に入れていない。まだS-300の段階。
 ロシアはS-500というものを開発中で、これは一層高性能なABMだというが、ICBMに対処できないことは変わらない。
 ロシアはBMDシステムを構築したくてもそのカネがないはずだ。※だから中共から開発費を引き出したい。PAK-FA/T-50の開発費をインドから引き出したように。
 ロシア内のシナ専門家たちはしきりに露支協同をそそのかす。しかし政治的にはそれはまったくリアリティがない。
 2015-3に「40N6」ミサイルの大気圏外迎撃テストが実施された。最大交戦距離は400kmで、射高は180kmと報じられる。
 ※ロシアはハイパーソニック長距離ミサイルを迎撃することに高い優先順位を与えているので、この「40N6」はS-400を対ハイパーソニックに用いるためのオプションなのだろう。
 S-500とやらは、最低でもこの「40N6」を発射できるシステムなのだろう。
 S-500は、モスクワやウラルのまわりに2020年までに38個大隊を展開する計画。
 「23560号計画」駆逐艦(リーダー型)には、艦対空システムとしてS-500を搭載するともいう。
 この計画艦は排水量17500トンで、ひょっとして核動力にするかもしれない。
 1号艦の竣工は早くて2023年だろう。
 短射程SAMである「Tor-M2U」は南千島に展開しつつある。
 2015-9以降、アラート任務についている。
 射程は12km、射高は6000mである。
 ハバロフスククライのゼムギ航空基地(第23戦闘飛行連隊)には2014から、スホイ35S戦闘機が配備されている。「フランカーE」ともいう。定数24機。
 しかし2015-12後半からそのうち4機は2016前半にシリアで作戦。
 ウラジオストックのツェントラルナヤウグロヴァヤ航空基地の第22戦闘飛行連隊には11機のスホイ35Sあり。
 ※この記者はポーランド系らしく、しかも台湾に留学したロシア通。
 次。
 ストラテジーペイジの2016-8-13記事。
   北鮮三代目はこれまで33発の弾道弾を発射した。これは二代目時代のすでに倍である。
 げんざい北鮮は年に50発以上、BMを製造中である。
 いまの保有総数である1000発を維持するには、そのくらいの量産を続ける必要があるのだ。
 北鮮製BMの8割は液燃。これは長期貯蔵に向かない。製造したBMは、10年か20年で使えなくなるので、その期限切れの前に試射で消費してしまう必要があるのだ。
 2012年以降、海に落下した破片を回収して分析し続けた結果、判明していること。北鮮のBMは2012以降ほとんど技術の改善がなされていない。各部品の設計は古いままで、ひたすら量産だけが続いているようなのだ。まさに社会主義工業の面目である。
 33基のBMの製造コストは、ひっくるめても3000万ドルであろうと見積もられている。つまり1発=91万ドル。1億円しないのだ。
 ※これに対してTHAADは1発が18億円。誰がそんなものを日本に買わせようとしているんだ?