じつに面白い北鮮のSLBM

 5月に書き上げている原稿がどういうわけか8月下旬になってやっとこさ本になったもんだから、『白書2016』の記事が北鮮のSLBMをフォローしてなくてどうもすいません。
 補訂の意味ですこしここで書いておきます。
 北京が危なくなったという意味で試射は痛快だった。
 試射500kmが、最大ポテンシャル射程1000km以上を意味するとすると、新浦港からちょっと沖へ出たところから北京まで到達させることができるわけだ。これで、こんご中共が北鮮を先制攻撃しても、「第二撃」による報復は阻止し得なくなった。理論上は。
 つまり、米日の軽忽なマスコミがフォレンジックな物的根拠もなしに騒いでいるように本当にもし北鮮が「原爆」とやらをもっているのだとすれば、やがて中共と北鮮はMAD(相互確証破壊)関係に入る。
 これは儒教圏人としたら我慢できないでしょう。MADというのは「対等」ですからね。儒教圏内には「2者(2ヵ国)の対等」なんていう事態はあってはならないんだから。
 北鮮にはまだ実用になる核弾頭がありません。しかしダーティボムならできるはずだから、とりあえず平壌はダーティボム弾頭をとりつけたSLBMを、各艦に1発だけ搭載して、遊弋させるようにしなさい。
 そのあと、ゆるゆると(フェイクでない)核弾頭の研究と、ミサイルの飛翔力強化をすすめればいい。宣伝で時間を稼ぎながらね。
 1艦に3基も4基も積載しようとしてはいけないよ。どうせ2基目を発射する前に撃沈されるんだから。
 しかし1基目の発射だけは、米軍だろうがシナ軍だろうが阻止はできない。SLBMとはそういうものなのです。
 中共はこれからどうするか? ASW(対潜水艦作戦)能力がシナ海軍にはゼロですから、「核爆雷」を使うしかない。
 つまり北鮮の潜水艦が拠点にしていそうな港湾とその沖合いにやたらめったら水爆を連投して水中で大きな核爆発を起こし続ける。この方法しかない。
 無数の戦術核弾頭で投網をかけるわけだ。
 そこまでやられたら北鮮のボロ潜水艦では、最初の1基目の発射も難しくなる。
 日本はこれからどうするか? おめでとうございます。有人潜水艦の時代は終わりました。
 核爆雷がどんどん降って来る海域で、有人潜水艦に尾行なんかさせてられないよ。
 水中ロボット(無人潜航機)に、「平時の監視」と「有事の制圧ミッション」を、託すしかないでしょうね。