11月下旬の東風21×10発斉射について新華社は標的はアジアの米軍基地だと解説。トランプはこれに怒って蔡と電話したのか。

 Charlsy Panzino 記者による2016-12-3記事「The Army is developing ‘comfortable’ flame-resistant wool for its combat uniforms」。
  マサチューセッツにある米陸軍の研究開発センターはこのたび、ウール50%+ノーメックス42%+ケヴラー3%+「P140非帯電繊維」3%の混紡で、防炎+通気+毛管作用発汗の機能すべてを格段に向上させた軍服生地をこしらえた。
 すでに米陸軍はこれの特許を取った。そのくらいすごい。
 特にノーメックスとP140が決め手だった。
 ウールにはすぐれた防熱性がある。合成繊維のように溶けて高熱の滴になって皮膚を大火傷させたりしない。表面から炭化し、皮膚との間になおも空気のスペースを保ってくれるのである。
 IEDが炸裂すると付近の空気は瞬間に高熱化する。このとき着衣に合繊が入っていると、ドロドロに溶けた繊維が皮膚に密着し、離れない。おそろしいことになる。軍服は、単に燃えないというだけではダメなのだ。溶けない生地でなくては。
 特別な飼料で育てたランブイエ羊から採取される毛は、繊維が極めて細く柔軟で、粗悪なウール地のようにチクチクすることはない。
 すでにこの新繊維、2015夏のドイツ演習で米陸軍部隊100名に実験的に着せてみた。わざと暑い時に。
 評判は上々である。
 1994の「Berry法」により、米兵用の服地はすべて国産品を使わなければならない。よってランブイエ・シープも米国内で飼われている。
 ※われわれが耐火について自然界から学ぶならば、山火事の後に勢力を拡げる戦略を採っている植物の樹皮や種子の構造がきっと参考になるだろう。たとえばコルク質は耐熱であるだけでなく、赤外線輻射もマスクしてくれるはずだ。不意に核攻撃を受けたとき、軍服・軍装が隅々まで耐熱の配慮をされているかどうかで、わが部隊の生残率はぜんぜん違ってくる。
 次。
 期待以上の好著だった。フレッド・ピアス著『外来種は本当に悪者か?』。原題は“THE NEW WILD”。
 7月に訳刊されていたようだが、それを遅れ馳せ乍らアマゾンで取り寄せて一読。まさに我が意を得た。
 これから全国規模で自然災害が荒れ狂う。それは一過性では済まない。自今、毎年毎年かならずどこかに襲来するようになるのだ。猛度も漸増して行くはずだ。
 想定外災害で大撹乱された地域の自然は、外来種の助けなしでは最短時間に復活できるものではない。
 そして記録破りの災害の連打でダメージを蒙る地域の農林水産業も、外来種が救ってくれるかもしれない。
 本書は《環境過保護運動》の連中をナデ斬りにしているところは痛快なのだが、農林水産業に関する視点はゼロ。ここが学者たちの精神世界の異常なところだ。人々の生活に大いに関係があるのに、大学の学科がクロスしないとなったら、まるでスルーしていて平気という……。
 国民の究極の食料安保の視点から、「今から外来種をどんどん日本の原野山林の中へ積極的に放っておきなさい」と主張しているのが、拙著『兵頭二十八の農業安保論』である。