米露戦争が先週から始まっていた……。シリアのノモンハン事件。

    STEPAN KRAVCHENKO, HENRY MEYER AND MARGARET TALEV 記者による2018-2-13記事「US strikes said to kill scores of Russian fighters in Syria」。
  米軍がシリアでいちどに100人以上のロシア兵を戦死せしめた模様。
 2月7日、ユーフラテス川の東8kmで、諸兵種連合の1個大隊規模のアサド=ロシア軍が、米軍とクルドの同盟軍に向かって発砲しながら前進開始。
 敵は戦車、多連装ロケット砲兵も伴っていたが撃退された。
 この場所は Deir Ezzor 地区といい、石油とガスが埋蔵されている。敵はそこにこだわっている。
 ロシア兵は名目上はアサドが雇った傭兵という。200人以上いた。
 米軍発表によると露兵を100名は斃した。そしてその二、三倍は負傷させた。
 この攻撃は、現地ロシア軍の指揮系統からの命令によるものではなかったことが、事件後に確認されたという。つまり傭兵の暴走?
 米民間軍事会社「ブラックウォーター」のロシア版があるのだ。「アカデミ」という傭兵供給会社だ(以前は「ワグナー」と称していた)。アサドはそこから露兵をレンタルして、石油・ガス施設を守備させている。見返りとして、石油採掘権を譲与しているという。
 しかし2-7事件の傭兵の実態は解明されていない。イランが動かしているという説もあるが、とにかくロシア人/ウクライナ人であることは確か。
 米軍は、反撃の際、航空機と砲兵も投入した。
 そして米軍とクルド軍には一人の負傷者もなかったという。
 露軍の車両と歩兵がUターンして西に逃げ出したので、追い撃ちはしなかったと。
 ユーフラテス川が米露両軍の暫定境界線となっている。しかるにアサドとしては Deir Ezzor 東部の埋蔵資源を担保にして国家の財政を立て直したい。だから越境して攻め込んだのだろうが、もののみごとに失敗した。
 ロシア国防省の公式発表。シリア人戦士25人が負傷したと。
 ロシアの傭兵隊長に電話で取材したところによれば、彼の部下が数十人、セントペテルスブルクとモスクワの病院に入院している。
 傭兵のほとんどはロシア人と親露系ウクライナ人で、いずれも元軍人。ウクライナ戦線で実戦経験があるともいう。※つまりクリミア切り取りで暗躍したスペツナズ工作部隊じゃないか。
 反プーチンの政治家、グリゴリー・ヤヴリンスキーのツイッター書き込み。ロシア人が死傷しているというのに、参謀総長や軍の司令官はなぜ国民に対して説明もしないのか。
 ※鎧袖一触の赤恥。プーチンは五輪どころじゃないのだろう。