名を自重に藉り、自安の計をなす。

  Jonah Bennett and Saagar Enjeti 記者による2017-8-3記事「EXCLUSIVE: ‘Everything The President Wants To Do, McMaster Opposes,’ Former NSC Officials Say」。
     元NSCメンバーの人によると、NSC内では激しい政治闘争が繰り広げられている。
 トランプはアフガンから足抜けしたい。マクマスターはもっと関与せよという。トランプはシリアからも足抜けしたい。マクマスターはもっと投入せよという。トランプはシナ問題にかかわりたい。マクマスターはそう思わない。トランプはイスラム問題にかかわりたい。マクマスターはそう思わない。トランプはイランとの核合意を破棄したい。マクマスターはそう思わない。
 マクマスターはペトレイアスの追従者でありCIAべったりだ。
 大統領選挙中からずっとトランプのために働いてきた幹部たちはマクマスターを追い出したい。しかしマクマスターの反撃の方が強力。
 マクマスターはトランプ政権をオバマ時代そのままの路線にどんどん引き込んでいる。
 NSCのロシア部門も、オバマ政権の残滓によってすっかり過去の反露路線に引き戻された。
 選挙本部の忠義派と、すでに追い出されたマイケル・フリンの同志たちは、隅っこにおいやられつつある。
 トランプは、アフリカの専門家、シリル・サーターを雇った。これはサーターの古巣であるCIAの勝利である。
 CIAはサーターのセキュリティクリアランスを昔のまま有効にし続けてやっている。
 かたやCIAは、ロビン・タウンリーのセキュリティクリアランスについてはそれを無効化した。これでタウンリーはトランプ政権のNSCメンバーたりえなくなった。
 タウンリーはフリンと近い人物。フリンと同じく、インテリジェンス業界(CIAなど)から嫌われ、町を追われたわけだ。
 マクマスターは大統領の情報補佐官のエズラ・コーエンワンティックもNSCから追放した。
 『アトランティック』誌によると、戦略計画担当のリッチ・ヒギンズは、〈グローバリストとイスラミストが共謀してトランプ路線を覆滅させようとしている〉というメモを7月にトランプに手渡した。だが〔マクマスターによって?〕馘にされた。
 過ぐる木曜日、中東担当のデレク・ハーヴェイもNSCから追放された。マティス国防長官が、追放を望んだ。マティスとマクマスターは同志関係である。
 ハーヴェイをNSCに入れたのはフリンであった。
 ハーヴェイは、ステフェン・バノンに近すぎると見られていた。
 ハーヴェイの部下副官だったジョエル・レイバーンとマイケル・ベルはNSCに残留。そしてハーヴェイのポストはマイケル・ベルが襲った。
 7月前半、NSCの高官だったタラ・ダールもNSCを去った。
 やはりフリンが引き連れてきたアダム・ロヴィンガーも、CIAが5-1にセキュリティクリアランスを発給しないという奥の手を使ってNSCから追放した。
 やはりフリンがつれてきたK・T・マクファーランドは、マクマスターがNSCを支配した4月に馘を申し渡されたが5月まで居残り、6月にホワイトハウスは、彼女のためシンガポール大使に栄転という格好をつけてやった。
 バノンはやはり4月にNSC内での権勢をもぎとられている。