ラリッくまを止めろ!

 ROBERT BECKHUSEN 記者の記事「So, Was Tom Clancy Right That the Soviets Could’ve Invaded Iceland? Yeah, probably」。
  2013年に死んだトム・クランシーは1986に『レッド・ストーム・ライジング』を書き、ソ連が通常戦争を決意し、1個連隊でアイスランドを占領すると予想した。
 小説では、ソ連軍は民間のバージ船〔ランプドア付きのフェリーのことか?〕にホバークラフトを隠して奇襲。アイスランド駐留の米海兵隊中隊は蹴散らされる。
 ケフラヴィク基地のF-15も離陸前にミサイルでやられる。
 なんか唐突で、主人公にのみ都合のよい筋立てだったが、ロシア軍の専門家であるフィリップ・ピーターセンが2014に書いているリポートによれば、そんな作戦もじっさいに可能らしい。
 ピーターセンは、いかにしてスカンジナビアを露軍から防衛できるかを論じているのだが……。
 アイスランドを占領もしくは無力化することで、ロシアはスカンジナビア諸国の海上連絡線を遮断し、NATOからの援けを得られなくしようとするはずだとピーターセンは指摘するわけ。
 トム・クランシー先生は荒唐無稽な思いつきを書いていたわけではなくて、何かインサイダー情報の根拠があったのかもしれない。
 現在、NATO軍はアイスランドには最小限の兵力しか置いていない。アイスランド国内にはNATOへの関わりを減らすべきだとする政治会派があって、政情を不安定にしかねないので。だから露軍が付け入る隙は在る。
 もしもNATOと露軍の間で先端がひらかれたら、NATOはアイスランドにまとまった兵力を送り込まなくてはならない。さすれば露軍はアイスランドの無力化は諦めよう。
 しかしそうなる前になんとかする方法が露軍にはあるのではないか?
 じつはWWII中にソ連軍は、小部隊をノルウェーに送り込んで、独軍の動静をスパイさせていたことがあった。コマンドー作戦については、素人じゃないのだ。
 それを証明したのが2014のスペツナヅによるクリミア切り取り作戦である。
 アイスランドはパラシュート降下にはまったく向いていない。横風が常に強く、岩石帯に荒く叩きつけられるのがオチなので。
 しかしピーターセンによれば、潜水艦で密かに島に接近して、5人~12人一組のスペツナズをフィヨルドから上陸させれば、アイスランドの要点は占拠できるという。
 たとえば、冷戦中からソ連の爆撃機を見張っていたレーダーサイトがあるホフン基地など。
 ※プーチンはこんどはリビアの特定グループを支援してリビアを「シリア化」したいらしい。ふざけんなよというわけで、オバマは最後にB-2を投入して脅しつけたわけである。すなわちモスクワとトランプに対する政治的メッセージ。兵器の実験がどうのとか、日本には阿呆解説者しかいねぇのか???
 次。
 Hope Hodge Seck 記者による2017-1-20記事「New Composite Fabric Could Make Plate Carriers 40 Percent Lighter」。
  ラスベガスで開催中のショットショーにハニウェル社が展示した「センチュリオン」という新素材防弾プレート。非常に軽量で、ボディーアーマーの挿入板の重量を数割は軽減できるという。
 「スペクトラ」というポリエチレン繊維は、同じ重さの鋼鉄の15倍強く、しかも比重が1よりも軽いので水に浮く。しかも裂け難い。
 ※米海軍は不燃性の作業着を今年の末までに艦隊勤務の水兵たちに支給するとしている。新素材が、貴重な少数の人的戦力を守ってくれるのだ。