フィリピンとロシアは地政学的に対立点はないので軍事同盟はいつでも可能。ただし露人から比人へのリスペクトは薄い。

 David Sharp 記者による2017-1-8記事「Navy, Trump Planning Biggest Fleet Expansion Since Cold War」。
  海軍が調子に乗って12月に揚言した355隻体制の理想。これを実現するには今の海軍予算である年55億ドルにプラスしてさらに50億ドルも余計に必要となる。
 ヴァジニア州の造船所には、空母1隻を含む47隻。
 メイン州(バース鉄工所)とミシシッピ州の造船所には、大型水上艦16隻。
 コネチカット、ロードアイランド、ヴァジニアの原潜造船所には18隻のSSN。
 他に、強襲揚陸艦、遠征作戦用海上中継ドック、支援艦船などが全米の造船所に発注されるだろう。
 水兵も増やされるから、1人あたりの年間艦隊勤務日数が短縮される。フネがドック入りするために艦隊に開く穴も埋まりやすくなる。
 海軍はいま、一線展開可能な戦闘用艦艇を274隻、持っている。本来の目標は308隻なのだが、それには足りていない。
 6000名を雇用しているバース鉄工所を保有しているジェネラルダイナミクス社の株は、トランプ当選で上がった。
 同じく、コネチカット州にあるイレクトリックボート社(原潜建造所)、加州にあるNASSCO社、ヴァジニアとミシシッピに大造船所を抱えるハンチントンインガルス社の株も。
 ※勝った官軍にはまず「恭順」しておいて、そのあとから対策を考える。
 350隻海軍の原資は当面はF-35予算の切り崩しで捻出するしかない。全米の雇用力ではさしものロッキードマーチンといえども造船所群には勝てない。となるとロビーイング反撃しても無駄だ。だからロックマートの社長は自ら「F-35を値下げする」と素早く発表し、官軍からの矛先をタイムリーに逸らした。そのうえで百般の「反論」の小理屈は、子飼いの「専門家」たちのウェブ寄稿に任せている。いくら値下げするのかは言わない。値引き幅がたったの1セントでも、嘘をついたことにはならない。これが世界に通用する政治宣伝技法だ。
 それに比べてトヨタ自動車は……。
 ショボい新工場でも合衆国内に1つ新設するとアナウンスすれば、そのインパクトはすべての悪感を払拭する。名辞が大事だ。実質はどうでもいい。そこが直感的に覚れない。
 日本にはいつまで経っても真の宣伝家が育たぬことが痛感される。コメントを期待された社長が率先して小理屈を捏ねていてどうするんだ? そんな仕事は英字新聞の社説欄に委託すりゃいいんだよ。まずはインパクトある内容の、即時的な発表で強敵の攻撃の矛先を逸らしてやる。維新時の小藩の家老と同じこと。それが大会社の社長の仕事だ。その才能がないなら、日々いつもその宣伝を考えていないなら、何のために給料を貰っているのだ?