「読書余論」 2017年7月25日配信号 の 内容予告

▼枝松茂夫tr.『紅楼夢(一)~(十二)』1972~1985イワブン
 最初の誕生日祝いに、父親が、男子の将来の性向を占うために、世上のありとあらゆるものをその前にならべて、嬰児にそれを掴ませてみる。
 「人を殺しても頭を下げれば事はすむ」ということわざがある。
 支那里は、0.66km。
 11~12世紀の宋代に口語体小説が起こった。
 14世紀に、「章回小説」(長編小説)の手本になる『水滸伝』『三国志演義』が成立した。
 16世紀の明の中葉に、『西遊記』と『金瓶梅』が続いた。
 18世紀なかば以降の清朝で、『儒林外史』と『紅楼夢』が書かれた。この『紅楼夢』を最後として、それを凌駕する小説は支那ではついに書かれていないのである。
 訳者は戦前に『紅楼夢』の訳刊をスタートさせていたが、戦争になり、不要不急の出版とされ、中断。終戦後のS26にようやく、最後の14冊目を出すことができた。それを改訳したのが、この文庫版。
 S33~35に、伊藤漱平が平凡社から斬新な全訳本を出している。それも参照して旧約本の誤りを是正した。
 流刑の一種に「軍流」があった。辺境の駐屯部隊に配属されて、そこで雑役に服する。「充軍」ともいった。
▼M.C.ペリー著、F.L.ホークス編纂、宮崎壽子監訳『ペリー提督日本遠征記』上下巻 角川文庫 H26 pub.
 ペリーいわく。われわれアメリカ人には、他国(英国)の国民が、征服した国々の原住民に加えた非道をののしる権利はない。われわれも、土着の諸部族を欺き、残忍に扱ったことについては彼らと大差はないのである。
 首里についての感想。これほど清潔な都市をわたしはいままで見たことはない。一片のごみやチリも見ることはなく、中国のあらゆる都市の汚なさとは非常に異なっている。
 香港は、最大級の船舶でも陸から700ヤード以内に碇泊でき、しかも風波からは守られる。超良港だ。
 台湾とシナ本土の間の海峡には、強い南走海流がある。これは西洋航海士にはよく知られていた。
 日本の扇は寸法が決まっていて、それをものさしに使うことができる。
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 「読書余論」は、主に軍事系の古本を、兵頭が注目した一斑の摘記や読書メモによって紹介し、他では読めないコメントも附しているものです。
 あまりに多すぎる過去の情報量の中から「兵頭はここは珍しいと思いました」というポイントだけ要約しました。
 大きな図書館に毎日通えない人も、最低費用で、過去の軍事知識のマニアックな勘所に触れることが可能です。
 また、ミリタリーしか読んで来なかった人には、他分野の情報が、何ほどか有益かもしれません。
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