米軍はディーゼルを廃止する気まったく無し。

 Charles Lyons Jones 記者による2017-10-5記事「Article 9 and Japan’s missile defence dilemma」。
   北鮮がもっている9種類の弾道弾のうち、日本向けに適しているのはノドンである。射程1200km強。
 もし日本領土外に着弾するミサイルを破壊すると、それは、「国際紛争を武力で解決」することになってしまって、日本国憲法に抵触する。
 4500km飛ぶ「火星12」が日本に着弾することはない。これはグァム向けだ。それを日本は迎撃できない。そこで改憲が必要になるわけだ。
 BMD任務イージス艦による迎撃が成功する第一要件は、その運用艦の位置。
 もし日本の『金剛』型が、米海軍の『アーレイバーク』型よりもちょうどよい位置にいた場合、迎撃成功率は金剛型のほうが高くなる。しかし「9条」あるかぎり、グァム防衛のために日本の駆逐艦は使えないのだ。
 ※このレトリックの馬鹿々々しいのは、米政府がグァム島に「チージス」(地上配備型イージス)を置くだけでグァム防衛については問題は簡単且つ確実に解決してしまうこと。まちがいなくそこに落ちてくるのだから、そこから反対コースで打ち上げるのがいちばん誘導も単純化される。チージスはイージスより維持費も安い。海象の悪影響も受けない。トランプ政権は、軍艦を100隻増やとブチ上げる前に、こっちを先にやったらどうなんだい? 自国領土なんだし……。
 次。
 Gary Gastelu 記者による Fox News記事「Cummins developing revolutionary new diesel engine for U.S. Army」。
    カミングス社は、加州のアケイティズパワー社の垂直「かちあい」ディーゼルエンジン技術を導入して、米陸軍のための先端戦闘エンジンを開発する資金47400万ドルを陸軍からもらった。
 ※アケイティズは『イーリアス』に登場するアイネイアースの忠実な部下、誠実な友アカーテース。
 これは2サイクル・ディーゼルなのだが、1本の垂直シリンダーの中で、2つのピストンが対向的に動く。両方のピストンはシリンダー中央部でかち合う。かち合う直前にシリンダー中央部へディーゼル燃料が噴射されるのである。
 この垂直シリンダーが、たとえば3本直列に配置される(その場合、ピストンは6つになる)。
 この仕組みにすることで、ヴァルヴトレインを廃止できたという。
 かち合い式のメリットは、シリンダーヘッドからの損な放熱を最小化できることにある。よってディーゼルの効率がメチャ上がる。
 既製エンジンと同じ出力を、より小さな体積のエンジンで実現でき、しかも燃費は1割以上よくなる。
 とりあえずの目標は、ブラドリー歩兵戦闘車に搭載している600馬力ディーゼルを、この新型で換装すること。陸軍によるテストは2019年から始める予定である。
 ※『東京と神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうなる』、とうとう出ましたね。この本は売れるだろうが、オレとしては出来映えに不満がある。というのは、接続詞の使い方がオレらしくなさすぎる。事情は……お察しください。同じ接続詞が連続して何回も出てくるのは、幼稚ですよ。表紙の「7地点」てのもミスリーディングじゃね?