米陸軍も海兵隊に続き、アサルトライフル用のポリマー弾倉の採用に傾けり。

 Sandy Winnefeld退役提督 および James N.Miller博士による『プロシーディングズ』誌vol.143寄稿記事「Bring Back the Nuclear Tomahawks」。
 今は艦内配備はゼロであるところの、米海軍の核トマホークは、トラムエヌという。
 ロシアのINF違反を座視したくないなら、米国は対抗措置として、このTLAM-NをSSNに再配備することだ。
 米海軍の艦艇から発射するTLAM-Nを再配備することは、少しもINF条約に抵触しない。
 しかもロシアは同格品を多数保有しているから、いまさら「軍拡」ともならない。
 レーガン時代のように、いったんこっちが核で強い立場を確保してからでないと、ロシアはこうした問題では屈譲しない。
 トラムエヌは、SSNにだけ搭載するがよかろう。水上艦ではなく。
 対北朝鮮でもこいつが役に立ってくれるだろう。
 ※この記者ふたりとも潜水艦に乗り組んでいたことはないようだ。SSNの水雷室では少しづつ核トマホークの弾頭から中性子が出ている。そして水上艦と違って、すぐ近くに水兵が寝る。その水兵の健康被害をどう防ぐのかの配慮がないのが、この論文のイタいところだ。W80と一緒に寝ている水兵に対する人道問題なのだ。
 次。
 Col. Mike “Starbaby” Pietrucha 記者による2017-5-10記事「The Antiship Mine Gets New Wings」。
   WWII中に米軍は機雷をハンプ越えで蒋介石に援助し、支那軍はそれで揚子江を封鎖した。
 ハイフォン港には1942-11にも機雷が撒かれたことがある。
 ベトナム戦争に機雷を使えばいいという発想は1964からあったのだが、政治家どもは、それは事を大きくしすぎるとして許可しなかった。
 しかしプロ軍人たちにいわせれば、陸路のトラックを空爆するよりも、機雷を撒いた方がはるかに敵の力は殺がれるはずであった。
 そしてようやくニクソンが、1972の敵の大攻勢で気が変わり、許可した。
 その時点で北ベトナムの輸入品の85%はハイフォン港から入っていた。石油に限れば100%であった。
 1972-5-9、A-6とA-7の二種類の艦上機から二種類の機雷を撒く作戦が決行された。作戦名「ポケットマネー」という、ブロケイドの試みであった。
 マーク52機雷は1000ポンド。これをA-6イントルーダーが撒く。
 A-7コルセアは500ポンドのマーク36機雷を撒く。
 1000ポンドは、ハイフォン港内の水道に。500ポンドは港外の水道に。
 結果、この港は、パリ和平協定のあとで米海軍が掃海してやるまで、漁船だけが通航できる海面になった。漁船より大きなフネは、出入りともに止まったのだ。
 ちなみに、同時期に、鉄道を寸断してやった空襲作戦は、「ラインバッカーI」である。
 2016-9のヴァリアントシールド演習で、新型の有翼滑空機雷がデビュー。
 大型のは、スキップジャック(かつお)といい、JADAMの機雷型である。
 小さいのは、「フラウンダース」〔ひらめ。ヒラメやカレイは背びれだけで泳ぐので筋肉が締まっているのだと某回転寿司の解説文に書いてあったが、そもそも回転寿司のエンガワは深海魚じゃねーのかい?〕。
 湾岸戦争で機雷撒き中に撃墜されたA-6。開戦から3日後の夜だった。
 低空・低速・直線飛行。しかもそれを敵前で何度も反復しなければならない。自殺ミッションに等しい。
 ちなみにハイフォン港に撒いたときの高度は300フィート、機速は360ノットだった。
 クイックストライクにとりつけた信管は、磁気/振動波〔サイズミック、語源は地震〕センサー。※前に海自の掃海艇の爆破係のダイバー氏に聞いたんだが、水圧センサーは誤動作が多くて信頼性が悪いという。ではサイズミックとは音響センサーのことなのか? だったら「アクースティック」って書くよね? いまだにここがよくわからねー。
 スキップジャックは、2000ポンドのクイックストライクが同時にJADAMでもあるので、「クイックストライクJ」ともいう。
 500ポンドの「クイックストライクER」は、フラウンダーのこと。
 どちらも展張翼付き。
 投下できる機体は、B-52、B-1、そしてF-18。
 もはや撒布機は、低空を低速で直線に、しかも何度も航過する必要がなくなった。
 JADAMを落とすときの高度、高速でよくなった。
 フラウンダーズの場合、機雷を撒く場所から40マイル手前で、母機は引き返せる。
 1972のハイフォンでは、3機のA-6がストップウォッチで測りながら3線を飛び、4個づつ撒いて、機雷原を構成した。それでもいびつな機雷原になっちまった。
 いまやそんな機雷原ならばたった1機で、上空に進むこともなく、完成できるのである。
 中共は、対外貿易の98%と、国内輸送の約半分(トン・キロ計算)を、海上輸送に頼っている。
 イランは国営タンカー会社をもっていて、それは世界第四位のタンカー会社。世界の海上経由の輸出品の6%は、イラン製品である。そのなかに、1日あたり230万バレルのイラン産原油が。
 ロシアは、サンクトペテルスブルク港だけに過度に依存している。その取扱いコンテナ量は、極東と黒海の全港を合わせた数量よりも大きいのである。しかも2000年から今日までサンクトペテルスブルクの荷役量は6倍に急成長している。そして同港は「フィンランド湾」(広義のバルト海)の東のどんづまりに位置するのだ。
 ※だからロシアはバルト沿岸をどんどん西へ侵略しようとする。米海兵隊もノルウェーに対露の本拠を据えることに決めたようだ。
 商船は軍艦と違って、自前のダメコンはできない。触雷したら、とにかく最寄の港に逃げ込んで、航海続行可能かを確認しなければならない。
 ハーグ協定により、すべての機雷原は、宣言されねばならない。
 ただしすべての宣言された機雷原にじっさいに機雷が仕掛けられている必要はない。
 じっさいに有効である必要もない。一回、爆発するだけで、阻止効果は十分なのだ。もうどんな商船もそこには入って行くまい。
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  Bethany Allen-Ebrahimian 記者による2017-5-8記事「Cheap Chinese Aluminum Is a National Security Threat」。
  スチールだけでなく、支那製のアルミも米国工場の脅威だ。
 米国のアルミ製錬所は、中共がWTOに入る2001年には23箇所あった。今は5箇所しかねえ。
 支那製アルミには370%という懲罰的な関税がかけられているが……。
 支那だけで世界のアルミの半分以上を製造するようになってる。
 アイスランドは火山のおかげで電力が安く、おかげでアルミ精錬業が大繁盛。
 中共の電力はしかし、欧米より高い。ところが政府が輸出補助金を与えているので、生産されるアルミ地金におそろしい輸出競争力があるのだ。
 中共による鋼鉄のダンピング輸出は、製鉄所を有するすべての国に迷惑を及ぼすから、全世界が非難を浴びせたものだ。
 ところがアルミ精錬業は世界の数ヵ国の寡占産業。だから、対支非難の声は小さい。
 ※すなわち多くの工業国にとってはアルミは単純に輸入するものなので、それが安いことは悪い話じゃない。日本は独特で、電力が高いけれども、戦略的な理由でアルミ精錬業が維持されている。
 次。
 ストラテジーペイジの2017-5-6記事。
  A-1スカイレーダーを復活させればいいじゃんという意見。
 3.5トンの爆装可能だった。
 20ミリ×4門。
 滞空4時間は、A-10より長い。
 最低速度は220kmで、これはA-10とあまり変わらぬ。
 ※中共は最新型の軽ジェット練習攻撃機用のエンジンすら、ウクライナ製AI-222が頼み。そのクラスですら国産にロクなものがないってところから、他のエンジンはお察しだよ。