経常黒字を減らせという批判には、日本製武器の対外無償援助(Ordnance Distribuiton Aid)=新ODAが、最善回答だ。

 ストラテジーペイジの2017-2-19記事。
   2011年に、アムラームのためのロケットモーターを納入していたATK社の製品が不良だと分った事件。新環境規制に合わせることに失敗し、高々度の低温環境では信頼性が低くなるというものであった。米軍航空隊の全AMRAAMを検品し直す騒ぎとなった。
 もちろんメーカーはすぐに修正しようとしたが、それには何年もかかった。
 そのため、新規にアムラームを発注していた台湾、UAE、フィンランド、韓国、モロッコ、チリ、ヨルダン、クウェート、シンガポール、トルコの空軍へのレイセオンからの納品は滞った。
 ATK社はスパローの推進薬も製造していた。これも製造ラインがストップした。
 そこでNammo(ノルウェー弾薬製造)社が2013年前半から、月に100本分のモーターを米軍に納入するようになった。
 1年後に、レイセオン社の受注残はだいぶ捌けた。
 ATK社が問題を解決できなかったので、けっきょく米国防省は、ノルウェーのNammo社に頼み、米国内に同社の推薬製造工場を建設してもらうことになった。
 そのあとからATK社も問題を解決したが、時すでに遅し。弱小メーカーだったNammoは、2年のうちにすっかり米軍航空隊ミサイルのモーター部品シェアを奪ってしまったのである。
 米国メーカーは、Nammoを米軍御用から締め出さんと、連邦議会議員に賂いして、「排除法」を通そうとした。これは失敗した。
 米軍は怒っている。米国内軍需メーカーは、米軍から欠陥を指摘されると、それを修正しようとせず、逆に議会議員たちを抱き込んで国防総省を黙らせようと計るのだ。これは他の兵器でも頻発しているパターンである。
 米軍航空隊はこれまでに幾度、欠陥品の買い上げをキャンセルして、その軍需メーカーを裁判所に訴えねばならなかったか、知れない。一向にトラブルは減っていない。
 次。
 Jeff Mason 記者による2017-2-18記事「Trump says he’ll decide on national security adviser in next few days」。
 国家安全保障問題担当補佐官を誰にするか? M・フリンの退場いらい、トランプは4人の候補と面談するつもりだ。
 キース・ケロッグ。
 ジョン・ボルトン。
 陸軍の訓練とドクトリンのコマンド幹部だったH・R・マクマスター中将。
 元ウェストポイント校長のロバート・カスレン中将。
 このうちの一人に決まるだろう。いまから2日以内に。
 前のNSC筆頭者キース・アレグザンダーや、前の陸軍参謀総長だったレイ・オディエルノも、選考されている節はある。
 ペトレイアス元CIA長官は、すでに候補リストには無い。
 最初に声をかけられた、ロバート・ハワード退役海軍少将は、家族や経済的な問題を表向きの理由として、就任を断った。
 実情は、ペトレイアスもハワードも、NSCメンバーの人選についての決定権を持たせてもらえないのなら、安全保障担当補佐官になどなってもしょうがないと考えたので、誘いを拒否したのだ。そしてトランプは、人事決定権を誰に対しても持たせたくはない。
 マクマスターは、「現代最後の大戦車戦」だと考えられている、1991におけるサダム親衛機甲部隊との交戦を、第二装甲騎兵連隊の一指揮官(大尉)として体験している。
 ※つまりパットン好きのトランプが「現代のパットン」として起用したがっているということ? そんな阿呆な理由だとすれば逆に信憑性が高い。こいつなら人事権をくれなどとも要求はしないだろう。
 ウェストポイント卒のカスレンは2011-9-11にペンタゴンの航空機特攻現場に所在し、崩れたビルの中から負傷者を探して救出する手伝いをしたことがある。「クリスチャン・エンバシー」(以前は「キャンパス・クルセード・フォー・クライスト」と称した)という宗教団体のプロモビデオに出演し、国防総省の倫理規定に違反している。
 ※米国有数の金持ちの「顔の広さ」がこの程度とは呆れた。ビジネスで成功しようと思ったら、世界の把握は諦めなければならないようだ。同じ金持ちでもビル・ゲイツは少しは高所から物を見ている。核兵器よりも遺伝子組み換え生物兵器の方が世界にとっては危ないと彼は各国政府に警告中である。日本はいちばんこの分野への投資が遅れているよね。