月刊『BAN』の刑務所アイドルと累犯障害者の話にはひさびさ感動しました。

 Jill Aitoro 記者による2017-2-20記事「Russia’s Rostec to co-develop 5th-gen fighter with UAE」。
  ロシアの軍需企業ロステックの社長がアブダビにて、UAE国防省と共同で第五世代の軽戦闘機を開発したいとメディアに対して表明した。
 双発のミグ29をベースに、2018から開発開始し、8年以内に完成させたい。 製造工場はUAE内にも置くであろう。
 GCC諸国はそれを買えるだろう。
 このJVを、ロステックとUAE政府の協働とするのか、それとも、ロステックとUAE内の私企業の協働にするか、それは未決定。
 ロステックはすこし前、インドの第五世代中型戦闘機の開発にも協力したいと語っていた。
 ロステックはインドネシアにスホイ35を売る商談も進めているところである。
 エジプトにも、おそらくミグ29を売り込もうとしている。
 ※いや~、焦りました。25日発売の徳間の新刊の中で、インドから「PAK-FA/T-50」を見放されたスホイ社が、あらためてUAEやイランをスポンサーにしようとすることには無理がある――という見方を述べ、その政治的な理由を縷説しているからです。発売前からさっそく記事訂正せにゃならんかと思うたわいの。「ミグ29」ベースなら、無問題でしょう。その理由は、拙著を読んでくださればおわかりになる。
 ロシアは世界第二の武器輸出国の地位を頑張って保っている。年間145億ドルも輸出している。
 ロステックはロシアの軍需工業の7割を傘下にしているという。
 ただしロステックは武器だけ商っているわけではなく、3割の民需品も売っており、できれば民需品の扱い比率を半分まで高めていきたい。
 同社はイランには10億ドル分もの「S-300」地対空ミサイルシステムを既に売った。
 社長の認識では、攻撃的兵器でなければ、対イラン禁輸制裁の対象にはならない。
 ボーイング社やエアバス社がその航空機製造のために必要としているチタニウムは、ロステックが供給しているのである。
 次。
 Michaela Dodge & Marek Menkiszak 記者による2017-2-21記事「U.S.-Japan Anti-Missile Test a Good Sign for the European Missile Defense Sites」。
  イージスアショアはルーマニアでは昨年から部分稼動を始めている。ポーランドへは来年に持ち込まれる予定だ。
 ロシアからの反対圧力をはねのけてルーマニア国会が米軍基地受け入れを可決するためにはルーマニア政府はおそろしい政治資源を投入した。
 このハードルはポーランドではもっと高くなるはずだ。
 オバマ政権は一回、BMDのポーランド持込みをキャンセルしている。
 これはモスクワ発の政治工作に屈したもので、オバマはそうすることでロシアとの関係が改善されると考えた。だが結果は逆だった。ロシアの要求はますますエスカレートしている。
 来年のイージスアショア展開がまた頓挫させられると、もはや欧州は米国を信用しなくなり、ロシアはますますその侵略政策を調子づかせるであろう。
 ポーランド政府は、駐留米兵と米人軍属たちに対して、同国内での消費にかかる付加価値税を免税してやっている。土地や建物の提供、米軍用地の警備など、ポーランド政府が負担している金額は巨額である。
 ルーマニア政府も同様の負担をしている。
 ※「大綱」前倒し改定で、日本側として素早く論定を急がされそうなのが「THAAD」か「イージスアショア」かの選択です。わたしはどっちも中共の水爆ミサイルを防げない以上、東京防空の役にも立たず、困った案件だと見ていますが、政治的には意味が大きいので、このさい、この2システムの損得を較べてみましょう。まず、中共に対するイヤガラセ効果がヨリ高いのはTHAADの方です。THAADを北九州や対馬に配備すれば、釜山橋頭堡の米陸軍をカバーしてやることができるので、米陸軍から深く感謝されるでしょう。しかし日本の防衛には米陸軍は平生ほとんど関与してません。そこが問題になります。特に米海兵隊は、THAADではじぶんたちは安全にならないと感ずるでしょう。米陸軍と米海軍=海兵隊との間に、有事には十全な情報リンクがすぐ立ち上がるはずだ……などとは、プロならば誰も想定していません。その点、イージスアショアならば、海兵隊は心強い。この意味は大きいでしょう。イージスアショアには、三菱が開発した部品が使われているので、これが多数採用されることは、日本が世界の安全にリアルに貢献していますよという大宣伝になるので、政治的な(無形の)利益はとても大きいです。THAADではそのような宣伝メリットはゼロでしょう。またTHAADでは巡航ミサイルは阻止できない。キチガイ隣国の●●軍が日本各地の原発建屋に向けてドイツ製の長射程巡航ミサイルを乱射乱撃してくるときに、THAADがなんぼあっても役には立たないのです。イージスアショアならば、NIFC-CAの一部となり、SM-6やアムラームの広域運用とシームレスに連接できますから、日本全土の原発が気違い●国の攻撃から安全になるばかりか、離島に所在する味方部隊を中共軍の巡航ミサイルや航空機や艦艇からも守ってやる一助ともなる。どちらを選ぶのが日本国民のためになるのか、結論はもうあきらかですね。