誰が日本で最初にTHAAD調達の宣伝をおっ始めるか、注目すべし!

 2016-9-10の記者不明記事「Is the world’s most expensive fighter-jet helmet really that good?」。
   F-35のヘルメットは、1個40万ドルする。
  機外の6個のビデオカメラ映像も表示される。
 また、特殊ゴーグルをかける必要なく、夜間もカラーの景色が見られる。
 このヘルメットは、ロックウェルコリンズ、イスラエルのエルビットシステムズ、そしてロックマートが合同で開発した。
 このHMDS付きヘルメットは、他のパイロットのものを借りるわけにはいかない。というのは、パイロットひとりひとりの瞳に2日間をかけてアジャストしなければ使えないためだ。その作業はロックウェルコリンズ社の研究所でなくてはできない。
 2011に大問題になったビデオ映像のディレイは、2013までにかなり改善された。
 依然として問題なのはその重さ。ヘルメットがあまりに重いため、テストパイロットはGのかかっている「空戦」中に首をまわして敵機を探すのがたいへん。これは2015の話。
 ある種の機動をするとこの2.4kgもある重いヘルメットがキャノピーに「張り付け」られてしまうという。これは今でも解決されていない。
 シートイジェクトすれば、ただちに「むちうち症」を引き起こす。
 ダミーを使ったテストイジェクトでは、頚骨が折れる危険もあると分かった。
 開発者がこのヘルメットを過大評価していないことは、機体デザインから明らかである。もしもそんなにすごいヘルメットならば、コクピットを胴体内に埋め込むようにして、レーダー反射を少しでも減らそうとしたはずだからである。F-35のコクピットは、胴体上に突出している。まだこの戦闘機は、肉眼を頼りにしているのだ。
 次。
 北鮮の核の「事実」と「妄想」をあらためて整理してみよう。
  北鮮は2006年10月に核分裂実験を成功させた。そのときには、米軍の偵察機が、放射性同位元素「キセノン133」と「クリプトン85」を上空大気から検出した。核分裂が起きたという鉄板証拠である。
 だから北鮮は、核爆発「装置」を2006年に持った。これは事実。
 ただしそれは「投下爆弾」ではないし、「核弾頭」でもない。
 その開発は進んだのか?
 進んでいない。
 まず、初歩的な核分裂爆弾の技術があることを証明するためには、プルトニウムのインプロージョン式で20キロトン、ウラニウムのガンバレル式で15キロトンの「爆発地震」を起こしてみせなければならない。1940年代のノウハウであっても、これ以下の出力だったなら、「不完爆」(フィズル)の証明なのである。
 北鮮がウランを大量に濃縮できたというフォレンジックな物証はない。
 技術の遅れた貧乏国でも簡単に得られるのはプルトニウムである。
 したがってまずプルトニウム原爆の最低出力である20キロトンの爆発ができるかどうかが、1945年の米国レベルの技術を北鮮が達成したかどうかの指標になる。
 その爆発をまだ北鮮はさせたことはない。したがって北鮮の技術レベルは1945年の米国にもまだ及んでいないのである。
 北鮮の200-5「第二回」実験から、2016-1「第四回」実験まで、米軍の偵察機は、放射性同位元素「キセノン133」と「クリプトン85」を上空大気から検出しなかった。
 米国に「核武装国」だと認められたい北鮮が、わざわざ「キセノン133」と「クリプトン85」が上空に漂わないような大深度での核実験をやる意味はない。
 浅い地中で爆発させれば、「キセノン133」と「クリプトン85」は確実に上空に漏れてくれるのである。
 それが検出されなかったということは、「第二回」実験から「第四回」実験までは、すべて「失敗」だったのだ。
 これがフォレンジックな推論である。日本のマスコミ人にはこの程度の科学的思考もできかねるのだからなさけない。
 今回の「第五回」実験が「原爆開発の前進」なのか「四度目の失敗」なのかも、上空大気から「キセノン133」と「クリプトン85」が検出されるかどうかにかかっている。
 検出されなければ、地震は、硝酸アンモニウム(窒素肥料)と重油・廃油をまぜた坑道発破、もしくはそれと、異常なまでの大深度での「不完爆」の合成だと考えるしかない。
 朝鮮には温泉がない。これは火山がないことを意味する。したがって地震国でもない。だから半島周辺では昔から気象台が地震観測をする必要もなかった。そのため、日本と比べると、地震観測体制が、器材・人員ともに甚だ粗雑である。北鮮が核武装したと信じたい韓国人が発表する「マグニチュード」の数値は、当てにできない。
 信用できるとしても今回まだ20キロトンには達していないわけである。
 したがって北鮮はまだ「装置原爆」しか持っていない段階にとどまっている。
 「核弾頭」の段階にはまったく到達していない。これが事実。
 これから何年かすると20キロトンの最低威力「完爆」が実現するかもしれない。
 そこからようやく「小型軽量化」の過程に入ることができる。
 「完爆」を実現もしていないうちから「小型軽量化」を図ることには技術的にも政治的にも合理性はない。「完爆」ができないのでは、原爆をプライマーとした「水爆」に進むこともできず、とうてい米国から「核武装国」としては認めてもらえないからである。
 ちなみに23キロトンの出力を実証した1945年の長崎型(プルトニウム爆縮式)原爆は、重さが4トンもあった。
 ミサイル用の核弾頭は1960年代の中共の技術でも、最初は重さが2トン以上にもなってしまい、なかなか弾道ミサイルには搭載がむずかしかった。2トンもの重量を無理にミサイルに搭載しても射距離がずいぶん短くなってしまう。とても敵国の首都まで到達させられない。
 やっと1.5トンまで軽量化して中距離弾道弾に組み込むのに、中共でも数年かかった。(それでもまだモスクワには届かず、もちろん米国にも届かなかった。)
 1.5トンの弾頭重量を遠くまで飛ばせるミサイルを今、北鮮は、ひとつも持っていない。過去に遠くまで飛ばした北鮮のロケットのペイロードは、数十kgまで減らしてあった。ペイロードを減らしたミサイルをいくら試射しても、誰も恐れてはくれない。
 北京まで届く北鮮の弾道ミサイルのペイロードは1トン未満~500kgである。重さ何トンもある装置による「完爆」すらできていない技術水準の北鮮が、さらに原爆を重さ750kg前後にまとめられるようになるのには、「完爆」の達成のあと、さらに何年もかかるであろう。
 北京まで届く原爆ミサイルが完成した後から、ようやく「弾頭の水爆化」「その軽量化」と、「ロケット射程とペイロードの長大化」が図られる。もちろん狙いは米国東部ニューヨーク市だ。それには何年かかるか? 誰もわからない。
 いずれにしても、まず20キロトンの「完爆」から証明しなければ、北鮮は米国から相手にもされないだろう。大気圏内実験なら、米国も一目置くだろう。
 余談だが、日本は、1971年に中共が満州に「東風3」を展開したとき以来、東京が「水爆ミサイル」でずっと照準され続けている。中共は大気圏内水爆実験や、ミサイルに搭載して核弾頭を実爆させる実験までも繰り返している。そして現在の中共はまぎれもない「反日」だ。シナ人は皆、ジャパン・ヘイターである。
 この中共の水爆ミサイルの脅威に自衛隊はどう対処しているか?
 ゼロである。
 準中距離弾道ミサイル(射程3000~5000km)のスピードに、イージス艦から発射するスタンダードミサイルは、対応できないのだ。
 もちろんTHAADでも対応はできない。THAADによる準中距離弾道弾迎撃実験は、これまで一度もなされていない。
 おわかりだろうか?
 現実にはありもしない「北鮮の核ミサイル」とやらを脅威よばわりして大騒ぎする連中の狙いは、1971年いらい実在する日本国にとっての正真正銘の危険から人々の目を逸らせ、米国の兵器メーカーに日本人の血税をどんどん吸い上げさせるためのスキームに貢献したいだけなのだということが。
 イージスもペトリオットも、中共からの核攻撃から日本人を少しも守ってくれてはいないのである。それをマスコミも左翼も右翼も指摘することができない。
 これが日本人の理性の現実だ。