薄い炭素繊維をブースター筒体に応用できる技術力が無い国には、軽量小型のICBMはまったく夢物語なのである。

  Abhijit Singh 記者による2017-4-26記事「India Remains Cautious About the ‘Quad’」。
         豪州のターンブル首相がインド訪問を終えた。しかしインド政府は、インド・米国・日本海軍による合同演習「マラバール」に豪州海軍も加わりたいという希望を斥けた。
 インドの政治家たちはヘタレなので、2007いらい中共が、ベンガル湾での四ヵ国合同演習に強烈に反発していることにビビらずにはいられない。
 ちなみに日米印豪の四ヵ国同盟のことは「クァッド」と呼ぶ。
 中共はパキスタンのグァダル港からカシュガルまで道をつなげたがっている。
 過去4年間、中共の潜水艦がすくなくも6回、インド洋に入っている。
 スリランカの港に、中共海軍の潜水艦母艦(サブマリンテンダー)や海底音響調査艦が寄港していることは民間の衛星写真でまるわかりである。
 日本政府は最近、スリランカ政府がP-3Cを買えるように協力したいと提案した。また同時に、スリランカに海軍の哨戒機の基地を整備してインド洋全域を監視できるようにしたいとも。
 2隻の海上警備艇もプレゼントする。かれこれ日本からの援助総額は1650万ドルになる見込み。
 今月前半、安倍晋三は、スリランカ海軍もマラバール演習にオブザーバーとして加わったらどうかと示唆した。
 2017のマラバール演習には護衛艦『いずも』が加わる予定である。
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 VERONICA ROCHA 記者による2017-4-26記事「Air Force launches test missile off California coast to show nuclear deterrent capability」。
    北鮮と中共を脅すためにミニットマン3をクェゼリンへ試射した。
 現地時間の深夜に発射した。ヴァンデンバーグ空軍基地より。
 発射の命令は空中から出された。海軍のE-6機である。
 グローバルストライクコマンドは空軍系なのだが、海軍機からでもICBMを発射させられることを見せ付けた。
 米国内にも面白い意見あり。北鮮のミサイル実験は脅威であり安定を損なうという。じゃあ米軍のはいいのか? ……と。
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  Kyle Mizokami 記者による2017-4-26記事「Could North Korea Annihilate Seoul with Its Artillery?」。
     北鮮には、1万2000門の砲熕兵器と、2300基の多連装ロケットランチャー(口径107mm以上)があるとされる。
 大砲の口径体系は、122ミリの上が130ミリ、152ミリ、170ミリとなる。※西側の203ミリ加農に対抗したものがないのか。
 ロケット弾は、107mm、122ミリ、240ミリ、300ミリとあるが、122ミリ以下は脅威度が小さく、300ミリは数が稀少。気にかける必要のあるのは240ミリだ。
 北鮮の1個歩兵連隊は、3個の歩兵大隊が基幹だが、1個の重迫大隊も隷属する。
 重迫大隊は120ミリ迫撃砲×18門である。それに加えて、122ミリ榴弾砲×18門装備の1個大隊、107mmまたは140ミリの多連装ロケット×9基装備の1個大隊。
 ※昔の「聯隊砲」というわけ。だが、それに必要なタマをどうやって運ぶんだって。トラックを動かす軽油が枯渇したので、地方では「木炭自動車」が走ってるんだぞ!?
 北鮮の1個歩兵師団には、3個の砲兵大隊が隷属する。1個大隊は152ミリ榴弾砲×12門。1個大隊は、122ミリ榴弾砲×18門。1個大隊は、122ミリ自動車搭載多連装ロケット×12両。
 ※これが「師団砲兵」。
 これよりデカい火砲は、「軍直」レベルで装備される。
 1個の軍に直属する砲兵大隊が12個ある。そのうち6個は加農砲で、6個は多連装ロケットだ。
 この軍直砲兵大隊が有する加農こそ「コクサン」170ミリ自走砲である。これは1個大隊が18両からなる。また、多連装は240ミリで、それも18両。
 2010年11-23の砲撃事件では、76.2ミリの沿岸砲までちょびっと発射されたが、主力は122ミリ・ロケット弾であった。
 このロケット弾の撒布界が酷いものだった。288発の122ミリロケット弾が韓国軍の守備隊に向けて発射され、そのうち島近辺に着弾したのが170発。さらにそのうち、島の陸上部分に着弾したのは80発だった。
 ※しかも映像によればあきらかに「不完爆」に終わっている弾頭もあった。
 北鮮軍所有の全火砲のうち、ソウルまで届くのは700門である。
 しかし敵首都の砲撃に優秀火砲を集めてしまえば、南進軍支援のための火力はなくなってしまう。
 また、延々とつるべ撃ちしているわけにもいかない。発砲直後に対砲兵レーダーで射点を探知され、逆にその陣地に米韓軍の砲弾が降ってくるからだ。3発くらい撃ったところでバンカートンネルにいったん逃げ込まなくてはならない。そのあと陣地転換する必要もある。
 ※ここでも燃料が問題になる。自走砲を動かす燃料ももう無いだろう。
 ソウル市の地下には防空壕が完備し、地下鉄駅構内には配布用の防毒マスクまで蓄えられている。
 ※今後の米軍の課題だが、「短距離地対地滑空爆弾」を開発することになるのではないか? DMZの南側から翼付きのMOABをロケットで打ち出し、滑空で40kmくらい先に着弾させる。敵砲兵をバンカーごと埋めてしまえる。これは離島ゲリラ排除用の役にも立つだろう。
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 ストラテジーペイジの2017-4-26記事。
 F-18D用に、先行して、「自動着艦ソフト」が搭載された。「マジックカーペット」というシステムだ。
 いずれは全部のF-18が、発艦だけでなく、着艦も「両手手離し」でするようになる。
 ※米国は有人機をここまで進歩させている。日本は小型固定翼無人機の自動「収容」すらまだ実験もできねえのかよ。