関東軍は最後には朝満国境に立て籠もるつもりだった。中共もそれを考えているのだね。

 ストラテジーペイジの2017-1-26記事。
   ロシアメディアの説明によれば、このたび哈爾浜に現れた「東風41」は、最短有効射程が3000kmなので、それより近間のシベリア各地にとっては脅威ではない、という。
 事情の分っているロシア人は言う。中共は米国と核の投げ合いをしても勝負にならないが、ロシアとなら勝負できるのだと。
 また、シナ人の真の狙いは核戦争よりもその人口によってシベリアを征服することなのであると。
 中共のこうした動きはロシア国内の世論を痛く刺激する。ロシアにとってのリアルな脅威は中共だけだと多くのロシア国民は考えている。
 イラン、ロシア、トルコから支援されたアサド政権は、アレッポの回復後、シリア北東部(ハマ、ラタキア、イドリブの3州)の反政府ゲリラ掃滅に作戦重点を移しつつあり。
 この3州では、アサド支持はがんらい堅い。
 トルコは、この3州から、親PKKのシリア内クルドを追い払いたい。
 その焦点は、アレッポの西にあってトルコと接壌するイドリブ州。
 トルコ陸軍に、ロシア空軍がCASを提供中である。
 この3州には反アサドのゲリラは多いが、ISはほとんど居ない。
 他方、シリア東部(ラッカなど)にはISが蟠踞中で、これを、クルド軍、イラク政府軍、西側干渉軍は、片付けたい。
 トルコ国民の間では、イランやロシアやアサドとつるんでいる政府方針への反発が根強い。いずれもトルコ人にとっては伝統的な「敵」であるから。
 アサドやロシアよりも、簡単に約束事(たとえば停戦協定)を反故にするのがイランである。というのもイランは政府の上に聖職者がいて、政府の決定を宗教の理屈で覆すことが平気でできるのだ。トルコは宗教独裁政体ではない。
 2016年のウクライナのGDPの伸びは1.5%だった。おそらく2017には3%になってくれるだろう。ちなみに2015のGDPはマイナス10%だった。
 2017-1-19にウクライナ警察は、イラン向けの航空貨物の中に禁制品の航空機部品らしきものを発見した。
 調べたところ、それはロシア製の古い対戦車ミサイルの部品だと判明した。
 イランは、対戦車ミサイルも自給しづらいくらいに国連制裁で困っているのだ。
 ロシア、トルコ、イランは「不自然同盟」の関係にある。歴史的にこんな関係は持続しないと分っている。しかしイランは過去に、不自然同盟を何度も利用してきた。
 カザフスタンの首都アスタナ市では、ロシア、トルコ、イラン、アサド対シリア国内ゲリラ諸派の和平会談が、2017-1-23にスタート。
 2日間開かれたが成果無し。
 米国が加わることをロシアは望んでいるが、イランと、トランプは、米国の参加を望んでいない。
 米国はオブザーバーも派遣しなかった。
 ゲリラはテロと無縁なFSAだけが招待された。
 アーラーアルシャム、ファターアルシャム戦線、そしてクルド軍は招待されず。もちろんISも呼ばれず。
 もしシリアが平和になったらどうなるか。まずアサドは不起訴特権を頂戴してどこかの外国へ安全に亡命。平行してシリアで総選挙が実施されるだろう。
 ISはシリア領内には支配域を持つことを許されない。
 2017-1-13に、イスラエル北部から地対地ミサイルが発射され、ダマスカス郊外のメザー空軍基地に着弾した。破壊されたのは、イランから空輸されてきた、衛星誘導式の地対地ミサイルだった。
 ロシアは、イスラエル軍が、シリア内のヒズボラがイラン製の地対地ロケットを発射してくる前に、それを先制爆砕してしまうという作戦方針について、ずっと黙認をしている。イスラエル内にはおびただしい「旧ソ連国民」がいるので、こうしたディールは簡単に成立するのだ。
 イスラエルは2016-12-28に偵察衛星の写真を公表。ロシアがシリア領内の基地に、イスカンデル(SS-26=9M723K1)の発射車輛を2両、持ち込んでいることがわかった。
 たぶん、ラッカに打ち込んで、「実戦デビュー」させておくつもりなのだ。
 1996デビューのイスカンデルは、射程が500~700km、弾頭重量が710kg=1500ポンド、全重4.6トン。固体燃料である。
 終末誘導を赤外線画像マッチング式としているので、10mしか目標から逸れないと言われているが、実戦でまだ立証されていない。
 発射車両は8×8で自重40トン。
 露軍への配備は2005から。
 2017-1-24に露軍は6機のトゥポレフ22M3=バックファイアC爆撃機を、4機のスホイ30SM戦闘機に護衛させて、コーカサスの空軍基地から飛ばし、シリア東部のIS拠点を空爆させた。
 ※長距離行動だが、バックファイアの空中給油はしていないと考えられる。それは米ソ条約により、取り付けられないはずなのだ。
 バックファイアによるシリア空爆は2016半ば以来、数十回におよぶ。2016には誘導爆弾を投下したこともあったが、この頃では無誘導爆弾に戻っている。誘導爆弾とスペアパーツが不如意なので、露軍はシリアから撤収したい。
 2017-1-11に空母『クズネツォフ』艦隊はリビア東沖に到着。艦載ヘリによって、トブルク市から、有力頭目カリファ・ヒフターとその側近らを空母に運び、儀杖隊が出迎えた。
 ヒフターは衛星回線を使ってロシアの国防大臣とビデオ会談した。ヒフターは、国連による対リビアの武器禁輸をロシアが無視して自分たちに武器を援助してくれと欲している。
 ロシアは援助する気満々である。※リビアの石油収入が武器と引き換えに手に入るので。
 リビアでは2つの「政府」が並び立って抗争しているが、ヒフターは東リビア域を支配する陸軍軍人である。
 ヒフターはモスクワには2016-6と2016-11の二度、訪問している。
 ヒフター軍閥はエジプト領内にまで勢力圏を及ぼしている。そこで密輸業もできる。
 ロシアはヒフター政府のために「新札」まで印刷して供給してやっている。
 米軍は、死んだIS兵士の携帯電話などから、IS兵士の妻たち、未亡人たち、その子供たちの動静をかなり把握している。その完全リストがデータベース化されつつある。
 この女たちがもし外国の国境を越えようとすれば、このデータベースと照合されて、拒絶される。
 ただし偽IDを使えば、それまでだが。
 実家に子供とともに帰れるようにしてやるともちかければ、これら未亡人たちはかなりの情報を話してくれるという。
 次。
 David Brunnstrom 記者による記事「Trump nominates businessman with Asia background as Navy secretary」。
   あたらしい海軍長官は、フィリップ・ビルデンになりそう。中共に詳しい、元情報将校。
 いま290隻ある米海軍艦艇を350隻にするとトランプは言っているところ。
 ちょっと前の新聞辞令では、次期海軍長官としてランディ・フォーブズの名が挙がっていた。下院軍事委員会のシーパワー小委員会議長だった、シナ批判の先鋒の元議員。
 ビルデンも連邦上院で承認される必要がある。ビルデンは過去に政府高官の経歴は無い。海大でサイバー安全保障を教えていたことあり。今はビジネスマン。
 前のNATO司令官のジェイムズ・スタヴリディス提督は、この人選に文句が無いそうだ。ビルデンは中共に詳しいが、決してシナ人とベタベタではない。南シナ海問題ではもっと米国は強硬になるべきだとビルデンはスタヴリディスに語っていたという。
 ビルデンは1986から1996まで陸軍予備隊の将校。退役後にハーバーヴェストという民間エクイティ会社を設立。その支店は香港にある。