Scott Savitz 記者による2017-7-6記事「Rethink Mine Countermeasures」。
アヴェンジャー級掃海艦は、木造とFRPの半々だった。この次の世代をどうするか。
繋留具切断掃海と、曳航式感応誘爆掃海とがある。
1973年に米海軍は、パリ和平合意にもとづいて、ハイフォン港を掃海することに……。LSTを改造した最終掃海確認艦『ワシュトノーカウンティ』が駆り出された。
その艦内には泡状の消火液が満たされ、操艦は、詰め物にぎっしり囲まれた上甲板から行なわれた。日本でいわゆる「ブタ船」である。
フォークランド島を1982に再占領した英海軍も、軍艦『アラクリティ』を使って、同様の「チェック・スウィープ」を実施している。
これからは、こういった面倒なブタ船ではなくて、使い捨ての利く無人水上船USVによって掃海最終確認作業をさせることもできるはず。
小型ロボット掃海艇のスウォーム案は悪くないが、それだけでは掃海は仕上がらない。
じつは商船が触発機雷の海域を抜け出す一つの方法がある。超低速で進むのだ。触発機雷は一定以上のインパクトで衝突しないと起爆しないようになっているので。※もちろん、波やうねりの関係で、どうなるかは保証されない。
普通の軍艦より小さいUSVは、低速で走れば、自艦が触発機雷で損害されることなく、掃海ができるかも。
ボロボロに古くなった大型商船にリモコン装置をつけて海軍の「ブタ船」にしようという案もある。吃水と横幅が大きいほど、「体当たり機雷掃海」は効率的になるわけだ。となるとタンカー。
現代の大型タンカーは1発の機雷では沈まないことが1980年代のペルシャ湾で多数の実例によって確認されている。※しかしそのまま予定通りの寄港地まで航海を続けるというわけにもいかなかったが。
感応機雷掃海の難しいところは、進化している敵機雷の「水圧」センサーとそのアルゴリズムをどうごまかしてやれるのか。水圧源と音源が別位置ならば、それは掃海艇と掃海具だと判断されて、起爆はしないかもしれない。
しかしUSVなら、曳航する掃海具ではなく、自艦から直接に音も水圧も磁場も発生してやれるので、アルゴリズムでは本物と区別はできないはず。
マインハントとマインスウィープは違う。マインハントは、できるときにやりなさい。掃海は、命令によって、否でも応でもやらねばならぬ仕事だ。
感応機雷の側で、掃海努力を無駄にしてやるためのビルトインシステムを、対掃海手段MCCMという。
代表的なのは「シップ・カウンター」。最初の数回の刺激では起爆せず、数隻やりすごしてからドカンといく。
「サイコロ信管」というのもある。通過船を感知したときにはルーレットが回り、そのルーレットの出た目によって実際に起爆させるか起爆させないかをいちいち決定する。その「当たり確率」はプリセット変更できる。低確率にしておけば、かなり長期にわたり海域を危険化できる。なまなかな回数の掃海では見逃されるしかない。
巨大船も、超低速で動けば、水圧変化が微妙になり、感応機雷の水圧センサーでは、自然現象との区別ができなくなる。