離島では「SM-6」を地上発射式にする価値があるだろう。それ1セットで離島防衛完了かも。

  James Hasik 記者による2016-12-20記事「Future Underwater Drone Warfare?」
  騒がれた水中無人グライダーの品名は、おそらく、ウッズ・ホール・オセアノグラフィック・インスティテューション社が設計して、テレダイン・ウェブ・リサーチ社で量産中の「Slocum」であろう。
 スロカムというのは、カナダ系米国人探検家のジョシュア・スロカムからとられた名である。彼は36フィート長の『スプレイ』というミニ艇でたった独りで世界一周を果たし(世界初)、そのあと1909-11に海上で行方不明に。彼はカナヅチであり、艇だけ発見されたことから事故死したものと推定されている。
 げんざい米海軍は150機もの「スロカム」を保有している。それとは別に、リキッド・ロボティクス社製のアナログの「ウェイヴ・グライダー」もごく少数、持っている。※現今の類似製品の始祖鳥のようなもの。
 NOAA(アメリカの気象庁)も無人潜航艇を複数運用している。
 市販の民用水中ロボットでいちばん大型なのはたぶん、スクリップス・インスティテューション・オヴ・オシアノグラフィー社製の「リバーデイド」級であろう。これまた、ジョン・スロカムの生前の乗艇の名を頂戴したものだ。
 どの製品も、航進速力は1ノットか2ノットだ。しかしそのスピードで何ヶ月でも活動し続けられる。
 海軍の水中グライダーは、水面に達したときに、衛星電話でミシシッピ州セントルイス湾にある海軍の中央コントロール局へ報告を入れる。
 漁網にかかるのはしょっちゅうなので、海軍の水中グライダーには銘鈑がついており、そこには海軍グライダー・オペレーション・センターの電話番号とメルアドも記され、そこに連絡を入れてくれるようにと書かれている。※原文にはその番号すべてが紹介されている。
 記者は海軍長官の元補佐官から直接聞いたことがあるが、これら水中グライダーから得られる「秘密」はほぼ何もない。塩分濃度、水温、水質に関するビッグデータ収集の端末のひとつにすぎないから。トランプがいうとおり、返してくれなくてもいいよといえるくらい、困らない。
 ※うたがいなく中共は、中共の気象庁に命じて、全くNOAAと同じ海洋調査活動を始めさせようとしているところだろう。
 今月前半、ボーイング社は、リキッド・ロボティクス社を買収することで合意した。
 ただし加州のサニーヴェイルにある同社の施設は移転しない。すなわち、ボーイングが2008に買収している無人航空機メーカー「インスィテュ」社〔スキャンイーグルの製造元〕と同様の育て方をして行くつもりなのだろう。
 親会社のボーイングが軍との契約をとりむすび、子会社のベンチャーたちが、今までどおりの環境で、受注された斬新な無人兵器開発に専念するという、ゆるい結合のビジネスモデルだ。
 ボーイング社自身、これまで、大型の水中無人機をいくつか試作してきた。18フィートの「エコー・レンジャー」、32フィートの「エコー・シーカー」、51フィートの「エコー・ヴォイジャー」だ。
 「エコー・ヴォイジャー」は大量の燃料を搭載し、6ヶ月間自律的に7500海里も動きまわることができる。
 これはディーゼル発電機をもっていて、ときおり浮上して発電し、また潜航するのだ。まるっきり有人潜水艦のミニチュア版だが、人を乗せないので安全係数など気にする必要なく、いかなる有人の軍用潜水艦よりも深く潜れる。酸素なしでも困らないから連続潜没時間はリミットレス。
 理論上、この無人潜水艦は、中共海軍の水上艦や潜水艦を、数週間にわたって尾行できるのである。
 ※むしろチョークポイントでの待ち伏せに使うのだろうね。CAPTORと組み合わせれば、こっそり出没する機雷と同じ。そして豪州には朗報。この無人潜航艇があれば、有人潜水艦は要らないだろ? 人手不足問題は、一挙に解決だ。
 ※TVドラマの『リミットレス』の第一回で、なぜインド人は米国内のビジネスで成功できる頭脳を持っているのかという、成功できない白人青年からの疑問が反映されていたのが、なるほどと思わせた。『CSI NY』最終シーズンにもたしか、進学校のテスト集中のために覚醒系ドラッグが密売されているというエピソードがあった。こうした米国のブームが知らないうちに日本にやってきていたのだろう。そして日本の警察官は『刑事コロンボ』ではなくて『CSI NY』を視て証拠品の取扱流儀について学んでおかなくてはダメだろう。もちろんDNAは数時間じゃ解析され得ないけどね。