トヨタはニッチ車種の専用子会社を合衆国本土(たとえばマケイン上院議員の地元アリゾナ州)に新設するのが宣伝上合理的だ。

 米国市場が潜在的に求めているのに今までは供給が存在しなかったニッチがある。それは、「核攻撃を受けたときに頼りにできるファミリーカー」だ。全米の「サバイバリスト」がこれを争って買うだろう。トランプを支持している層は、サバイバリストに完全に重なるのだ。
 「自動運転電気自動車」などとは正反対の方向性こそが今、求められている。いかなるEMPをくらってもエンストしないことが肝要だ。そのためにはエンジン周りから電気部品は徹底的に排除する。
 イグニッションも使えないから、最も原始的な副燃焼室付きの多燃料ディーゼル・エンジン。それでも今日の最先端素材を前提とし最新ノウハウで一から設計すれば、かなり軽量化はできるだろう。
 コモンレールによる直噴制御が使えないのだから、とうぜん排ガスは悪くなる。欧州へはまず輸出は不可能だ(だからアリゾナ州でもいい)。しかしトランプ政権は、サバイバリストのためならば国内環境基準を緩和するだろう。
 エンジンスターターは、クランク。ただし直接に主エンジンを始動するのではない。大型旅客機の尾部APUと同じだ。まず、サブ動力の超小型ディーゼル発動機を手動でスタートする。それで主エンジンがいつでもかけられるようになる。
 フライホイールと組み合わせれば、クランクは車内で片手で回せるサイズにできる。
 このAPUが停車中のエアコン運転に重宝する。もちろんNBCフィルターが付いているのだ。
 ウィンカーすらも手動方向指示器を選べるオプションがあるとウケるだろう(昭和30年代のトラックには付いていた)。
 宣伝で大事なのはタイミングとインパクトだ。くだらない理屈をこねまわして強敵に餌を投げ与えるな。阿呆しかいねえのか。
 次。
 JOSH ROGIN 記者による2017-1-6記事「Sources: Mattis clashing with Trump transition team over Pentagon staffing」。
  マティスはトランプ以降チームが挙げてくる国防総省高官補職者リストを片端から拒絶しているらしい。マティス対トランプ側近どもの大衝突だ。
 風向きが変わったきっかけは、トランプが次期陸軍長官として、大富豪の元陸軍将校、ヴィンセント・ヴァイオラを就任させるつもりだとマティスが承知したときだ。
 マティスはこの人事案にとても怒った。
 マティスは、国防総省の関係高官は、全員、じぶん一人に忠誠を尽くすべきであると信じている。勝手にホワイトハウスと直結して事を進めそうな人物は、三軍長官等として、とても許容はできない。
 選挙期間中「トランプだけは絶対にいか~ん」と叫んでいた共和党の有力者たち。じつはマティスはそんな中からも何人か、抜擢して部下にしたいと考えている。だがこんどはトランプ側近が、そのような人選には猛反対。
 米国では国防長官の下は副長官(1名)、その下が次官(複数)だが、その軍情報幕僚格の次官のポストが焦点。
 トランプの安全保障顧問のフリンは、現役時代に、DIA長官だった。しかし、国家情報局長のジェームズ・クラッパーによって逐い出されてしまう。そのきっかけは、フリンが、軍情報次官のマイケル・ヴィッカースと口論したことだった。
 マティスが反発している、もうひとつの、トランプ側近からの人事案。ミラ・リカーデル(♀)を、国防長官の政治担当次官に据えようという案。
 とにかくマティスは、選り好みがうるさい。
 トランプ側近は、国防副長官(マティスのすぐ下のナンバー2となる)には、ヘッジファンドの経営者で元陸軍将校のデヴィッド・マコーミックを入れたがっている。
 マティスとフリンの元軍人同士の暗闘も始まっているようだ。フリンが中将でDIA長官だったとき、マティスは中央コマンド司令官の大将だった。
 マティスは主要閣僚としてNSCに連なる。かたやフリンはトランプに個人的にアドバイスできる立場。
 フリンは今、NSCメンバーの人選で忙しい。
 別報によれば、フリンはNSCのアジア部長として、マシュー・ポッティンガーを起用したがっている。
 ポティンガーの前歴は『WSJ』紙のアジア担当記者。ただし2005年に海兵隊員に入り、アフガニスタンで情報将校を務めている。そしてフリンと共著で、いかにしてアフガニスタンで情報作戦を進めるかというメモを作成し、それはシンクタンクから2010に公刊されている。
 フリンは、セバスチャン・ゴールカをNSCの核問題担当者として起用したいらしい。ゴールカは、ハンガリーから英国に亡命した両親の子で、英国籍であり、今は国際政治研究所の副所長の教授である。
 フリンはNSCを元軍人と軍事問題専門家だらけにしたがっている。
 フリンの筆頭助手であるK・T・マクファーランドは、NSCにはもっと純文民を増やさねばならぬと考えている。
 なおトランプ政権は、いま400人を越えてしまっているNSCスタッフを150人まで減らすであろう。