ELLEN NAKASHIMA, KAREN DEYOUNG AND LIZ SLY 記者による2018-2-23記事「Putin ally said to be in touch with Kremlin, Assad before his mercenaries attacked US troops
プーチンもアサドも、ロシア傭兵部隊がユーフラテス東岸の米軍を攻撃する計画であることについては、事前に承知をしていた。
攻撃は2/7だったが、それに先立つ1月下旬、ロシアの大物イェフゲニー・プリゴジンが、シリア高官に対して、2月前半に実行されるはずの「迅速・強力」な前進計画についての某ロシア政府大臣からの確かな許可を得ている、と語っている通信が、米国によって傍受されているのだ。
プリゴズィンは、米国の2016大統領選に情報干渉した中心人物としてロバート・ミュラーから名を挙げられている怪人物である。
もともとサンクトペテルスブルクのレストラン経営者だったが、そこでプーチンと密接な関係を築き、今ではロシア国防省相手のビジネスまでも手がける一財閥の巨頭に成り上がっている。
米情報機関が睨んでいるところでは、プリゴジンは傭兵会社も支配していて、アサドに貸し出しているロシア兵を統制している。
個々の傭兵はワグナー社が雇い上げている。兵隊は主に、極右のロシア人や、元軍人たちで、ウクライナで実戦してきたばかりの者もいる。
事件は、2月7日の夜に起き、8日の未明まで続いた。
敵の人数は300人から500人であった。
米軍のカウントでは戦闘3時間で100人前後を戦死させた。
※通常、戦死1人に対して戦傷者は5人を数える。この露軍は殆ど「全滅」したと見ていいだろう。
傍受によるとプリゴジンはシリアの大統領問題担当大臣ファドゥララ・アザムと連絡していた。
1月24日の通信では、プリゴジンは23日にロシアの某大臣から、「迅速・強力」な攻撃計画についての確かな許可を得ていることをアザムに請合った。そして、あとは、シリア政府の決心次第だと言った。
1-30にプリゴジンはアザムに対し、2月の6日から9日の間に、アサド大統領にとっての嬉しいサプライズニュースがあるだろう、と大言壮語。それに対してアザムは、謝礼金ははずむよ、と約束。
この間、プリゴジンは、プーチンの側近であるアントン・ウァイノおよびウラジミール・オストロヴェンコと頻繁に連絡を取り続けている。それは2-5まで続き、2-8からまた再開されている。
現地米軍は、ISRによって、対岸の露軍が2-7の攻撃開始よりもすくなくも1週間前から戦闘準備に入っていることを偵知していた。
米財務省によると、プリゴジンの所有する「エヴロ・ポリス」社は、2016にアサドと契約を結び、IS支配区を奪還したならその土地に眠る石油と天然ガスの25%を貰えることになっていた。
その土地のほとんどはユーフラテスの東岸にあり。
次。
ストラテジーペイジの2018-2-23記事。
2017-12時点でワグナーグループは1200人の露兵(傭兵)をシリアに展開させていた。
その半数は直接戦闘要員である。
ロシア語のSNSをモニターしていれば、非常に多数の元軍人が傭兵会社に登録していることは簡単に判る。
こやつらが勝手にシリアやウクライナから写真をネットにアップロードしてくれているのだ。
シリアでは傭兵は、ロシア正規軍部隊の基地を守衛している。アサド軍をロシア砲兵が支援するときには、その正規軍砲兵をロシア人傭兵が護衛する。
ごく稀に、シリア政府軍の直衛としてロシア人傭兵隊が前線に出ることもある。
ウクライナでは、傭兵部隊は、「親ロシア」なのだが統率に従わないウクライナ人武装叛乱団の不羈を罰するために出動することがある。
出動して何をするのかというと、こっそりと、そのリーダーを始末してしまうのである。
ウクライナ人はロシア傭兵チームを「掃除屋」と呼んでいる。
シリアにはエリートのキューバ兵もやってきている。彼らはアサド軍に稽古をつけてやっている。
2017末までにシリアではロシア将兵は公式には45人だけ死んだことになっているが、実数は3割増し~8割増しだ。
ワグナー社の賃金体系。戦死手当ては、階級が高ければ、最高で8万8000ドルだという。遺骸はひっそりと、ロシアの家族のもとに還される。
傭兵は、守秘義務契約を結んでいる。しかし傭兵の家族にはそれは適用されない。だから遺家族がSNSに勝手に投稿するので、外部世界は、ロシア語SNSをモニターしていれば、シリアで何が起きているのかを推知できる。
インターネット情報を総合すると、2/7には50人死んだのは確実で、別に70人が負傷した。
東部ウクライナには、ワグナー社とは別な複数の傭兵会社も、傭兵を送り込んでいる。
シリア内の露軍陣地の周りには恒常的なジャミングがかけられていて、基地内からGPS付きスマホによる送信(SNS投稿)ができない他、クォッドコプターの操縦も不可能になっている。これはスウォーム襲撃と、情報漏洩をふたつながらに予防する。
ロシアは中共の次にはインドネシアにスホイ35を売りたくて必死。
ゴラン高原でイスラエルのF-16(複座)を撃墜したのはS-200=SA-5であった。
SA-5などがなぜそこに残されていたのかというと、ロシアとイスラエル政府の間の協定で、破壊しないことになっていたのだ。