室内で自分の手の指の骨を透視する方法。あと、栗入り大福ありがとうございました。

 今日わたしはじつにくだらないことを発見してしまった。
 てのひらを太陽にかざしてみても骨は透視できない。
 ところが、ひるまの屋内で、両手の指を微妙にずらして(奥のてのひらの指と指の間のスリットから漏れ来る光を手前の指で立体的に塞いでしまうように)重ね、半透明のガラス窓越しの間接日照に透かして見るようにすれば、自分より遠い側の手の指が、黒い輪郭をハッキリと顕すのである。
 なぜそうなるのかは説明できない。
 次。
 James Bamford 記者の〔古い?〕記事「The newest front in global espionage is one of the least habitable locales on Earth――the Arctic」。
   2014年夏、ノルウェーの学術調査チームがホバークラフトを使って北極点から200マイルの巨大浮氷上の観測拠点に物資を運び、研究者2名が拠点に残留した。
 2014-10にこの2人はびっくりした。2マイル先に照明が見えた。近寄ると、潜水艦だった。
 それはロシア海軍の『オレンブルグ』で、後日の写真判定により、小型の深海偵察工作用原潜だと判明。
 どうやら原潜の方が、この研究者たちに関心があったようで、すぐにその姿を消した。
 『オレンブルグ』は、ロモノソフ海稜から地質サンプルをドリルで採取していたようだ。同海嶺は、海底面から3900mもせりあがっている。稜線の総延長は1000マイル以上。
 米国の地理調査局によれば、北極海の海底には、世界の未発見の原油のうちの13%が眠っているだろう。すなわち900億バレル。また、未発見の天然ガスのうち3割も、やはり北極海底にあるであろう。
 北極海に隣接領土をもっているのは、ロシア、合衆国、カナダ、ノルウェー、デンマーク(グリーンランド)だけである。
 いま、北極海の氷は、他のどの地域よりも急速に融けて、船のアクセスが容易になっている。しかしマイナス45℃になる海域で、深海底をボーリングするのは楽じゃない。そこで、米国以外の4カ国は、このロモノソフ海稜の真上の流氷上に調査基地を置いて、北極海底油田の手がかりをまずここから得ようと努力中なのだ。
 世界庶民が中東ニュースばかり聞いていた間、5ヵ国は、北極監視用衛星を打ち上げ、北極監視用の無人機と有人偵察機を飛ばし、電波傍受用の北極基地を設営し、工作任務用の潜水艦を送り込んでいた。
 ※ふつうの極軌道の偵察衛星なら北極海の上は毎日必ず通過しているわけだ。しかし冬季は日照がおよばないので、それはレーダー偵察衛星である必要があるかもしれない。
 冷戦中はウィーンが各国のスパイどもの巣窟だった。今は各国のハイテク監視アセットが北極海に集中している。
 イヌイット族のことわざにいわく。氷が割れたときこそ、真の友人は誰だったのかが判る、と。
 1994から効力発生している国連海洋法では、大陸棚について、もし、その地質地形が陸地からまったくひとつづきのものだと証明できるのならば、沿岸国はEEZを350海里まで主張できるとしている。
 だから米国を除く四ヶ国は、北極海の大陸棚が自国の陸地とひとつづきのものだと証明できる科学調査データを国連に提出すべく、同地で熱心なボーリングを続けている。
 なぜ米国だけ、それをしないか。米国は国際海洋法条約には加わっていないからだ。レーガン政権が、海底の鉱物の開発に関する社会主義的な国際規制など受け入れられないという立場を表明した。
 その後、ビル・クリントンが条約に署名した。次のブッシュ(子)とオバマもそれを支持した。統合参謀本部、米海軍上層、さらには石油業界まで、批准を望んでいる。けれども、連邦議会上院の共和党員が、一貫して批准を阻んでいるのだ。
 既批准国は、200海里以遠の大陸棚も自国領土と一体だという地質証拠を揃えるまでに10年間の期限を、国連から与えられている。
 ロシアは早くも2001に国連に、北極海の海底の半分はロシアのものであると主張した。もちろん極点をも含む。
 そしてその6年後に、深度1万4000フィートの北極点に、チタニウム製のロシア国旗を突きたてた。
 これにカナダ外相が反論。今は15世紀かよ、と。
 するとロシア空軍は演習で巡航ミサイルを発射して北極点上空を通過させた。
 2006年にノルウェーが国連に提出した申請書。バレンツ海の「ループホール」、大西洋の「西ナンセン海盆」、ノルウェー海の「バナナホール」はノルウェー領土からひとつづきの大陸棚である、と。北極海にはクレームせず。
 ところがその後にノルウェーは考えを変えて、ロモノソフの調査に入った。国連が設定した10年の期限に間に合えば、追加申請は問題がないのだ。
 デンマークも、ロモノソフ稜はグリーンランドとひとつづきであると主張している。
 海洋法条約ができてから30年目の段階で、61のクレームがあるという。いずれも新しい洋上の境界線を求めるもの。
 うち、委員会が解決できているのは18だけ。
 北極点に最も近い通年常駐基地はエレスメア島で、カナダ領。極点から500マイル。
 ロシアが北極圏に展開している軍事基地間の通信は電波によるしかない。それを傍受している。もちろんミサイル実験のテレメトリーも。
 会話傍受基地はオタワの近くの「レイトリム」にある。NSAと直結。
 米国はグリーンランドにトゥール空軍基地を保持。
 衛星制御のための特殊施設。
 カナダの見積もりでは、UAVに空中給油する技術をロシアが手にしない限りは、露軍はUAVによっては北極圏のカナダの動きを見張ることはできない。
 他方、カナダは、「レーダーサット2」号の合成開口レーダーにより、雲があろうとなかろうと、露軍の動きは掴める。
 2014-11にロシア政府は発表。アラスカから420マイルの地点に無人機の基地を建設すると。
 ※2014年といえば「パーソン・オブ・インタレスト」のシーズン3の頃じゃないか。