弱腰の指導者にアジア人はついていかないというマッカーサーの診断が当たった。

 Robert A. Manning記者による2016-10-20記事「The South China Sea enigma: The Fish Imperative」。
  中共の近海用漁船は20万隻ある。遠洋漁船は2460隻。
 漁民人口は1440万人。もちろん世界最多。
 水産物輸出高は2014年において200億ドルだった。
 シナ漁業の半分以上はじつは養殖。しかし水汚染でピンチに立たされつつある。
 中共政府は、漁民の持つ漁船のトン数が大きければ大きいほど、軽油燃料の政府補助を手厚くしてやるという振興行政をしている。
 沿岸天然資源は枯渇しており、5月から8月まで禁漁にしようという試みもある。
 他方で中共政府は、スプラトリー海域へ出漁する漁船には特別補助金を追加して与えている。
 この調子だと東シナ海と南シナ海の沖合い~遠洋漁業資源も10年以内に枯渇し、漁民は全員失業だろう。
 習近平は2013に海南島(海上民兵の本拠地)で演説した。海上民兵は南シナ海での漁業活動をリードするだけでなく、海洋情報を収集し、島嶼や岩礁の建設を支援しなければならない、と。
 インドネシア漁業省はナトゥナ諸島のEEZに無許可で入ったシナ漁船12隻以上を爆破している。
 2016-6月に国連農業機構FAOが主導した新漁業合意が発効した。29ヵ国とEUが署名している。シナは入っていない。
 この協定によると、すべての漁船は入港にさいして港湾から許可を得なければならず、違法操業の疑いのある漁船の入港(荷揚げ)を、署名国は拒絶できる。また署名国は臨検によって違法漁船をビシバシ取り締まらなくてはならない。違法漁船に関する情報は署名国間で透明に共有される。
 ※ドゥテルテに続いてベトナムまで北京に屈服してはまずいので、米政府は急遽、パラセル諸島で駆逐艦にFONOPを実施させた。
 それにしてもオバマ政権は手ぬるい。FONOPの頻度が少なすぎるし、米海軍高官に対しては中共批判をするなという緘口令まで出している。手ぬるいからフィリピンは見切りをつけて米国から離れた。当然のことだ。最前線なのに米国からの応援は及び腰なんだから。
 及び腰どころか、逆の攻撃も……。「裁判抜きの麻薬ギャング射殺行政はまちがいだ」と米政府関係者が公言すれば、それは旧宗主国としてドゥテルテを権力の座からひきずりおろすと宣言したにも等しい。ドゥテルテはダバオ市長時代からそれをやってきている。まさにそれで国民の人気者となり、その方針を熱烈に支持されて大統領にまでなっているのだ。とすればアイデンティティの全面否定ではないか。天安門で学生数千人を射殺するのとは事の性格が違うはずだ。
 だから次の米大統領がこの件に関して賢明に黙らぬ限り、ドゥテルテの比島と米国の関係はとうぶん修復され得ないだろう。
 比島人はもともとシナ人が好きではない。比島政府に中共を亡ぼせるだけの装備を与えれば、マニラ政府の態度もすぐに反支化する。その装備は、1個2000ドルしかしない沈底機雷を100個携行して浅海面に敷設できる1隻4億円の4人乗りミジェット潜航艇をたったの数十隻でいい。この装備は中共には致命的な打撃を与えるが、日本や豪州には致命的な打撃を与えない。日本はブーメランを気にしなくていい。
 しかしこんな援助を米国はアセアン諸国には決してしようとしない。なぜなら、米国はこれから30年間、東南アジア相手の商売で経済成長することに決めているから。中共とアセアン(または中共と日本)が戦争を始めるとその経済目論見が狂ってしまうのだ。だから日本にも絶対に尖閣にトリップワイヤーは置かせないわけ。
 このような脱モラルな経済目論見と経済最優先の外交姿勢が米国にあるため、米国政権は中共にはこれからも数十年、手ぬるいままであろうとドゥテルテにも予見できたのだ。ドゥテルテはヒラリーの当選も確信したのだろう。中共との戦争だけは死んでも避けるスーザン・ライス一派がまた4年から8年、米国の対外方針を領導するのだと。
 ちなみに1隻数億円で済むレジャー用の市販のミジェット潜航艇と沈底機雷で中共が崩壊することをわたしに教えてくれたのは台湾人だ。より正確に言うと、台湾がなぜそれを調達することを今まで意図的に避けているのかを調べているうちに、わかってしまった。台湾経済は1990年代後半以降、完全に中共市場にとりこまれてしまっている。いまでは、中共経済が崩壊しないことを念願する立場なのである。あっちの側の国なのだ。彼らは中共とは戦争はできない。それは北京もよくわかっているようだ。その関係を、中共は次は比島まで広げたいと念じている。ここは関が原である。
 したがって、いまや、マレーシア、ブルネイ、フィリピン等の対支の立場と、台湾の対支の立場は、利害が根本から対立する。マレーシア等は日本の擬似同盟国だが、台湾は、すでに敵陣営の仲間に入っている。日本がやるべきことは明らかだろう。
 日本がフィリピンに、警備艇やら哨戒機ではなくて、ミジェットサブを援助すれば、ドゥテルテは反米のままで日本の陣営に入る。それは日本に絶大なメリット(中共の滅亡)をもたらす。中共の核兵器の脅威からアジアは当分、解放される。これには予算は幾らもかからない。かつて三菱重工は『もぐりん』という40人乗りの観光用潜水船を7億円弱で建造したことがある。4人乗りなら5億円はしない。
 次。
 正直、キウイを舐めていた!
 レインボーレッドという、染色体がヘイワードの半分というかわりだねのキウイをもらった。食感はイチヂク。味は、とにかく甘い。
 キウイは野生のサルナシの仲間で、サルナシはヒグマの好物である。だから熊を呼び寄せてはまずいと思い、いままでわたしは庭には植えてこなかった。
 あと、オカワカメという未知の野菜も頂戴した。味は、チコリーよりも弱い苦味がある。このレベルの苦味だと一度にたくさん摂取するのに困らない。チコリーだとこの点、少々困る。
 これで次の農業家の課題が分かった。チコリーの苦味をオカワカメ並に緩和することだ。寒冷地でも放任で連年収穫できる宿根性の野菜に仕上がるだろう。