世界でいちばん抜けたい儒教。

 Saagar Enjeti 記者による2016-12-1記事「Jim ‘Mad Dog’ Mattis Once Wrote A Letter On The Importance Of Reading, And It’s A Must Read」。
   マティスは2004に、忙しい将校たちのために軍事史の読書指南を書いてやっている。これは同僚から頼まれて書いたものだという。
 その内容……。
 忙しくて軍事史の本は読めないという若い将校は深刻な問題に直面するぞ。そういう者たちは、常にみずからその場で「体験学習」することしかできぬわけだ。
 もし、戦場でキミらの方が敵より未熟だったなならば、キミらは敗北し、その結果として死が与えられ、二度と体験学習のチャンスは来ない。
 読書だけが、他者の経験すべてを真剣勝負の前にさっさとぜんぶ自分のものにしてしまえる方法なのである。
 わたしは読書のおかげで、これまでの軍歴中いちども、問題の海の中に沈められて身動きできなくなったことがない。
 読書はすべての答えを教えてくれはしないが、今の苦難と暗闇が、あとどのくらい続いて終わるものかという見当を、キミたちにつけさせてくれるだろう。
 過去のアフガニスタンで帝政ロシア人や英帝国軍はどんな苦労をしていたか。これをスリムの本で読んでいたことがどれほど役に立ったか。
 ※マティスが英国留学したことがあるのかどうか知らないが、圧倒的に英国人から影響を受けていることがわかる。読書量を誇っているようだが、マインドセットは英国式の鋳型ではないか? このレベルの人物のセクデフ就任をいちばん喜ぶのは英国だろう。すくなくとも大統領へのつなぎ役にはなってくれるから。
 イラクに行くなら、第一次大戦中の英軍がアルクットで体験したことが書かれている『被包囲戦』という本が、野戦級指揮官の役に立つ。
 戦間期以降のイラクの建国については『ベイルートからエルサレムへ』や、T.E.ロレンスの『智恵の七柱』などから学べる。近代イラクをネイション・ビルドしたのは、ガートルード・ベルという英国の考古学者だったのだ。
 リデルハートがシャーマン将軍について書いた本、フラーがアレクサンドロスについて書いた本、すべてイラクで役に立った。
 アレクサンドロス大王の昔から、中東は何も変わっちゃいないんだ。
 われわれは中東で15年間戦争しているんじゃない。我々は中東で5000年間戦争をしてきたのだ。
 読書しなければそこが分からない。読書すれば5000年の経験はキミの武器となるのだ。
 将校は部隊にふりかかる危険を予察しなければならない。戦場には危険を知らせるサインがあるものだ。そのサインを感じ取る力は読書によって身につく。
 湾岸戦争でクウェートに行く前には、『ロンメル・ペーバーズ』、モンゴメリーの『アイズ・オフィサーズ』、グラント将軍が同僚指揮官とどう関係調整したかについて教えてくれている本を読んだ。
 ※WWII中の北阿戦線について1974頃に資料フッテージをふんだんに使って制作した英国のTVドキュメンタリーを先月、ケーブルで視聴したが、あらためて大発見したのは、ロンメルはPKのムーヴィカメラの前で「演技」していたってこと。絵になるように大げさに上半身を動かしてくれていたんだよ。さすがです。あと陸自のアフリカ派遣部隊は「私の中の寄生虫」シリーズは渡航前に必見でしょうね。早回しで。
 次。
 David Brunnstrom 記者による2016-12-2記事「British fighters to overfly South China Sea; carriers in Pacific after 2020」。
  駐米英国大使が明言。英空母が2020に南シナ海でFONOPをしようじゃないかと。
 10月に日本に4機やってきたタイフーンも、途中わざわざ南シナ海と東シナ海の上空を飛んで、中共に警告を与えていたのだという。
 2020には英空母は新鋭艦×2隻になる。
 ※英国はブルネイの防衛にコミットしているので、じつは太平洋国家でもある。中共は英空母が出てくる前にADIZを南シナ海に宣言したいところだろう。あとCSのケーブルTVで感心したのは、東部ニューギニアの部族が村はずれで余所者を「鳴弦」によって一回脅かしているシーンだった。まさに百聞は一見に如かず! つくづく思った。この2010年代にケーブルも衛星も視聴しない世帯が日本国内に7割もあるそうだが、腐れ政治家に投票したくなる有権者をつくる「奴隷蜂化ホルモン」はそのTV環境だと。現代人の最も無駄な一生は、地上波しか映らないテレビを与えられることからまず始まるのだ。ちなみに障害者施設等に関してはBS視聴料が無料になる制度があるようで、たとえば老人介護施設でもBS番組は見放題である。が、生涯の終末には、それがもはや救命の気付け薬にはなってくれない。