Andrew deGrandpre 記者による2016-11-27記事「Donald Trump could tap this tough-talking general to secure America’s borders」。
45年の軍歴があるジョン・ケリーは海兵隊大将を昨冬に退役した。最後の三年間は、グァンタナモの囚禁施設の長であった。閉鎖方針のオバマには反対する立場だった。だから共和党内に支持者がいる。
もちろんケリー大将はホワイトハウスの命令にしたがって、閉鎖の準備を進めていた。南方軍司令官だったので。
ケリー大将の主張。この囚徒らは戦争捕虜=prisonersではない。行政的拘禁者=detaineesである。
こやつらはひとりのこらず戦地から連行してきた。ひとりひとりに調書一冊が付属しており、悪事を為したことは疑えないのである。
いま66歳のケリーは、次期トランプ政権では、本土防衛庁長官、または国務長官に擬されている。
イラクのアンバル県で2年間、部隊を率いてスンニ派ゲリラと戦闘した経験ももつ。ラテンアメリカにもとても詳しい。そしてオバマ大統領のお稚児さんではなかったところが、トランプからは高く買われる。
ケリー大将の息子、海兵中尉だったロバートは、6年前にアフガニスタンで戦死している。
マティス海兵大将は、オバマのイラン政策に大反対だった。
マティスとケリーが定年前に除隊させられたのは、オバマの不興を買ったからだ。
共和党で連邦下院軍事委員会に属するダンカン・ハンター議員は、元海兵隊将校で、ケリーの下でイラクで戦闘していた。
サウスコマンド司令官としてケリー大将は、米国務省の高官たちよりも、ラ米の指導者層とは良い関係を構築していたという。
具体的には、ホンデュラス、グァテマラ、エルサルヴァドールという、人口当たりの人殺し率が世界最高水準の3ヵ国に対して、2014後半から2015前半にかけて10億ドル近い投資が米国からなされた。その蔭の斡旋人は、ケリー大将だったという。
ラ米を根源とする国際的組織犯罪こそは米国社会にとっての重大脅威なんだというのが、ケリー大将の認識。
ISに加盟した南米のイスラム団体が、各種密輸ルートを使って米本土に浸透しようとしているのだともいう。
ケリーは遊び半分の薬物濫用には大反対。
マリワナ合法化には反対。それはヘロイン、覚醒剤、コカインの撲滅運動を不可能にしてしまうから。
エルサルバドルやコロムビアの街角を観察していたら、これは断言できることなのだ。マリワナは、ヘヴィードラッグへの最短経路に他ならないのだ。
ボストン育ちのケリー大将は、典型的なニューイングランド男の発音で話す。
2015に統合参謀本部議長になったジョセフ・ダンフォード海兵大将とは、親友である
1970年代前半、ケリーは大学に2年間通学していたがまだ下士官だった。そこから少尉に進んだので、彼は兵隊の生活も知っている。
1971年の時点でケリーは20歳の歩兵下士官にすぎず、初任地はグァンタナモであった。
ケリー司令官は人権擁護団体をグァンタナモの中に招じ入れて、そこでは非人道行為は起きていないことを確かめさせている。またケリーはワシントンにあるホロコースト博物館の見学を部下全員に強制し、お前らが権力を濫用すればこうなるんだぞ、といましめていた。
ハンター議員はグァンタナモの維持を支持する。IEDを作っていたような連中を遇するのにここよりも適切な施設はないだろう、と。
ゲイツが国防長官だったとき、ケリーは4ヶ月間、そのアドバイザーだった。
失敗の可能性が高いヘリ急襲ではなく、安全なB-2からの2000ポンド爆弾でビンラディンを爆殺しちまうのがいいんだと考えていたゲイツを翻意させたのは、マイク・ヴィッカースとマイケル・フローノイの2人だったとゲイツが証言する。その2人をゲイツのオフィスに連れてきたのはジョン・ケリーであった。
オバマによってケリーがサザンコマンドの司令官に据えられたのは2012のこと。
不法移民問題のピークは2014。メキシコ国境から女子供とともに麻薬が大量に米国内へ入ってきた。
ケリーは断言した。コカインの多くと、ヘロインの全量は、メキシコ国境から入って来ている。
メキシコ領で製造されている覚醒剤は、南西国境から入ってくる。